本記事では、2024年に控えている介護・医療のダブル改定についてご紹介していきます。
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日本慢性期医療協会の武久洋三会長と橋本康子副会長は、7月15日の定例記者会見で
『リハビリテーション提供体制が充実する中で、リハビリ報酬の課題が浮上してきており、包括評価の推進、疾患別リハビリテーション料の点数格差解消などを進める必要がある―。
一方、質の高いリハビリ提供を維持するためにも、医療者には高い倫理観が求められ、また効果測定・評価をより適切な手法で行う必要がある』と話しています。
日慢協では、かねてから「リハビリ改革」の必要性を説いています。従前は「リハビリ提供体制」が必ずしも十分に整っていなかったことから、「まずは量の拡大」「対象患者の制限」などが行われていましたが、リハビリ提供体制の充実が進む中で「量から質への転換」「対象患者の拡大」が求められていると指摘しています。
これまでにも、武久会長は「リハビリ評価への包括化推進」「リハビリの効果を測定する評価指標の見直し(FIMからBIへ)」などを提案しており、7月15日にも以下5点についてお話しされています。
①包括評価の推進
②疾患別リハビリ料の点数格差解消
③効果評価における「FIM評価」から「BI評価」への移行
④「20分1単位」という縛りの柔軟化
⑤急性期入院中の「可動性確保」に向けた取り組みの推進
財務省の「財政制度等審議会」は21日、財政健全化に向けた施策を提言する報告書(建議)を麻生太郎大臣に提出しました。政府は来月にも閣議決定する今年度の「骨太方針」に反映するよう求めています。
介護分野では利用者の自己負担が話し合われ、現行では全体のおよそ90%の利用者が1割負担となっているところ、“原則2割負担”へ改めていくようにと話がありました。
また、居宅介護支援のケアマネジメントでも自己負担を徴収すべき(現行は10割給付)と話し合われ、次の2024年度の制度改正をめぐる大きな焦点となる見通しで、「制度の持続可能性を確保するためには、給付範囲の見直しに取り組む必要がある」と明記されました。
居宅のケアマネジメントについては、「制度創設から約20年が経ちサービスが定着し、他のサービスに自己負担があることも踏まえれば自己負担の導入は当然」だとの意見から、「利用者は自己負担を通じてケアプランに関心を持つ。ケアマネジャーのサービスのチェックと質の向上にも資する」とも話しあわれています。
財務省資料:財政健全化に向けた建議
ご利用者様の自己負担が増えるとなれば、特定事業所加算にも影響します。
現在は、自己負担が1割の方で1,000円の支払いをしている場合は10%の100円程度プラスですが、2割負担になった場合、自己負担は増える事になるため、連動しえ加算分の支払いも増える事になります。
現在、大手を中心に特定事業所加算の取得が進んでおり、多くの事業所は2割負担の実施前に取得を完了させる予定の様です。
2024年の制度改正前に、特定事業所加算の取得を終えることが必須です。
本日は2024年に向けた制度改正に向けてのお話をご紹介させて頂きました。
今年度4月には報酬改定が有りましたが、次の制度改正に向けて方向性が出てきています。
特に2024年は介護・医療のダブル改定がありますので、医療の方向性についても確認を行っておく必要があります。
6年に1度行われる都道府県の医療計画(第8次医療計画)との同時改定でもあるため、行政として医療介護連携を進めるには、このタイミングで両計画を定めるための方針に落とし込んで行く必要があります。
いつもの改定より早々に情報をキャッチして、事前の対応を行っていくことが重要です。