訪問介護にも派遣でお仕事をするという働き方があるのはご存じでしょうか?
正社員や契約社員、パートなどで勤務されてるイメージの強い介護職ですが、最近では派遣で働いている方も多くなっています。
そして介護業界は人材不足が続いているので、人材確保のために派遣社員を取り入れている施設や事業所が増加しています。
今回の記事では、訪問介護の遣社員と正社員の違い、訪問介護の派遣社員として働くメリット、訪問介護の派遣社員として働くときの注意点について解説します。
派遣社員と正社員の違いを知って、より自分に合った働き方を見つける一助にして下さい。
目次
訪問介護の派遣社員の働き方について知る前に、訪問介護の仕事内容について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
訪問介護ってどんな仕事なの?具体的な業務内容や1日のスケジュールを紹介!
訪問介護において派遣社員と正社員の大きな違いは2つあります。
それは契約期間と雇用主です。
【契約期間】正社員に契約期間はありませんが、派遣社員は契約期間が決まっています。
【雇用主】正社員の雇用主は勤務先の企業・事業所ですが、派遣社員の場合は派遣会社です。
その為、お給料や残業など働いている間にでてくる改善して欲しい点に関して、正社員は自分で勤め先に交渉しないといけないのですが、派遣社員は派遣会社が代わりにしてくれるので自分で交渉しなくても良いのです。
訪問介護の派遣社員の仕事内容は、利用者の自宅へ直接訪問し、日常生活の援助として「身体介助」「食事介助」「入浴介助」「家事援助」などを行うのが基本です。
具体的な仕事内容は勤務する事業所から指示されますが、契約と異なる業務を依頼された場合は、派遣会社に確認を取り、仕事を受けるかを決めます。
派遣社員の給与は正社員の月給とは違い、時給で支払われ、時給は資格の有無や地域によっても変動しますが、平均では約1,600円です。
常勤で働いた場合の平均時給は約1,400円なので、常勤で働く場合より派遣で働いた方が良い条件と言えるでしょう。
しかし、あくまで平均なので実際の求人では常勤での時給が良い場合もあります。
雇用期間は31日以上3年以内と定められています。基本的には2〜3ヶ月で契約更新する職場が多いですが、最長3年まで延長する事が可能です。
しかし、60歳以上である場合や1ヶ月の勤務日数が通常労働者の半分以下になる場合など、派遣3年契約の対象外になるケースもあるのでご注意ください。
一般的な事業所は8〜19時など営業時間があり、事業所によって時間は異なりますが正社員の場合は1日8時間労働がほとんどだと思います。
しかし、派遣社員の場合は営業時間の中でさまざまな労働時間が設定されているので自分の働きたい時間や日数の条件に合わせて選ぶことが可能です。
訪問介護の正社員として働く方に興味がある方は、こちらの記事を参考にしてください。
正社員の訪問介護ってどんな仕事?メリット・パートとの違いは?
訪問介護を派遣社員として働くメリットはいくつかあります。それぞれの良いところについてまとめました。
派遣社員は、自分のライフスタイルや個人的な予定に合わせて働くことができるため、仕事とプライベートのバランスを保ちやすくなります。
また、フルタイムやパートタイムで働くことができるため、自分に合った働き方が選べます。
シフト制を採用している場合、休日や勤務時間の希望が通りやすいことも大きなメリットです。これにより、子育てや家族の介護など、他のライフイベントと両立しやすくなります。
訪問介護の派遣社員として働くと、掛け持ちができるというメリットがあります。
まず、掛け持ちを行うことで、複数の仕事から収入を得られるため、経済的な安定が期待できます。
また、同じ業界内であれば、複数の職場を経験することでスキルや知識の幅を広げることができます。
さらに、異なる職場の文化や働き方を学ぶことで、柔軟性や適応力が向上し、将来的に自分のキャリアの幅を広げることができます。
訪問介護の派遣社員として働く場合、直行直帰ができるというメリットがあります。
直行直帰ができることにより、自宅と利用者の間での移動だけで済むため、通勤時間を節約できます。
これにより、労働時間以外の自由な時間が増え、プライベートや家庭との両立がしやすくなります。
また、通勤費用が削減されることも大きなメリットです。
毎日の通勤にかかる交通費が少なくなるため、家計に優しい働き方が実現できます。
派遣社員として訪問介護の仕事をするのに向いている人をまとめてみました。派遣で働くかどうか悩んでいる場合は、以下の項目に当てはまるか確認してみて下さい。
・家事の合間に仕事をしたい主婦
・子育て中の人
・プライベートの時間を確保したい人
・介護の仕事を復職したい人
・兼業で働きたい人
・収入をアップさせたい人
派遣会社が扱う求人は、未経験でもOKなところが多く、ブランクがあっても働きやすい為、復職するのが不安な方にもオススメです。
訪問介護の派遣社員として働く場合、先ほど紹介した良い面ばかりではなく、知っておくべき注意点もあります。働き始めてから知ってつらい思いをしないように、しっかり把握しておきましょう。
訪問介護は利用者がサービスのキャンセルをする場合があります。
派遣社員は時給制なので、サービスのキャンセルが多発すると収入が不安定になる可能性もあるようです。
キャンセルが多発してしまっても大丈夫なように、訪問介護員の給料を上げる方法を知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
訪問介護の給料相場はどのくらい?正社員か非常勤で給与はどう違う?
派遣社員はボーナスが支給されない場合がほとんどです。
大手の派遣会社は一定の条件を満たすことで手当が支給される場合もありますが、基本的に支給額は正社員より低くなります。
しかし、ボーナス自体が会社の業績によって左右される為、正社員として働けば必ずもらえるという事でもないので注意しましょう。
派遣社員の訪問介護は、自由度が高いかわりに勤怠管理をこまめに行う必要があります。
なぜなら、直行直帰の際に就業開始・終了時刻・サービス内容を連絡し、行ったサービスを明確にする為です。
給与や事業所のサービスに関わる問題なので、こまめな勤怠管理はとても重要とされています。
少し手間に感じるかもしれないですが、事業所によっては連絡ツールを導入してスマホから勤怠管理・業務報告ができるようにしているところもあるので、面倒に感じる方は契約前にツールの有無の確認もしておきましょう。
派遣社員の訪問介護について、よくある質問をまとめてみました。
訪問介護を派遣社員が行うことは特に法律で禁止されているなどはありません。
看護師の派遣の規定に介護士を混同してしまい、そういった噂が流れてしまった事があるようですが、訪問介護は問題なく派遣社員として働くことが可能です。
訪問介護は、正社員か派遣社員かどうかに関わらず、「介護福祉士」「介護職員初任者研修」「介護福祉士実務者研修」のいずれかの資格が必要です。
「生活援助従事者研修」という2018年から新たに新設された資格でも訪問介護は可能ですが、この資格では生活援助のみで身体介護はできないので気を付けましょう。
正社員の場合の一日平均件数は1〜6件とされており、事業所によっては多いと約10件ほど訪問するところもあるようです。
上記は正社員の場合の、フルタイムでの件数なので、派遣社員は自分の勤務時間によって異なります。
平均的には午前が2件、午後が2〜3件ほどのスケジュールが多いようなので、派遣社員の場合は勤務時間に合わせて変動すると理解すると良いでしょう。
ですが、事業所によって変動はあるので不安な方は契約前にきちんと確認するのがオススメです。
派遣社員として訪問介護をする場合、メリットは多いですが、気を付けるべき点もいくつかあります。
メリットと注意点のどちらもしっかり理解したうえで、派遣社員として訪問介護のお仕事をするという働き方も検討してみてはいかがでしょうか。