老人ホームと聞くとどんなイメージがあるでしょうか。多くのイメージはずっと施設の中から出られないと思っている方は多いですが、自由に外出ができる老人ホームもあります。施設によっても様々ですが自宅に一時的に戻れたり、場合によっては旅行など外泊することも可能です。
しかし、いつでも外出できるというものではなく、利用者の安全が確保できてからなど条件がつくことがほとんどです。この記事では老人ホームに入所した際の外出について詳しく解説をしています。これから介護施設を検討される方や疑問を持たれている方向けになります。気になる方はぜひ、参考にしてみてください。
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老人ホームの生活について、病院のように「簡単に外出ができない」というイメージがある方は多いです。しかし、老人ホームでは外出や外泊は基本的には自由となっています。家族みんなで旅行に行ったり、外出をしても制約はありません。
老人ホームでは入居者の安全を確保するためのルールは設けられていますが、まれにルールによっては外出や外泊もできないケースもあります。
老人ホームでは要介護の利用者は事故等のリスクを考え、付き添う人がいない場合は、外出や外泊が認められない老人ホームが一般的です。「要介護」とは介護が必要な状態の利用者のことをいいます。有料老人ホームでも要介護の方について、付き添いなしでの外出は慎重になります。
利用者が日常的に医療処置が必要な場合は、外出のハードルは高いです。例えば、胃や鼻に開けた穴から管を通して栄養剤を注入する「経鼻経管栄養」、「胃ろう」などが対象になります。法事等に出席するなどの場合はかかりつけの医者にリスクなどを十分に検討する必要があります。看護師が同行することで、必要な医療処置をおこなうことができる場合は外出も可能です。
認知症と診断されている方は状態にもよりますが、基本的には一人での外出は制限されていることが多いです。認知症の利用者が外出をされると帰り道が分からなくなったり、信号の判断ができなくなったり、さまざまな危険性が考えられます。どうしても外出をしたい時は介護職員か家族が付き添う必要があります。
コロナ禍などで通院以外の外出制限をしている施設も少なくありませんでした。施設内では絶対に施設にウイルスを持ち込まないことを徹底されているので、不要不急の外出は控えるようにされています。特に人が多い場所では感染症にかかるリスクも増えるので注意が必要になります。
インフルエンザなどの流行りの病気の時期も同様に外出や外泊制限がある施設もあるので、入所を考えている方はチェックが必要です。
外出の事前申請が必要な施設が多いです。サ高住では申請をしなくても外出ができることが多いですが、老人ホームでは事前申請が必要になります。介護度の高さにもよりますが、外出時にはオムツや服薬の準備が必要になり、急な外出だと介護職員の準備が間に合いません。
利用者本人の体調にも気を配る必要があり、状態の見極めにも事前に申請をすることが大切です。また、外出の都合に合わせて入浴やリハビリの日程も調整することもできるので、当日に申請するのではなく早めの提出をすることがおすすめです。
老人ホームでは外出をしていても、食費以外の利用料金が発生することがほとんどです。短期期間の外泊では、通常通り利用料金の支払いが必要となる施設が多くなります。長期間の入院になる場合は日割り計算をする必要があるので、施設への相談は必要です。
外出をして食事が不要になる際には、事前に申請しておけば食べてない分の請求はされません。施設によっては何日前までは申請が必要とルールが定められていることもあるので確認が必要です。申請をおこなわない場合は食べていなくても、食費は発生してしまうので早めに済ませておくことが大切です。
常備薬を忘れずに持参することも大切ですが、外出先で体調不良になったことを想定し、外出先での医療機関を確認しておくことも大切です。特に外泊の場合は、周辺に医療機関がない場合は外泊先を変えることも必要な判断になります。また、外出や外泊の楽しさや忙しさから、服薬時間を忘れてしまうこともあります。飲み忘れ防止には、携帯電話のアラームなどを利用すると便利です。
移動手段は公共交通機関を利用するよりも、家族や介護職員、または介護タクシーを利用することを推奨します。介護タクシーの乗務員は介護職員初任者研修を取得しているので、安心して利用することができます。介護タクシーには介護保険が適用されるものと適用されないものがありますので、事前に介護職員にも確認してもらい、早めに手配することをおすすめします。
外出時は心身に負担が大きくかかるので注意が必要です。外出はストレス解消やリフレッシュなどメリットが多いですが、高齢者の場合は転倒して骨折をするなどの危険性を伴います。歩きすぎたり、家事を手伝うなどは思わぬ怪我を引き起こす可能性があるので注意が必要です。
また、旅行などは時間に余裕を持ったスケジュールを立て、疲れを残さないようにすることで施設に帰宅しても心身が不安定にならないようにすることにも配慮が必要です。外泊をする際は起床時間や食事時間など、施設と同じような生活を心がけることが大切になります。
住宅型老人ホームは利用者同士が交流する場もあるので孤立してしまうことはありませんが、介護サービスが必要な場合は外部の介護サービスを使う必要があります。
住宅型老人ホームは数が多いので、お住まいの地域でも比較検討がしやすく、予算に合わせた選択も可能です。住宅型老人ホームは要介護認定を受ける前から安心して暮らすことができ、サービスを組み合わせることで長く暮らすことのできる施設になります。
サ高住の最大の特徴は自由なシニアライフを送れるところにあります。安心、安全な設備が整っているので日々の生活には制限がほとんどありません。好きな料理を食べることや自由に旅行にもいけることが魅力の1つです。老人ホームの違いは食事の制限や入浴のタイミングが決められているところが多いので、自由度が高いことが特徴になります。
全ての老人ホームが外出の付き添いをしてくれるとは限りません。老人ホームによっては、費用もかかるので必ず付き添いが必要ではありません。しかし、安全面を考慮すると付き添いはついてもらった方が安心と言えます。
老人ホームでは外出許可届、外出同意書を提出することで家族の付き添いがあれば外出が認められます。
老人ホームに入居を考えている人は、自宅に帰れなくなると思われている方は多いです。施設に入居したからといって、自宅に戻れなくなることはないですが万全な準備を行うことが大切です。家族の付き添いや介護職員の付き添いがあっても、外出時に張り切ってしまい怪我をされてしまい入院することも少なくありません。
外出の際は、気持ちよく老人ホームに戻れるように事前に介護職員、家族の声かけをしっかり聞くこと、外出先の病院位置や服薬の準備を怠らないようにすることが重要になります。