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夜間対応型訪問介護のサービス内容や費用負担について徹底解説!

2024-10-28

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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在宅で介護を受ける要介護者やそのサポートをする家族が困るのは、夜間の生活です。日中はデイサービスや訪問介護などの介護サービスを受けることができますが、夜間も対応しているところは多くありません。そのため、夜間に介護が必要な場合は、ほとんどのケースで家族が対応します。睡眠不足など大きな負担がかかったり、ストレスにも繋がります。

そこで、夜間対応型訪問介護が役に立ちます。この記事では、夜間対応型訪問介護についてサービス内容や費用負担額などについて解説します。夜間対応型訪問介護の利用を考えている方は、ぜひ最後までお読みください。

夜間対応型訪問介護とは?

夜間対応型介護は、訪問介護員 (ホームヘルパー等)が夜間に自宅を訪問して介護を受けることが出来る地域密着型のサービスです。利用者が可能な限り住み慣れた自宅で自立した日常生活を24時間安心して送ることができるよう、2006年の介護保険制度の改正で創設されました。

夜間対応型訪問介護の対象者

夜間対応型訪問介護は、要介護1〜5の方で、利用する事業所のある市区町村に住んでいる方が対象になります。

そのため、要支援1〜2の方は夜間対応訪問介護の対象にはならないこと、原則として住んでいる市区町村以外の施設・事業所のサービスは利用できないことに注意が必要です。

夜間対応型訪問介護のサービス内容は?

夜間対応型訪問介護のサービス内容には「定期巡回」と「随時対応」の2つがあります。利用者は必要に応じて、どちらのサービスも利用でき、安心して夜間を過ごせるようになっています。

定期巡回サービス|計画に基づいた定期的な訪問介護

定期巡回サービスでは、あらかじめケアプランによって決められた時間、回数でホームヘルパーが利用者の自宅を訪問して介護サービスを提供します。

サービスの提供時間は各事業所で設定されていますが、夜間対応型ということもあり、利用できる時間は主に18時から翌朝8時の間になります。1回あたりの訪問時間は30分程度となっていますが、必要に応じて時間延長ができます。

定期巡回サービスでは、排泄の介助やおむつ交換、体位変換の身体介護と安否確認などをおこないます。1日の中で複数回サービスが受けられるため、利用者の生活リズムに合わせて必要なところを手伝ってもらうことができます。

随時対応サービス|必要時にあわせた訪問介護

随時対応サービスでは、夜間に体調の急変、ベッドから転落して動けない、トイレに失敗してしまった際などに、ホームヘルパーを呼んで介助を受けたり、救急車を手配してもらったり、主治医へ連絡してもらったりすることができます。

随時対応サービスを利用する際には、前もって介護事業所から配布される専用のケアコール端末を使って通報をします。通報内容によっては、ヘルパーが2人訪問して介助をしてくれることもあります。しかし、通報の緊急性が低いと判断されるとホームヘルパーの派遣を断られることもあります。

オペレーションセンター|事業所により設置の有無が異なる

随時対応サービスの利用者からの通報は、オペレーションセンターのオペレーターが対応します。

オペレーターとなる看護師・ケアマネージャー・介護福祉士・医師・保健師・准看護師などが、通報内容にヘルパーを派遣するか、救急車手配が必要かどうかを判断しています。オペレーションセンターを配置していない事業所もあり、その場合にはヘルパーが直接、利用者からの連絡に対応します。

参考:厚生労働省「参考資料1 参考資料(定期巡回、夜間訪問介護)_ver.03 (mhlw.go.jp)

夜間対応型訪問介護の利用者負担費用は?

夜間対応型訪問介護の利用料は、事業所にオペレーションセンターが設置されているかどうかによって異なります。

  1. オペレーションセンターを「設置する」事業所を利用する場合
    利用者負担額(1割負担)は以下の表のとおりです。
    区分利用者負担
    夜間対応型訪問介護費Ⅰ(1ヵ月)989円
    定期巡回サービス費(1回)372円
    随時訪問サービス費:1人訪問(1回)764円
    随時訪問サービス費:2人訪問(1回)764円
    ※24時間通報対応加算(1ヵ月)610円

    ※夜間だけでなく日中もオペレーションセンターを介して緊急時の随時対応サービスをおこなう事業所もあります。そのような事業所では、24時間通報対応加算の支払いも必要になります。

    このように、オペレーションセンターがある事業所では、1ヵ月の基本料金に加えて、定期巡回、随時訪問の利用回数が増えるごとに料金がかかります。なお、夜間には他の訪問介護サービスとの併用が可能です。利用料金は地域によって若干異なりますので、ご留意ください。

  2. オペレーションセンターを「設置しない」事業所を利用する場合
    利用者負担額(1割負担)は以下の表のとおりです。
    区分料金
    夜間対応型介護費Ⅱ(1ヵ月)2,702円

    オペレーションセンターを設置しない場合、ホームへルパーが直接利用者からの通報を受けて対応をします。

    オペレーションセンターを設置する事業所と比べて料金は安めですが、夜間に他の訪問介護サービスを併用することはできません。料金は地域によって若干異なりますのでご留意ください。

まとめ

夜間対応型訪問介護は、夜間の緊急時の対応や安否確認をしてもらうことで利用者が安心安全に自宅での生活を継続することが出来るサービスです。

また、同居する家族の介護の負担が軽減されたり、離れて暮らす家族にとっても利用者を定期的に見守ってもらったりすることで、大きな安心が提供されるサービスです。ぜひ、夜間対応型訪問介護の利用をご検討ください。

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