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【2024年改定対応】訪問看護の初回加算とは?改定後の算定要件や注意点を詳しく解説

2024-05-07

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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初回加算とは、訪問看護の新規利用者に対して算定できる加算です。2024年の介護報酬改定で、加算の算定要件や単位数が大きく変化しました。
介護報酬改定後の算定要件や単位数について詳しく知りたい訪問看護経営者も多いのではないでしょうか。

この記事では、初回加算の算定要件や単位数に関する最新情報を分かりやすく解説します。また、初回加算を算定する際の注意点についても解説するため、この記事を読むことでスムーズに初回加算を算定できます。

訪問看護の初回加算とは

初回加算とは、訪問看護の初回利用時又は過去2ヶ月において訪問看護の提供を受けていない場合に算定できる加算です。厚生労働省の資料「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」では、訪問看護の初回加算について以下のように記載しています。

初回加算について

本加算は、利用者が過去2月間(暦月)において、当該訪問看護事業所から訪問看護(医療保険の訪問看護を含む。)の提供を受けていない場合であって新たに訪問看護計画を作成した場合に算定する。

引用:厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」

初回加算は、入院又は入所している利用者がスムーズに在宅生活を開始できるように、入院・入所施設と訪問看護が連携を取りやすくするための加算です。令和5年に厚生労働省が公開した資料「訪問看護(改定の方向性)」によると、約6割の訪問看護事業所が初回加算を算定していることが分かります。

2024年介護報酬改定により、退院当日から初回加算(Ⅰ)が算定可能に?

2021年以降、訪問看護の初回加算に関する内容が徐々に変化しています。2021年の介護報酬改定によって、退院当日の訪問看護サービスも算定できるようになりました。この変更によって、主治医が必要と認めた場合のみ退院当日から訪問看護の初回加算を算定できるようになっています。

さらに、2024年の介護報酬改定では、初回加算(Ⅰ)と初回加算(Ⅱ)が創設されました。この変更によって、退院当日に訪問看護の初回訪問を実施することで、初回加算(Ⅰ)を算定できるようになっています。

2024年4月以前から初回加算を算定していた事業所は、初回訪問日や加算の種類などの変更点に注意しておきましょう。

訪問看護初回加算の対象者や算定要件・単位数は?

2024年の介護報酬改定では、初回加算(Ⅰ)と(Ⅱ)が創設され、それぞれ算定要件や単位数が異なります。ここでは、初回加算(Ⅰ)と初回加算(Ⅱ)の各算定要件について詳しく解説します。

初回加算の対象者

初回加算の対象となる利用者は、主に自事業所の新規利用者です。ただし、初回利用ではない利用者でも、2ヵ月以上訪問看護を利用していなければ算定できる点には注意しましょう。

例えば、以前初回加算を算定していた利用者がなんらかの理由で入院。半年後に再度利用することになった場合、2ヵ月以上の間が空いているため再度初回加算を算定できます。

この条件を満たせば、1人の利用者に対して複数回算定することも可能です。また、要支援認定を受けていた利用者が新たに要介護認定を受けて訪問看護を利用する場合にも算定できます。

初回加算の算定要件・単位数

2024年の介護報酬改定以降、初回加算は初回加算(Ⅰ)と初回加算(Ⅱ)に分かれ、それぞれ算定要件や単位数が異なります。両加算に共通する算定要件は、新たに訪問看護計画書を作成した利用者に対して訪問看護を行うことです。

また、初回加算(Ⅱ)は報酬改定前の初回加算と同じ単位数となっており、初回加算(Ⅰ)は改定前よりも高く設定されています。各加算の算定要件や単位数は以下の通りです。

初回加算(Ⅰ):350単位/月

初回加算(Ⅰ)は、病院や施設から在宅に移行した当日に初回の訪問看護を実施することで1ヵ月に350単位を算定できます。詳しい算定要件は以下の通りです。

初回加算(Ⅰ)の算定要件

新規に訪問看護計画書を作成した利用者に対して、病院、診療所又は介護保険施設から退院又は退所した日に指定訪問看護事業所の看護師が初回の指定訪問看護を行った場合は、1月につき所定単位数を加算する。ただし、(Ⅱ)を算定している場合は、算定しない。

引用:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」

初回加算(Ⅱ):300単位/月

初回加算(Ⅱ)は、病院や施設から在宅生活に移行した2日目以降に訪問看護を実施することで1月に300単位を算定できます。また初回加算(Ⅰ)と異なり、訪問する職員が「看護師」と指定されていない点にも注意しましょう。詳しい算定要件は以下の通りです。

初回加算(Ⅱ)の算定要件

新規に訪問看護計画書を作成した利用者に対して、病院、診療所又は介護保険施設から退院又は退所した日の翌日以降に初回の指定訪問看護を行った場合は、1月につき所定単位数を加算する。ただし、(Ⅰ)を算定している場合は、算定しない。

引用:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」

初回加算を算定する際の注意点

初回加算を算定する際には、初回加算(Ⅰ)と初回加算(Ⅱ)の同時算定に関するルールや、算定要件に含まれる「訪問看護を利用しなかった2ヵ月間」の計算方法について注意する必要があります。ここでは、初回加算を算定する際の注意点について詳しく解説します。

初回加算(Ⅰ)と(Ⅱ)は同時に算定できない

2024年介護報酬改定以降、初回加算(Ⅰ)と初回加算(Ⅱ)に分けられましたが、両方の加算を同時に算定できない点には注意しましょう。
厚生労働省の資料「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」では、各初回加算の算定要件に関する記載の中で、初回加算を同時に算定できない旨が記載されています。

2024年4月以降に初回加算を算定しようと考えている事業所は、初回加算(Ⅰ)と(Ⅱ)のうち、算定可能なほうを選択して算定しましょう。

退院時共同指導加算と初回加算は同時に算定できない

退院時共同指導加算は、病院に入院している又は施設に入所している方が、退院又は退所する際に訪問看護と連携してサービスを提供した際に、1回あたり600単位を算定できる加算です。

厚生労働省の資料「訪問看護(令和5年7月24日)」では、この加算と初回加算は同時に算定できないことが記載されています。退院時共同指導加算を算定している事業所が、新たに初回加算を算定する際には注意しましょう。

初回加算は複数の訪問看護事業所で算定できる

1人の利用者が複数の訪問看護事業所を利用していた場合、各訪問看護事業所で算定要件を満たせば、それぞれ初回加算を算定できます。
厚生労働省の資料「平成24年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(平成24 年3 月16 日)」では、以下のように記載されています。

初回加算
問36 一つの訪問看護事業所の利用者が、新たに別の訪問看護事業所の利用を開始した場合に、別の訪問看護事業所において初回加算を算定できるのか。

(答)算定可能である。

引用:厚生労働省「平成24年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(平成24 年3 月16 日)

この資料から、複数の訪問看護事業所で初回加算を算定できることが分かります。
例えば、半年入院していた利用者が、訪問看護事業所Aを利用し、A事業所が初回加算を算定したとします。1ヵ月後、同じ利用者が新たに訪問看護事業所Bを利用した場合、B事業所でも初回加算を算定可能です。1人の利用者につき1回しか算定できない加算ではなく、要件を満たせば複数の訪問看護事業所でも算定できることを理解しておきましょう。

初回加算の訪問看護を利用していない期間は「暦月」で計算する

初回加算を算定する際には、2ヵ月のカウント方法に注意しましょう。初回加算の2ヵ月は、暦月で換算しなければいけません。暦月とは、月の初日から末日までのことを指します。

例えば、前回の訪問が1月20日だったとします。その後、初回加算を算定できるタイミングは2月1日から3月31日までの暦月2ヵ月を挟んだ後の4月1日以降です。単純に60日と考えて計算してしまうと、算定要件を満たしていない場合もあるため注意しましょう。

訪問看護の利用が医療保険から介護保険に変更となった場合、初回加算は算定できない

医療保険の訪問看護から介護保険の訪問看護に移行した場合、仮に介護保険での訪問看護が初回利用だったとしても初回加算は算定できないため注意が必要です。

ただし、過去2ヵ月以上医療保険の訪問看護を利用していない場合には、介護保険の訪問看護でも初回加算を算定できます。
過去に医療保険の訪問看護を利用していた方に対して初回加算を算定する場合は、医療保険の訪問看護を最後に利用した日を確認しましょう。

まとめ:積極的に訪問看護初回加算(Ⅰ)を算定しましょう

初回加算は、訪問看護の新規利用者に対して算定できる加算です。2024年度介護報酬以降は、初回加算(Ⅰ)と初回加算(Ⅱ)の2つに分かれました。初回加算(Ⅰ)と初回加算(Ⅱ)の違いは、初回訪問を実施する日の違いです。退院又は退所した当日に訪問看護を提供することで、単位数の高い初回加算(Ⅰ)を算定できるため、できる限り退院又は退所した当日に訪問看護を提供することをおすすめします。

また、初回加算を算定する際には、同時算定のルールや2ヵ月のカウント方法について正しく理解しておきましょう。今後、国は医療と介護の連携を強化していく方針です。訪問看護と医療現場との連携強化において、初回加算は重要な役割を持つ加算の1つです。正しいルールを把握しつつ、積極的に算定していくことをおすすめします。

お役立ち資料:加算取得を目指す方へ

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