毎日の業務、本当にお疲れ様です。本日は、よくご質問を頂く人員基準についてご紹介させて頂きます。
介護・障害福祉事業を運営する上で、避けて通れないのが「人員基準」です。
人員基準は運営の基礎であり、例えば介護報酬は解釈を間違えれば「返金(返還)」という形でその誤りを訂正することが出来ますが、人員基準は解釈を間違え、配置すべき人員が配置出来ていなければ訂正することが出来ません。
本記事では、複雑な人員基準の基礎から、現場で混乱しやすい「専従・兼務」の具体的な考え方を解説します。
介護保険法や障害者総合支援法に基づき、事業所がサービスを提供するために「最低限配置しなければならない職員の数や職種」を定めたルールのことです。
これは、ご利用者の安全を守る為、また安定したサービスを継続して受け続けることが出来る最低限のラインですので、適切な人数が配置されていない状態でのサービス提供は「ご利用者に不利益がある」とみなされ、厳しい指導に至る可能性もあります。
人員基準は大きく分けて3つの要素で構成されます。
➀置くべき職種(管理者、サービス提供責任者、生活相談員など)
②員数(利用者数に対して〇人以上、など)
➂資格要件(介護福祉士、社会福祉士など)
事業所は、毎月「勤務形態一覧表」等を用いて、人員基準に違反が無いかを確認しなければなりません。
指定の申請や、変更届の提出、事業所の体制変更が有った際(加算の新規取得等)等に行政へ提出する書類です。
上記行政へ提出することの他、書式は任意ですが毎月人員基準を満たしているかを確認する必要があります。
行政によっては、運営指導時に勤務形態一覧表を作成しているか否か確認する場合がありますので、確認したことが分かるようにしておく必要があります。
参考:厚生労働省標準書式 従業者の勤務の体制及び勤務形態一覧表
私たちは普段、常勤と言えば正社員、非常勤と言えばパート・アルバイトを思い浮かべます。
でも、介護・障害福祉事業の人員基準を考える時はこの概念を1度忘れましょう。
区分 | 定義のポイント |
常勤 | 事業所が就業規則等で正社員は〇時間働くと定めた、この〇時間を働く人すべて |
非常勤 | 上記、常勤の時間数以下で働く人すべて |
「常勤」とは、正社員であることを指すのではなく、就業規則等で正社員は〇時間働く(週40時間とされている事業所が多い)と定められていますが、その事業所で「正社員分の時間を働く人」を指します。
例えば、パート・アルバイトの方でも、フルタイムで働いている方で、正社員と同じ時間働いているような方は勤務形態一覧表に記載する場合「常勤」として記載します。
私たちの通常連想する専従・兼務は、「2職種以上の職種を兼務していたらすべて兼務」ですが、介護・障害福祉事業の人員基準を考える時は、以下の事を考えるようにしてください。
区分 | 定義のポイント |
専従 | 1つの事業所で働いている時間内で「同時刻に1職種」のみの役職で勤務していること |
兼務 | 1つの事業所で働いている時間内で「同時刻に2職種以上」の役職で兼務していること |
兼務は認められている役職が限られていますので、この点にも注意が必要です。
例えば、正社員の方で通所介護4時間と訪問介護4時間で介護職員をしている場合、これら2職種の兼務(1つの事業所ではない、また通所の介護職員・訪問の介護職員を同一の時間に行うことはできない)は認められていませんので、「通所介護非常勤専従4時間、訪問介護非常勤専従4時間」という扱いになります。
正社員でも人員基準上は非常勤になる、通常使用する兼務をしている状態だけど、人員基準上は「専従」になるということになります。

人員基準は国が定めるものですので、大きな違いは無いとは言え、やはり全国からご相談を受ける中で、行政ごとにルールが違うという実態は有ります。
例えば、通所介護の生活相談員の資格について「介護福祉士のみで良い」とする行政と、「介護福祉士の資格のみではなれない」とする行政が有ったり、管理者が管理業務と別に兼務できるのは1つまでとし、3職種以上の兼務は業務に支障があるものとみなし、認められない(管理者のみの兼務の場合を除く)とする行政もあります。
また明確に、管理者が別の職種と兼務している場合、1日の従事時間の半分以上(4時間)は管理業務に従事することとしている行政も有りますので、ご自身の事業所が存在する行政に必ず確認が必要です。
勤務形態一覧表は、特に併設事業所で職員の皆さんが2事業所をまたいで勤務されていることも多く、作成時にとても混乱しますよね。
勤務形態一覧表を作成する場合は、まずその事業ごとの目線に立って作成し、それぞれの事業で満たしているかの目でしっかりと確認することが必要です。
2事業所をまたいで勤務される方は、正社員でも「非常勤専従」です。
運営指導時には、出勤簿上で勤務形態に記載された時間を本当に働いているかの確認が行われますので、出勤簿と矛盾が内容に管理を行う事も非常に大切です。
