この記事では、介護に関する資格取得のための助成金についてご紹介していきます。
目次
人材不足が解消しない介護業界。国は質の高い職員を増やそうと、様々な政策を打ち出しています。介護をより多くの人に学んでいただきたいという観点から、受講費用の一部を助成金や補助金として支援する制度があります。
助成金とは
助成金とは、就労支援や雇用の安定、長期的なキャリア形成を図ることを目的として支給されるものをいいます。
補助金とは
国が様々な施策を推進するために交付されるものをいいます。
介護職員初任者研修に関する補助金としては、厚生労働省の施策として介護人材確保対策のために自治体と協力し資格取得に対しての補助金を支給するものがあり、都道府県や市町村によって実施状況に違いがあります。
ハローワークにて受給申請をする助成金で、受給にはいくつかの条件があります。
こちらは、すでに退職をされた方が再就職を目指すための制度となり、この制度の受給額は下記の通りです。
特定一般教育訓練:受講費用の40%(上限20万円)特定一般教育訓練給付金
一般教育訓練:受講費用の20%(上限10万円)一般教育給付金制度
都道府県等にて受給申請をする助成金です。各自治体で個別に制度を設けているためお住まいの自治体へ該当制度があるかを確認してください。
こちらは、母子家庭または父子家庭の親を対象にしたものです。この制度の受給額は、受講料の60%(20万円を上限)となりますが、教育訓練給付金の受給を受けることができる方は、教育訓練給付金との差額を受給となります。
介護従事者の増員と定着を図るため、介護人材の確保・支援策として介護職員初任者研修の資格取得支援を行うもので、都道府県や市町村により支給額や対象となる要件に違いがあります。
受給対象者は、以下の要件をすべて満たす方と設定している自治体が多いようです。
●母子家庭の母または父子家庭の父
●現に児童(20歳に満たない者)を扶養している方
●就業経験、技能、資格の取得状況や労働市場の状況などから判断して、教育訓練の受講が適職に就くために必要であると認められる方
●過去に当該給付金を受給していない方
すでに就労している人を対象としているケースや、これから就労することを条件としているケースなど様々で、対象人数や支給期間等も自治体により変わります。資格取得に要した費用の一部や全額を支給する内容となっています。
介護福祉士になるための支援金としては、『貸付制度』が用意されています。
介護福祉士として介護福祉士の資格取得後、その都道府県内で5年間介護の業務に従事することで全額免除になる等、貸付金とされていますが実質は『支援金』として捉えることができます。
介護福祉士修学資金貸付制度とは、介護福祉士養成施設に在学している方、またはこれから在学しようと考えている方に対して、介護福祉士の資格取得を支援するための制度です。
対象者
修学資金の対象は、介護福祉士養成施設(養成校を含む)に在学中、またはこれから在学する方で介護福祉士の資格取得を目指す方です。
貸付金額
修学資金の貸付金額は以下の通りです。
在学期間中:月5万円(授業料、教材費、交通費、介護福祉士試験受験手数料などの費用)
入学準備金:20万円
就職準備金:20万円
国家試験受験対策費用:年4万円
生活費加算:加算あり
介護福祉士修学資金の利用条件
介護福祉士修学資金の利用条件は、以下の通りです。
・介護福祉士養成施設に在学している方。
・下記(1)~(3)のいずれかに該当する方。
(1)貸付を受けようとする都道府県に住民登録をしていて、養成施設卒業後、その都道府県内において介護の仕事に就く予定の方
(2)貸付を受けようとする都道府県内の養成施設の学生であって、卒業後、その都道府県内において介護の仕事に就く予定の方
(3)養成施設での修学のために転居をした方で、転居する前年度の住民登録を貸付を受けようとする都道府県にしていて、かつ、卒業後は転居前の都道府県内(貸付を受けようとする都道府県内)において介護の仕事に就く予定の方
貸付金返還の免除について
養成施設の卒業日から1年以内に介護福祉士の資格を取得し登録をすること。
そして、介護福祉士の資格取得後、その都道府県内で5年間介護の業務に従事することで貸付金の返還が全額免除されます。
介護福祉士実務者研修受講資金貸付制度とは、介護業務の実務経験が3年以上ある方を対象とした介護福祉士の資格取得をサポートするための制度です。
対象者
介護福祉士実務者研修受講資金貸付制度の対象者は、3年の実務経験があり実務者研修を受講し介護福祉士の資格取得を目指す方が対象です。
貸付金額
介護福祉士実務者研修受講資金の貸付金額は、最大20万円(実務者研修の受講費用、参考図書などの費用)です。
介護福祉士実務者研修受講資金の利用条件
介護福祉士実務者研修受講資金の利用条件は以下の通りです。
・実務者研修施設に在学している方
・下記(1)~(3)のいずれかに該当する方。
(1)貸付を受けようとする都道府県に住民登録をしていて、卒業後に当該都道府県内において介護の業務に従事しようとする方
(2)貸付を受けようとする都道府県内の実務者研修施設の学生であって、卒業後に当該施設が所在する都道府県内において介護の業務に従事しようとする方
(3)実務者研修施設の学生となる前年度に貸付を受けようとする都道府県に住民登録をしていて、実務者研修施設での修学のため転居をしたものであって、卒業後に転居前の都道府県内において介護の業務に従事しようとする方
貸付金返還の免除について
養成施設の卒業日から1年以内に介護福祉士の資格を取得し登録をすること。
そして、介護福祉士の資格取得後、その都道府県内で2年間介護の業務に従事することで貸付金の返還が全額免除されます。
※貸付の実施の有無や利用条件など詳細については、各都道府県の社会福祉協議会にお問い合わせ、またはホームページにてご確認ください。
今回は、介護における資格取得のための補助金・給付金・貸付金についてご紹介してまいりました。
各制度には受給資格や申請方法等が定められており、上記以外にも自治体によって助成金等が整備されていることもありますので、よく調べてみましょう。