この記事では、令和4年5月17日に行われた全世代型社会保障構築会議の内容についてご紹介していきます。
全世代対応型の持続的な社会保障制度を構築する観点から、社会保障全般の総合的な検討を行うために開催される会議を、全世代型社会保障構築会議と言います。
2040年に向けて労働人口が大きく減り、高齢者が増加していく中で日本における保障制度を安定して運営していくためには、給付を受ける側、負担をする側のバランスがとても大切です。
5月17日の会議では、主に以下の5点について議論がされています。
〇男女が希望どおり働ける社会づくり・子育て支援
〇勤労者皆保険の実現・女性就労の制約となっている制度の見直し
〇家庭における介護の負担軽減
〇「地域共生社会」づくり
〇医療・介護・福祉サービス
社会保障の担い手を確保するとともに、男女が希望どおり働ける社会をつくる「未来への投資」として、「子育て・若者世代」への支援や、「社会経済の変化に即応した社会保障制度」の構築が重要だとし、給付は高齢者中心、負担は現役世代中心という構造を見直し、能力に応じて皆が支え合い、人生のステージに応じて必要な保障を確保することを基本とするべきとしています。
介護については、圏域ごとの介護ニーズを踏まえたサービスの基盤整備、在宅高齢者について地域全体での基盤整備。
介護休業制度の一層の周知を行うことを含め、男女ともに介護離職を防ぐための対応。
認知症に関する総合的な施策を更に推進する等、要介護者及び家族介護者等への伴走型支援などの議論を進めるとともに、昨今大きな社会問題として取り上げられているヤングケアラーの実態を把握し、効果的な支援策を講じることとしています。
今後の高齢化の進展とサービス提供人材の不足を踏まえ、地域完結型の提供体制の構築に向け、地域医療構想の推進、地域医療連携推進法人の活用、地域包括ケアシステムの整備などを、都道府県のガバナンス強化など関連する医療保険制度等の改革と併せて着実に推進していくこと。
コロナ禍により、地域医療の機能が十分作動せず総合病院に大きな負荷がかかる課題に直面したことからかかりつけ医機能が発揮される制度整備を含め、機能分化と連携を一層重視した医療・介護提供体制等の改革を推進していくこと。
データの連携、総合的な活用は、社会保障の各分野におけるサービスの質の向上等に重要な役割を果たすことから、地域医療構想について、第8次医療計画策定とあわせて議論を進め、さらに2040年に向けバージョンアップし、 データ活用の環境整備を進め、個人・患者の視点に立ったデータ管理を議論を進め社会保障全体のDXを進めること。
サービスの質の向上、人材配置の効率化、働き方改革等の観点から、ICTの活用、費用の見える化、タスクシェア・タスクシフティングや経営の大規模化・協働化を推進していくこと。
これらが社会保障制度として進めていく議論だと挙げられました。
2024年の報酬改定に向けて厚生労働省でも審議がはじまっていきます。
この介護報酬改定の決定に至るには、国で行われる様々な会議においての議論を参考に進んでいきますので、こちらのブログでご紹介をしていけたらと思います。