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介護現場のストレスを解消!今日から実践できるセルフケア術

2024-11-18

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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介護職は、利用者や家族との人間関係、身体的負担、慢性的な人手不足などから、特にストレスが溜まりやすい職種です。ストレスが溜まり過ぎると、心身に悪影響を及ぼし、場合によっては、突然仕事への意欲や情熱をなくしてしまう、燃え尽き症候群を発症する場合もあります。このような危険性があるため、日々のセルフケアが重要です。

今回は、介護現場で働く方々が今日から実践できるストレス対策やセルフケア方法について紹介します。ぜひ、最後までお読みください。

今日からできる介護職のストレス対策とおすすめグッズ

介護職は以下のような理由からストレスを感じやすい職種といわれています。

  • 利用者、家族やスタッフ同士との人間関係
  • 身体的負担が大きい
  • 慢性的な人材不足
  • 給与が低い

このように、ストレスを感じやすい職種のため、日々の対策が非常に重要です。今回は、今日からでもすぐできるストレス対策とおすすめグッズについて紹介します。

しっかりと睡眠をとる

睡眠は、レム睡眠とノンレム睡眠にわかれますが、それぞれは以下のような特徴があります。

  • レム睡眠:体を休める睡眠で、記憶の整理や定着に効果的
  • ノンレム睡眠:脳を休める睡眠で、脳や体の疲労回復に効果的

このレム睡眠とノンレム睡眠は約90分周期で変動し、一晩で4〜5回程度おこなわれるのが1つの目安とされています。

厚生労働省が発表した「健康づくりのための睡眠ガイド2023」によると、成人は6時間以上の睡眠を確保することをすすめていますが、実際には1日の平均睡眠時間が6時間未満の人の割合は男性 37.5%、女性 40.6%と発表されていることからも、しっかりと睡眠を確保できていないことがわかるはずです。しっかりと睡眠時間は心身ともにリラックスする効果があるため、意識して確保しましょう。

睡眠時に自分に合った枕の選び方

睡眠時間を確保することの重要性は理解できたはずですが、寝ようと思っても、なかなか眠られないと悩む場合も多いはずです。そんな場合は、睡眠時に使用している枕を一度見直しましょう。枕が合っていないと身体の負担になるため、質のよい睡眠が得られず、たくさん寝たはずなのに何となくすっきりしない場合があります。

また、枕は2〜3年くらい使用すると厚みなどが変化するため、以前までは合っていたはずの枕が合わなくなることもあるため、定期的に買い換えましょう。

実際に、自分に合った枕は、以下のポイントを意識して選びましょう。

  • 仰向けや横向きなど、自分が寝る時の向きを確認する
  • 性別や体格に合わせて選ぶ
  • 自分の好きな枕の素材を知る
  • 実際に寝て枕の高さを確認する

これらの内容を意識して枕を探すことで、理想的な枕を見つけることができるはずです。最近では、店舗によって専門的なアドバイザーが在住している場合もあるため、相談しながら、理想的な枕を選びましょう。

睡眠時はマットレスの選択も重要

睡眠時は枕と同じくらい、マットレスの選択も重要です。マットレスは、睡眠中の体を支える役割があるため、体の圧力を分散させ、寝返りをサポートすることで、快適な眠りをサポートしてくれるアイテムの1つです。理想的なマットレスを選ぶためには、以下の内容を意識しましょう。

  • 身長+20~25cmの長さ、肩幅の3倍程度の横幅のサイズを選ぶ
  • スプリングの種類
  • マットレスの硬さと反発力

マットレスは、素材によって耐久性が異なるため、使用しているマットレスの耐久性を理解して、こまめに買い換えるようにしましょう。

適度な運動を心がける

適度な運動をおこなうことで、身体的な緊張が解消され、ストレスホルモンの分泌が抑制されるといわれています。それだけでなく、精神の安定や幸福感などに関与する、エンドルフィンやセロトニンといった脳内物質が放出され、リラックスや気分の改善につながると考えられています。

具体的な運動としては、ウォーキング・軽いランニング・サイクリングなどのように、身体に空気を取り込みながらおこなう有酸素運動が効果的といわれており、身体が温まり、軽く汗ばむ程度の負荷で、1日20分程度を目安におこないましょう。その他にも、室内でおこなえるヨガやストレッチなどもストレスを緩和させる効果が期待できます。

ストレッチポールは腰痛の予防・改善にも効果的

最近、ストレッチの中で注目されている内容としてストレッチポールがあります。ストレッチポールは、動作の土台となる「姿勢や動き」を獲得するための手段として用いられます。健康な人でも身体の使い方やクセなどによって、身体の左右差がみられます。しかし、そんな身体の左右差もストレッチポールを使用することによって、バランスを整えるだけでなく、リラックス効果が期待できます。

お香やアロマなどで気分に合わせて部屋を香りを変えよう

お香やアロマなどの香りには、自律神経やホルモン分泌が整えられて心身ともに落ち着くので、ストレスの解消につながるといわれています。なお、お香やアロマはさまざまな種類がありますが、それぞれ以下のような効果が期待されています。

  • オレンジ・スイート:心を癒しながら前向きな気持ちに導く
  • ベルガモット:気分を落ち着かせる
  • ラベンダー:ストレスなどによる不眠を解消

他にも種類がありますが、夜の寝る前や、朝目覚めた時に香りを嗅ぐだけで効果を実感できるはずです。

ゆっくりと入浴して心をリラックスしよう

お風呂の時間を確保するのが難しいから、浴槽に浸からずにシャワーだけで終わらせている場合もあるかもしれません。しかし、できる限りシャワーで終わらせずに、ゆっくりと入浴して心をリラックスさせる時間を作りましょう。実際、38〜40℃のぬるめのお湯に20分程度ゆっくりと浸かることで、リラックス効果がある副交感神経が優位になるといわれています。

また入浴する時間を、寝る1〜2時間前におこなうと、布団に入る頃には、ある程度体温が下がり、良質な睡眠が促されるはずです。しかし、浴槽の温度が42℃以上の熱い湯は、交感神経が活発となり、睡眠に悪い影響を与える可能性があるため注意しましょう。

入浴剤も入れるとリラックス効果が向上

入浴の際に、ただ単に浴槽に入るだけでなく、入浴剤を入れることでリラックス効果が向上するはずです。入浴剤は、さまざまな種類が売られていますが、大きく以下の5つのタイプに分類できます。

  1. 無機塩類系:冷えが気になるとき
  2. 炭酸ガス系:疲れを取りたいとき
  3. 薬用植物系(生薬系):肩こり・腰痛・肌荒れなど
  4. スキンケア系:肌の乾燥が気になるとき
  5. クール系:さっぱりしたいとき

気になる症状や、日によって入浴剤を変えることで毎日の入浴が楽しみになり、リラックス効果も得られるはずです。

最近では瞑想によるリラックス効果が注目されている

ストレスを解消できる方法として、瞑想が最近注目されています。実は瞑想には以下のような効果が期待されています。

ストレスの軽減効果が期待されている

瞑想をおこなうことで、脳の中で恐怖や不安などの感情を司る部位である扁桃体と呼ばれる部位の活動を抑制する働きがあり、その結果、ストレスや不安を感じにくくなると考えられています。

睡眠の質があがる

瞑想をおこなうことで、副交感神経が優位になり、リラックスした状態になることで、睡眠の質があがると期待されています。睡眠時の瞑想は、就寝の10〜20分前程度に、ベッドの上や静かな部屋など、リラックスしやすい場所で瞑想することで、リラックス効果が高くなり、眠りにつきやすくなるはずです。

集中力が高くなる

瞑想は扁桃体だけでなく、脳の中で注意力や集中力、意思決定などを司る部位である前頭前野の活動が活性化されることがわかっています。この脳の部分の活動が活性化されることで、集中力や注意力が向上すると考えられています。

介護職員が発症しやすい「燃え尽き症候群」には注意が必要

燃え尽き症候群は、仕事に対して、真面目かつ精力的に取り組んできた方が、突然仕事への意欲や情熱をなくし、燃え尽きたような状態になってしまう症状のことで、バーンアウトとも呼ばれています。この燃え尽き症候群は、医療・介護・福祉・教育など、対人サービス業に従事している場合によく発症するといわれています。

燃え尽き症候群を発症してしまったら、離職や休職を選ぶ場合も多くみられるため、定期的に自分自身のストレスをチェックしておくことが重要です。

年1回のストレスチェックを利用すれば、現状のストレス状況が理解できる

自分自身のストレスを知りたい場合は、年1回の頻度で実施されるストレスチェックを利用すれば、現状のストレス状況が理解できるはずです。このストレスチェックは、2015年12月から、常時50名以上の従業員が勤務している各事業所で毎年1回の実施が義務付けられています。

ストレスチェックの回答自体は多くの時間を必要としないため、できる限り毎年おこない、日々のストレスの状況を理解しましょう。

介護職はストレスが溜まりやすいため、うまくコントロールしよう

介護職は、身体的負担や人間関係、慢性的な人手不足などの理由からストレスが溜まりやすい職種のため、日々のストレスをうまくコントロールすることが重要です。

具体的な方法としては、今回紹介した、しっかりとした睡眠や、適度な運動、リラックスできる入浴習慣の取り入れ、瞑想などが効果的です。

また、対策だけでなく、介護職は燃え尽き症候群も発症しやすいため、定期的に自分のストレス状態を定期的に把握することも重要です。そのため、年1回の頻度で実施されるストレスチェックを積極的に活用して、心身のケアを怠らないようにしましょう。

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