サービス管理責任者とは、障害福祉サービスの提供に関するプロセスを総合的に管理する仕事です。
重い責任を負う職種であり、その仕事内容は非常に大変だと言われています。
今回の記事では、サービス管理責任者が大変だと言われる理由や、サービス管理責任者に向いている人の特徴、サービス管理責任者に必要な心構えを中心に解説します。
目次
サービス管理責任者の役割として、障害福祉サービスに関する支援計画の管理、職員への指導・助言、様々な関係機関との連携を担います。
質の高いサービスの提供のため、そのプロセス全般を管理する重要な職種といえます。
障害福祉サービスを提供する事業所には、サービス管理責任者を1名以上配置しなければいけません。
サービス管理責任者は障害福祉サービス全般を取りまとめる役割であり、その仕事は大変だと言われています。
こちらではその理由を5つ取り上げましょう。
サービス管理責任者の業務の一つである個別支援計画は、利用者1人1人に合わせ作成する必要があります。
作成の際、サービス利用者・家族の意向ばかりではなく、職員の意見・関係機関との調整を図る必要もあるので、非常に手間と時間がかかります。
個別支援計画を作成・交付しても、モニタリングを行い定期(例:半年に1回)は見直しが必要です。
複数人の利用者を担当するならば、多くの業務を抱えるケースもあります。
また、利用者・家族からの相談・職員の相談への対応、職員の退職等により生活支援員の業務を一部兼務する等、仕事量が増加する事態も想定されます。
サービス管理責任者は利用者のサービス全般に関与し、その責任を負う役割なので、利用者・家族からのクレームがあると、その対応に追われる場合があります。
たとえサービス管理責任者本人に何ら落ち度は無くとも、事業所の職員のミスで責任を追及される可能性もあります。
利用者やその家族はもちろん、職員にも配慮して業務を行う必要があるので、常にプレッシャーを感じてしまう人も多いです。
サービスを提供する側は利用者・家族にとっては頼もしい存在であり、新人職員であっても冷静・慎重な対応がもとめられます。
サービスの質を高めるためには、新人職員を対象とした研修・勉強会も大切ですが、そればかりではなく実務を通じた指導も必要です。
利用者のサポートと同時進行で職員のスキル向上を図る難しさも、サービス管理責任者の仕事が大変だと言われている理由の一つです。
サービス管理責任者は職員を指導し統括する立場です。
ただし、職員ごとに考え方はそれぞれ異なり、サービス管理責任者の指導方法に合う人もいれば、合わない人もいるはずです。
サービス管理責任者は職員の個性や考え方を把握し、各職員に合った指導方法・伝え方を工夫する必要があるでしょう。
しかし、指導される職員側にも感情はあるので、サービス管理責任者の努力だけでは、職員との関係がなかなか改善されないケースもあります。
一つの事業所だけでは、利用者・家族の様々なニーズに対応できない場合があります。そのため、医療機関や地方自治体等との連携が重要となります。
外部機関と連携のために会議に参加するのはもちろん、自立支援協議会で意見を述べたり、他機関の責任者と常にコミュニケーションをとったりして、調整を行う必要があるでしょう。
個別支援計画の作成や利用者等への対応、人材育成という忙しい業務のさなか、外部機関との話し合いを持つ機会もつくらなければいけません。
参考:愛知県
サービス管理責任者は障害福祉サービス全般を取りまとめる役割なので、責任が重く誰でも気軽になれる職業ではありません。
サービス管理責任者は主に次のような人が向いています。
どのような職業にもいえることですが、責任感の強い人が特に向いている仕事といえます。
サービス管理責任者は利用者へのサービス全般に携わり、個別支援計画を安全・円滑に提供する必要があります。
担当する利用者・家族、職員や外部機関にも気を配らなければいけません。
サービス管理責任者は利用者や事業所の職員の他、様々な方々とコミュニケーションを取り、業務を進めなければいけません。
介護等に関する専門知識だけではなく、ヒアリングやプレゼンテーションの能力も高い人が向いています。
利用者・家族のニーズをヒアリングし今後のサービスに反映し、サービス管理責任者本人の意見や有している情報をスムーズに職員・関係機関に伝える力があれば、円滑に質の高いサービスを提供していけるはずです。
新人職員や介護分野の職業が未経験だった職員は、知識や経験が十分に備わっているわけではありません。
そんな人材を粘り強く育成していくことが好きな人は、サービス管理責任者に向いています。
マニュアルに沿って淡々と作業させるのではなく、研修等を通し、職員に意見を求める等、職員とコミュニケーションをとってスキルの向上に努めていく姿勢が大切です。
サービス管理責任者を目指す人も、既にサービス管理責任者となり業務を開始している人も、次の心構えを忘れないようにしましょう。
サービス管理責任者本人が非の打ちどころのない個別支援計画を作成できたと思っても、サービス利用者や家族から修正を求められる可能性があります。
利用者のニーズはそれぞれ異なり、利用者に合ったサービスを提供するためには、まず利用者・家族の意見を慎重にヒアリングする必要があります。
サービス管理責任者が利用者・家族に対し、個別支援計画を提案する姿勢も大切ですが、利用者側の都合に合わせた柔軟な調整を心がけましょう。
サービス管理責任者の努力だけでは、職員が行うサービスの質の向上は困難です。そのため、職員の研修・勉強会・実務を通じた指導へ、常に気を配りましょう。
サービス管理責任者だけで指導しようと思わず、ベテラン従業員の力も借りながら、新人を育成し、事業所全体のスキルアップを図る姿勢が大切です。
サービス利用者・家族の意見の他、担当した職員の意見・提案を考慮し、各利用者のニーズに合ったサービスを提供する工夫が必要です。
そのため、職員に介護記録を徹底させましょう。
利用者の健康状態や症状、対応した内容等を他の職員がわかるように記録すれば、次回のサービス提供に活かすことができます。
サービス管理責任者の仕事は大変だと言われていますが、多くの方々との出会いから学ぶ機会は多いはずです。
仕事を通じて職員を育成するだけではなく、サービス管理責任者本人の成長にもつながるでしょう。
介護業界でのステップアップを目指す方々には、やりがいのある仕事といえます。