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【令和4年最新版】介護職員処遇改善加算の計算方法を詳しく解説!

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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平成29年(2017年)から新たな区分が新設され、従来の区分が廃止されることでも注目を集めた介護職員処遇改善加算ですが、その計算方法はかなり複雑です。

今回の記事では、そもそも処遇改善加算とはなにか、その算定要件、そして本題の計算方法について、わかりやすく説明していきますので、是非参考にしてください。

目次

介護職員処遇改善加算とは

介護職員処遇改善加算とは、賃金の改善や職場環境の見直し等を目的に創設された加算です。
「加算Ⅰ」では、従来の区分と比較して、職員1人につき月1万円相当の増額が見込めます。

なお、令和3年の改定によりⅣ〜Ⅴの区分が廃止されました。
介護職員処遇改善加算について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

介護職員処遇改善加算とは?取得方法・区分・種類・注意するポイントを徹底紹介

介護職員処遇改善加算の算定要件

介護職員処遇改善加算を取得するには、各事業所やサービスごとに定められた2つの算定要件を満たすことが条件となっています。

まずは計算方法を確認する前に、以下の要件を満たせているか、またはその見込みがあるのかを事前に判断し、処遇改善加算における全体的な仕組みを理解しておきましょう。

キャリアパス要件

キャリアパス要件は下記の3つの要件に分けられており、取得する加算の区分によっていずれを満たせているかといった部分で違いが生じます。

1.職務内容等に適した任用要件と賃金体系の整備を実施
2.資質向上のための計画を作成し、それに沿った研修の確保や技術指導を実施
3.経験や資格等に応じた昇給の仕組みを定め、昇給判定の仕組みを設ける

職場環境等要件

職場環境等要件では、賃金改善以外の職場環境等や職員の処遇を改善することが求められています。

処遇改善加算を取得するにあたっては、下記の6つの区分のなかから最低でも1つ以上の取組を実施することが必要です。

・入職促進に向けた取組
・資質の向上・キャリアップに向けた取組
・両立支援・多様な働き方の推進
・腰痛を含む心身の健康管理
・生産向上のための業務改善の取組
・やりがいや働きがいの醸成

これらの区分に加えて、加算の取得にあたっては処遇改善等の内容を全ての職員へ周知する必要があります。

参考:厚生労働省

介護職員処遇改善加算の計算方法

処遇改善加算の計では、処遇改善加算を含む1月あたりの『総単位数』と『総額』を求める必要があります。

計算式はそれぞれ、

・1月の総単位数=介護給付単位数(基本サービス単位数)+各種加算・減算×介護職員処遇加算率
・介護職員処遇改善加算の総額=総単位数×地域区分

計算式を見るだけで理解することは難しいと思うので、計算方法について、まずは基本知識から紹介していきます。

介護職員処遇改善加算を計算するための基礎知識

実際に単位数と算定額を算出するには、基礎知識が必要不可欠です。
一般的に複雑と思われがちな処遇改善加算の計算ですが、基本となる知識を押さえておくことでよりスムーズに算出できるようになります。

介護給付単位数
介護給付単位数とは、サービスの種別や区分により全国で統一された基本単位を表したものです。
利用者の要介護度や所要時間によって単位が設定されており、地域区分や加算・減算を差し引いたサービスの基本報酬となっています。

下記の表では、いずれも7時間以上8時間未満のサービスを提供した場合の単位数です。

事業所区分

要介護1

要介護2

要介護3

要介護4

要介護5

通常規模型通所介護

655単位

773単位

896単位

1,018単位

1,142単位

大規模型通所介護Ⅰ

626単位

740単位

857単位

975単位

1,092単位

大規模型通所介護Ⅱ

604単位

713単位

826単位

941単位

1,054単位

地域密着型通所介護

750単位

887単位

1,028単位

1,168単位

1,308単位

加算と減算

加算と減算は介護報酬におけるインセンティブとペナルティのようなものです。

加算とは、職場環境の改善や利用者にとって望ましいとされる質の高いサービスを提供した場合に評価される算定のことをいいます。
反対に減算とは、サービス提供の不足といった、基準として定められた要件を満たさなかった場合に差し引かれるマイナスの算定です。

介護職員処遇改善加算率

介護職員処遇改善加算率(加算率)とは、処遇改善加算を取得するために定められた介護サービスごとの乗率です。
加算率は全介護サービスで統一されているわけではなく、各事業所や提供するサービスによって異なっているため、運営するサービスの種別ごとに下記の表で確認してください。

事業所・サービス区分

加算Ⅰ

加算Ⅱ

加算Ⅲ

訪問介護/夜間対応型訪問介護/定期巡回・随時対応型訪問介護看護

13.7%

10.0%

5.5%

訪問入浴介護

5.8%

4.2%

2.3%

通所介護/地域密着型通所介護

5.9%

4.3%

2.3%

通所リハビリテーション

4.7%

3.4%

1.9%

特定施設入居者生活介護/地域密着型特定施設入居者生活介護

8.2%

6%

3.3%

認知症対応型通所介護

10.4%

7.6%

4.2%

小規模多機能型居宅介護/看護小規模多機能型居宅介護

10.2%

7.4%

4.1%

認知症対応型共同生活介護

11.1%

8.1%

4.5%

介護老人福祉施設/地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護/短期入所生活介護

8.3%

6.0%

3.3%

介護老人保健施設/短期入所療養介護(老健)

3.9%

2.9%

1.6%

介護療養型医療施設/短期入所療養介護(病院等)

2.6%

1.9%

1.0%

介護職員処遇改善加算の総額を計算するための3ステップ

それでは実際に、介護職員処遇改善加算の総額を計算していきます。

手順は以下のように、

1.総単位数の算出
2.加算率の乗算
3.金額へと換算

の3ステップから計算される仕組みになっています。

ここでは、より具体的にわかりやすく、1つのモデルを例として、3ステップを順に解説します。
途中でわからなくなったり混乱してしまったらステップ1から見直しましょう。

例)
・介護職員処遇改善加算Ⅰ:加算率5.9%
・介護サービス:通常規模型通所介護
・取得加算:サービス提供体制強化加算Ⅰ(1回:22単位)
・要介護1:655単位(7時間以上8時間未満)
・地域区分:5級地
・1月:5回利用

①総単位数を計算する

1月あたりの総単位数の計算は、1月あたりの『基本サービス単位数』に『加算と減算』を加えた式で割り出すことが可能です。

例)
・655(要介護1)×5回=3,275(基本サービス単位数)
・22(取得加算)×5回=110(1月あたりの加算と減算)
・3,275+110=3,385(基本サービス単位数に各種加算・減算を加える)

こちらの『3,385』という単位が、1月あたりの総単位数になります。

②加算率を乗算する
算出された総単位数に加算率を乗算し、1単位未満の単位を『四捨五入』することで、介護職員処遇改善加算の総単位数を算出することが可能となっています。

加算率についてはサービスごとに異なりますが、こちらの例では通常規模型通所介護の加算Ⅰですので、『5.9%』を乗算します。

例)
・3,385(総単位数)×5.9%(加算率)=199.715
199.715を四捨五入した単位『200』が処遇改善加算の総単位数になります。

③金額へと換算する
金額への換算方法は、処遇改善加算の総単位数に『地域区分』を盛り込むことによって算出されます。

地域区分とは、各地域ごとに割り出された費用の平均を指したもので、介護報酬における地域格差を軽減するために取り入れられた区分です。
ここでは5級地に所在する通常規模型の通所介護サービスを例としていますので、地域区分は『10.45』です。

例)
200(処遇改善加算の総単位数)×10.45(地域区分)=2,090(処遇改善加算の総額)

ここでの注意点としては、小数点以下の数字を切り捨てるという部分です。

加算率を算出する際の四捨五入と混同しないように気を付けましょう。

参考:厚生労働省

処遇改善加算の計算方法に関するQ&A

処遇改善加算の計算方法以外にも疑問があるかもしれません。ここからはよくあるQ&Aを3つ紹介します。

処遇改善加算の計算方法については分かったのですが、常勤換算の計算方法についても教えてほしいです。

介護サービスにおける常勤換算法とは、人員配置において非常勤労働者を含めた従業者の平均を算出するものです。

ここでいう非常勤労働者とは、契約社員やパートのことです。
計算方法は、短時間勤務従業者の総勤務時間に、事業所ごとの所定労働時間を除することで割り出されます。

週あたりの所定労働時間を40時間としている事業所を例にすると、以下のように割り出すことが可能です。

例)
・常勤従業者A(週40時間労働)
・パートB(週20時間労働)
・派遣社員C(週30時間労働)

常勤従業者A以外の総勤務時間を合計し、所定労働時間で割ります。

・20+30=50(時間)
・50÷40(所定労働時間)=1.25

上の数字が常勤換算によって算出された常勤従業者を除いた平均人数です。
ここに常勤従業者Aを1名として加え、小数点第2位以下を切り捨てることで、週あたりの平均人数を計算することができます。

・1.25+1(常勤従業者A)=2.2(小数点第2位以下を切り捨て)

処遇改善加算の対象は正社員だけですか?

処遇改善加算の対象は雇用形態に関係ありません。パートの方であれば扶養内での適用も可能となっています。
派遣社員も同様ですが、賃金や処遇の改善の取組について派遣元と共有し、その上で処遇改善に係る書類等を作成するようにしてください。

介護職員等ベースアップ等支援加算はこれまでの処遇改善とどこが異なるのでしょうか?

介護職員等ベースアップ等支援加算は令和4年10月から新設された新たな加算です。

「介護職員処遇改善支援補助金」をもとに、介護職員の収入を3%程度引き上げることを目的に創設されました。
従来の処遇改善加算等の取得を前提に、加算額の2/3を職員等の基本給か毎月の手当として支払う必要があります。

全額賞与等の改善が可能だった処遇改善加算、および特定処遇加算と異なり、新設されたベースアップ等支援加算では「次月給与」が重要視されてるためです。

介護職員処遇改善加算が未払いになっています。どうしたらいいですか?

介護職員処遇改善加算が未払いになっている時の対処法については、こちらの記事を参考にしてください。

処遇改善加算が未払いになっている時はどうしたらいい?相談など対処法を徹底解説!

介護職員処遇改善加算がピンハネされることはありますか?

介護職員処遇改善加算がピンハネされることはありません。詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

介護職員処遇改善加算がピンハネされることはある?処遇改善加算がもらえないときの対処法についても解説!

まとめ

複雑で難しく思われる処遇改善加算の計算方法ですが、コツさえつかんでしまえばさほど難しいことはありません。

基本となるステップは、

1.総単位数の算出
2.加算率の乗算
3.金額へと換算

の3つです。

この3ステップを頭に入れて、今後の運営に役立ててください。

お役立ち資料:処遇改善加算の取得を目指す方へ

介護事業所向けに、処遇改善加算の取得から運用までを詳しくまとめました。
処遇改善加算の取得を考えている方や、すでに取得しているものの運用に不安を感じる方は、ぜひご一読ください。
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