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【2024年改定対応】入院時情報連携加算とは?算定要件や報酬改定の見直しポイントについて解説

2024-06-03

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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介護報酬は介護事業者が提供した介護サービスの対価として、保険者である市町村から受け取る報酬です。

しかし、介護報酬は3年ごとに見直しが行われるルールがあります。介護報酬の見直しが行われる理由は介護需要の変化や介護サービスの質を高めることにあり、また改定により介護士の待遇改善も行われていて、就労環境の整備を行うことも目的の1つです。

2024年には居宅介護施設で理解しておく必要のある入院時情報連携加算の見直しが行われました。介護支援を行う事業所は介護報酬について正確に計算する為、加算・減数について正しく理解している必要があります。

この記事では、入院時情報連携加算について詳しく解説をしています。介護事業所を運営されている方はぜひ参考にしてみてください。

2024年介護報酬改定で入院時情報連携加算は見直しへ

居宅介護支援における入院時情報連携加算とは、利用者が医療機関に入院する際にケアマネジャーが利用者の情報を医療機関に提供することを加算することをいいます。

また、入院情報連携加算の目的には利用者が医療機関に入院する際に情報共有をスムーズにするだけでなく、平時から介護施設と医療施設で情報共有を行うことが目的の一つにあります。規定は3年ごとの見直しがされることが決まっていて、2024年の4月より介護報酬の規定が変わり算定要件や単位も変更がありました。

算定要件では、利用者情報の提供が早まりました。以前の規定では情報の共有までに最長で7日以内とされていましたが、令和6年度の改定では長くても3日以内までとなりました。単位についても、利用者情報の提供は早まりましたが単位は増えることになりました。

この記事では、令和6年度から変更された入院時情報連携加算の算定要件と単位数について詳しく解説をしています。特に算定要件は情報提供の日数が早くなっているため、しっかり理解しておくことが大切です。ぜひ、最後まで読んで参考にしてください。

入院時情報連携加算とは?

入院時情報加算とは、居宅介護事業者の利用者が医療機関に入院する際に、ケアマネジャーから医療機関に対して、利用者の必要な情報を提供することで取得できる加算です。入院時情報加算は、入院した利用者の医療・介護連携を強化する、入退院に限らず、医療機関との連携を促進させることを目的としています。ケアマネジャーが必要時に医療機関や医療職員に相談できる仕組みがなく、課題となっていたため解消させる狙いがあります。

入院時情報連携加算の単位数と算定要件は?

居宅介護支援における入院時情報加算を算定する情報は、利用者が医療機関に入院した日、心身の状況(認知症の有無、病歴、認知症による徘徊の有無)や生活環境(家族介護者の状況、家族構成、介護方法)のサービスの利用状況を指します。

入院時情報加算には入院時情報連携加算(Ⅰ)と入院時情報連携加算(Ⅱ)の2種類があります。2024年度の介護報酬改定により、単位と算定要件に見直しがあり4月より変更されています。以下が入院時情報連携加算の介護報酬の改定前後の比較になります。

単位数改定前改定後
入院時情報連携加算(Ⅰ)200単位/月250単位/月
入院時情報連携加算(Ⅱ)100単位/月200単位/月

単位数にも変更はありますが算定要件も情報提供の日数や条件についても変更がある為、以下で詳しく解説していきます。

入院時情報連携加算(Ⅰ)の算定要件

入院時情報連携加算(Ⅰ)の単位は介護報酬改定前は月に200単位でしたが改定後は250単位になりました。

算定要件にも変更があり、変更前は3日前以内に医療機関や医療職員に利用者情報の提供が必要でしたが、現行では利用者が医療機関に入院した日に提供が必要になりました。

また、注意しなければいけない点として、提供する情報には入院時以前のものを含むことと、医療機関の営業時間終了または営業時間外に入院した場合は、入院の翌日も含まれることを覚えておきましょう。

入院時情報連携加算(Ⅱ)の算定要件

入院時情報連携加算(Ⅱ)の単位も介護報酬改定前は月に100単位でしたが、改定後は200単位に変更になりました。

算定要件にも変更があり、以前は利用者の入院から4日以上7日以内に、医療機関や医療職員に情報提供をおこなう必要がありましたが、変更後は翌日か翌々日までに情報提供が必要になりました。

注意点としては営業時間終了後に入院した場合、入院日から起算して3日目が営業日でない場合はその翌日も日数に含まれることです。

入院時情報連携加算に関するよくある質問

入院時情報連携加算は算定要件の計算や情報を提供する際にどうすればいいかわからない方は多くいます。事業者の利益と医療機関の負担と利用者の健康状態を守るために、入院情報連携加算を理解しておくことは大切です。

以下では、入院時情報連携加算でよく疑問や質問に挙げられるものについて解説をしています。ぜひ参考にしてみてください。

ケアマネジャーから医療機関に提供する情報には何が必要?

ケアマネジャーから医療機関に必要な情報は4つの情報が必要です。

  • 医療機関に入院する利用者の入院日
  • 心身の状況(病歴・疾患、認知症による徘徊の有無)
  • 生活環境(家族構成、介護状況や介護方法)
  • 介護支援の利用状況

ケアマネジャーは利用者が医療機関に入院しても医療や介護の連携を深める為、平時から医療機関との連携を深める為に、利用者の状況を詳しく伝えなければいけません。

入院時以前の情報提供については、入院日何日かの定めは設けられていませんが、情報提供日から実際の入院までの間隔が空きすぎている場合は、入院の原因等を踏まえた上で適切に判断する必要があります。

情報を提供する際の方法は?

医療機関の情報提供の方法は問われていません。実際に医療機関にケアマネージャーが出向き、面談という形で行う場合やFAXで利用者情報を送信して伝えることも可能です。

しかし、面談や利用者情報をFAXなどで行った場合は日時、場所(医療機関へ出向いた場合)内容は居宅サービス計画に記録する必要があります。日頃から医療機関とのコミュニケーションを図ることも目的としているので、FAXで情報提供を行ったとしても確認の連絡もする必要があります。

入院してからの日数はどのように数えればよい?

入院情報連携加算は、入院日を1日目として起算します。しかし、地方自治体によっては起算日が異なる場合があるため注意が必要です。入院時情報連携加算(Ⅰ)や入院時情報連携加算(Ⅱ)では提出するまでの日数の違いがあるので早めの対応が求められます。

また、入院日が医療機関の営業時間外だった場合は、入院日の翌日も日数に含まれる場合もあるので、合わせて注意が必要になります。

まとめ:介護報酬改定で迅速な情報提供がさらに求められるように

介護報酬改定が行われるようになり、入院時の情報提供の連携は早まりました。介護報酬改定は3年に1度見直されますが、目的は介護サービスの質を高めることにあります。介護報酬改定は社会の変化やニーズに合わせて定期的な改定が行われることで介護サービスの適切な提供と、利用者のQOLの向上を目指すことができます。

入院情報連携加算は医療機関とケアマネジャーの連携が必要不可欠です。医療機関側としても患者の在宅での生活状況を、早くに知ることにより、今まで以上に退院支援計画を練ることが可能になります。ケアマネジャーからの少しでも早い情報提供があれば医療機関側の実務のスピードアップにも繋がります。介護報酬改定が行われることにより、事業所で従事する介護士の処遇改善にも繋がることから、介護業界の環境改善も期待されます。

しかし、何よりも優先されるのは利用者の安全の確保です。情報共有に時間がかかることは利用者にとっても医療従事者も不安になることもありましたが、今後は迅速な情報提供が期待されるので、医療サービスの質の向上が期待されます。

お役立ち資料:加算取得を目指す方へ

訪問介護の事業者向けに、各種加算と減算の要件や、優先的に取得するべき加算などについて、わかりやすくまとめました。
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