高齢者だけでなく、障害を持っている方への人的支援は重要です。
今回の記事では、重い障害を持つ方への支援である重度訪問介護について、重度訪問介護の仕事内容や資格取得方法について解説します。
目次
重度訪問介護従業者とは、重度の肢体不自由や知的などの障がい者の自宅に訪問して介護を行うサービスです。
重度訪問介護は、障害者支援区分4以上に該当し、認定調査項目のうち10点以上に当てはまる人が対象となります。
重度訪問介護は、24時間連続でサービスを受けられることが特徴です。
重度訪問介護についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
重度訪問介護とは?仕事内容や必要な資格などについて徹底解説!
重度訪問介護従業者になるためには資格が必要です。
研修を修了し、重度訪問介護従業者の資格を取得した場合、現在の職場での待遇が上がることがあります。
キャリアアップの大きなチャンスであるため、重度訪問介護従業者の資格を取得することをおすすめします。
重度訪問介護従業者になるための資格取得には、指定のカリキュラム受講を行い「重度訪問介護従業者養成研修」を修了する必要があります。
研修の種類は以下の通りです。
・基礎課程
・追加課程
・統合課程
・行動障害支援課程
これら4つの受講のための資格は特に必要なく、年齢や職歴、学歴なども不問です。
カリキュラム受講は各自治体やNPO法人が主催しており、日程なども各所で指定しているので受講する方はしっかり確認しておきましょう。
東京にお住まいの場合は、東京都福祉保健局でカリキュラムの日程を確認できます。
参考:東京福祉保健局
基礎課程は講義3時間、実習7時間の計10時間で構成されているカリキュラムです。
重度訪問介護の基礎的な技術や職業倫理などについて学びます。
基礎課程を修了することで、障害者区分4〜5の利用者に対しての介護サービスを行うことが可能です。
重度障害者のケア方法やリスク管理、緊急時の対応方法などを学ぶのが追加課程です。
重度訪問介護の知識や技術面に対して、より実践的で深い学びを得ることができるのがポイントです。
講義7時間に実習3時間のカリキュラムを受講するので、ある程度の現場の空気感を体験できることでしょう。
修了することで、障がい者区分6の利用者を対象とした介護サービス提供が可能になります。
基礎課程と追加課程の内容に、喀痰吸引や経管栄養の演習を加えたカリキュラムが統合課程です。
自治体によって統合課程実施の有無が異なるので注意しましょう。
修了すると医師や看護師の指導の元、喀痰吸引や経管栄養といった医療行為を行うことができます。
カリキュラムの内容は講義7時間、演習1時間、実習8.5時間の計20.5時間となります。
行動障害支援課程は、重度の知的、精神障がい者に対した介護サービスを提供するためのカリキュラムです。
修了することで、「強度行動障害支援者養成研修」も修了とみなされます。
受講時間は講義6時間、実習6時間の計12時間。
2014年に施行された障がい者総合支援法にともない新設されたカリキュラムで、主に知的や精神障害者の利用者を対象とした介護知識や技術が中心となります。
重度訪問介護従業者のための資格取得は、自治体やNPO法人などが主催しています。
このため、各自治体が定めた事業所やNPO法人などの所在地が主な実施場所です。
実施場所を確認したい場合は、各自治体やNPO法人のホームページをチェックしたり、直接連絡して問い合わせてみましょう。
資格取得のための研修受講費は、課程によって金額が決まっています。
東京都の場合東京都福祉保健局を見ると、基礎課程と追加課程はそれぞれ14,000円〜15,000円程度です。
2つの課程を抱き合わせで受講することも可能で、実施する事業所によって20,000円〜30,000円の幅があります。
統合課程と行動障害支援課程になると受講費用も上がり、25,000円〜50,000円近くまでの金額となります。
参考:東京福祉保健局
重度訪問介護の利用者は年々増加傾向にあり、それに対しての介護従業者が少ないと言われています。
需要度の高まっているお仕事であり、利用者の介助から家事全般まで幅広い介護サービスを提供できるお仕事なので、やりがいが欲しい方は考えてみてはいかがでしょうか。