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老人ホームの種類と選び方を徹底解説!自分に合う施設を選ぶポイントとは

2024-10-03

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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家族が老人ホームに入るのを検討しているとき、家族にとって安心して暮らせる老人ホームはどこだろう、と考える人は多いでしょう。老人ホームと一口に言っても様々な種類があるため、それぞれの施設の特徴も気になります。また、家族を預けることに罪悪感を抱くこともあるでしょう。

家族が入居することになるのですから、快適に過ごせる施設を選びたいものです。そこで今回は、老人ホームの選び方から入居条件などについて紹介していきます。この記事を参考に家族が安心して過ごせる施設を見つけましょう。

老人ホームとは

老人ホームは介護施設の一つであり、高齢者向けの介護サービスをおこなっている施設の総称です。老人ホームと一口に言ってもその形態は様々であり、有料老人ホームも老人ホームの一つになります。

有料老人ホームを分かりやすく解説すると、食事、食事や排せつなどの介護、洗濯や掃除などの家事、健康管理の4つのサービスのうちいずれかの実施もしくは複数サービスの実施をおこない、かつ高齢者を入居させている施設を指します。

老人ホームの選び方|大切なポイントを解説

老人ホームといっても種類は様々であるため、入居希望の施設を見つけるのは簡単なことではありません。そのため、老人ホームを選ぶポイントを知ることで、家族に合った施設を見つけやすくなります。

老人ホームの入居条件や費用など、知っておかなくてはならないポイントはいくつかあります。ここでは押さえておきたいポイントについて詳しく見ていきますので、それぞれのポイントを確認しながら読み進めていきましょう。

施設の入居および退去条件を知る

入居したい施設の候補が見つかったときは、施設の入居条件と退去条件を確認しましょう。一度決めた施設に最後まで入居したいと考えるのであれば、退去条件の確認を怠ってはいけません。

要介護度などがあがった時など、退去の可能性が出てくるためしっかりと確認しておきましょう。

また介護の心配がない場合は、自立の人が入居できる施設を探す必要があります。施設によって条件は異なるため、候補を見つけたときは面倒でも入居・退去条件はしっかりと把握しておくことが重要です。

費用を把握する

一般的に老人ホームにかかる費用は、「入居一時金」と「月額利用料」の2つです。入居一時金は入居者が住み続けるであろう「想定居住期間」を設定し、その期間の介護費や居住費などを前払いする仕組みです。

月額利用料は、日常生活費や介護保険サービス費、医療費など毎月支払う費用を指します。そのため現在の資産状況と将来の収入額を参考に、支払える範囲内の施設を探すことになります。また、生活保護費や年金のみで支払いをする場合、支給額で賄える施設を探さなくてはいけません。

受けられるサービス(介護・医療ケア、リハビリなど)を知る

医療や介護を必要とする人は、自身の心身の状況に合わせて介護体制、医療体制、リハビリ体制を確認することが大切です。介護付き有料老人ホームの場合、入居者3名に対して介護職員1名以上配置することが最低基準として定められています。そのため、入居者に対しての介護職員の数が多い方が、ケア体制が充実していることが分かります。

ほかにも確認しておきたいことを下記にまとめました。

  • 看護職員や機能訓練指導員が常勤であるか否か
  • 提携している医療機関とその内容
  • 緊急時の対応
  • 看取り体制
  • 訪問診療や健康診断の頻度
  • 看護職員が勤務している時間

家族の介護度に合わせて、これらの項目を確認しておくと安心できます。特に医療機関との連携とケアの内容は十分に確認しておきましょう。また、入居後にリハビリや機能訓練を受けたい場合、理学療法士などの在籍の有無も確認することをおすすめします。

認知症の対応があるか

老人ホームによっては認知症の人の受け入れをおこなっていない場合があるため、認知症でも入居できるのかは、確認しておきたいポイントです。認知症の進行度合いや身体状況により、施設選びの際のポイントは異なってきます。例えば認知症がある程度進行しているのであれば、入居施設は対応力の高いところを選ばなくてはいけません。

看取りの対応があるか

老人ホームで最後まで生活するのであれば、充実した生活を送るためにも看取りの対応力が高いかは、重要な判断材料となります。施設選びのポイントとして、最後まで安心できるとともに充実した生活を送れるかは、必ず確認しておきたいです。

もし見取りの確認を怠ってしまった場合、「もしかしたら退去を求められるかもしれない」と不安を抱えながら生活することになります。そのため、看取りの体制は整っているか、設備や人材はしっかりとそろっているか、前もって施設に確認しておきましょう。

立地は家族が通いやすいかで考える

施設選びのポイントとして、立地条件も重要なポイントです。利用者が住みやすい場所であることはもちろんのこと、介護を必要としているのであれば、家族が訪ねてくることも多くあるでしょう。そのため家族が無理なく通える場所を選択することも大切です。

体調に異変があった時など、すぐに駆け付ける場所に施設があると安心できます。立地条件を調べる時は、「最寄駅からどのくらいの距離にあるか」「タクシーを利用した際、いくらかかるか」なども確認しておきたいポイントです。

居室タイプや設備を確認する

施設で快適な生活が送れるよう、居室のタイプや設備が整っているかなどは確認しておいた方がよいでしょう。居室タイプや設備が整っているのかは、下記にあげるポイントをもとに判断するとよいです。

  • プライベート空間が保たれているか
  • 他社とのかかわりをもてる共有スペースはあるか
  • 手すりや洗面台の高さがあっているか
  • 余暇を楽しむスペースがあるか

しかし、設備が整っている場所はその分料金も高くなるのが難点です。費用面も考えつつ快適に過ごせる施設を探していきましょう。

食事内容を知る

老人ホームで長く暮らしていくためにも日々の食事の内容を知ることは大切です。献立表の確認や提供される食事の傾向を把握するだけでなく、施設内で食事を作っている場合管理栄養士がいるのかなども確認しましょう。

また療養食などが個別対応できるのかは重要なポイントです。それ以外にも体調不良で食事をとらない時など、料金がどうなるのかもあわせて確認しておきましょう。

入居者やスタッフの雰囲気はどうかを知る

老人ホームはこれから長く生活する場所になります。そのため、入居者やスタッフの雰囲気を知っておくことは大事なことです。介護スタッフが信用できる人か、相談事ができたときに相談しやすいか、緊急時にはきちんと連絡をくれるのかなどは、しっかりと確認しておきたい部分です。

そのため施設見学の際は、積極的にスタッフと話をおこない、施設の雰囲気をつかむことが大切です。また、体験入居ができる場合は実際に入居体験をし、施設の雰囲気だけではなく入居者について知ることも重要です。

老人ホームの種類と入居条件

老人ホームには「公的施設」と「民間施設」の2種類があり、それぞれ入居条件が異なります。ここでは「公的施設」と「民間施設」の種類と特徴についてみていきましょう。

公的施設の老人ホーム5つ

公的施設の老人ホームは全部で5種類あります。それぞれを表にまとめてみました。

種類

初期費用(円)

月額費用(円)

条件(自立)

条件(要支援)

条件(要介護)

条件(認知症)

特別養護老人ホーム

0

5~15万

×

×

介護老人保健施設

0

8~14万

×

×

介護療養型施設

0

9~17万

×

×

軽費老人ホーム

0~数十万

10~30万

ケアハウス

数十万~数百万

10~30万

表からわかるように公的施設は、要介護か否かで入居できる施設が決まっています。また、入居条件が同じでも、かかる費用に差があります。そのため入居対象者と費用をもとに、入居施設を決めていきましょう。

民間施設の老人ホーム6つ

民間施設の老人ホームは全部で6種類あります。こちらも公的施設同様、表にまとめてみました。

種類

初期費用(円)

月額費用(円)

条件(自立)

条件(要支援)

条件(要介護)

条件(認知症)

サービス付き高齢者向け住宅

0~数十万

10~30万

介護付き有料老人ホーム

0~数百万

15~30万

住宅型有料老人ホーム

0~数百万

15~30万

グループホーム

0~数十万

15~20万

×

健康型有料老人ホーム

0~数億

10~40万

×

×

シニア向け分譲マンション

数千万~数億

10~30万

民間施設は公的施設と異なり、自立している人の受け入れをおこなっている施設が多いことが特徴です。幅広い状態の人の受け入れをおこなっている一方、公的施設より費用がかかります。民間施設は費用面を中心に入居先を検討するとよいでしょう。

老人ホーム選びの流れ

老人ホームを選ぶには、希望条件をリストアップするなど流れよく探していくことが必要です。ここでは基本的な老人ホーム選びの流れをみていきます。

絶対条件と希望条件をリストアップする

施設を探す前に、ここだけは譲れないという絶対条件をあげてみましょう。終身利用を前提とするのであれば、譲れないポイントを妥協するのは良くありません。つぎにできれば希望したいポイントをあげていき、これならある程度妥協できるポイントをリストアップしていきます。

求めるサービスや費用は特に重要なポイントとなるため妥協できる・できないポイントをリストに記し、必須条件と希望条件に分けて整理していきましょう。

予算と入居条件で希望施設をしぼる

それぞれの施設で大体いくら必要なのかは、先程の老人ホームとはという項目で解説したため省きますが、施設により初期費用はいくらかかるのか、月額利用料はいくらかかるのかは大きく異なります。

老人ホームは終身利用することになるため、将来的にいくら必要なのかを計算し把握しておくことと、準備できる予算はいくらかを把握しましょう。そこから入居条件に合致する希望施設をしぼっていきます。

資料請求や問い合わせで情報収集する

入居希望施設が絞れてきたら、資料請求やインターネットなどで施設に関する情報収集をおこないます。資料請求は施設に電話するか、施設のホームページから申し込みができるため、積極的に取り寄せましょう。

資料だけで情報収集すると、よい点は分かるのですが悪い点は分からないため、インターネットで口コミなどを調べるとよいでしょう。施設の良い点と悪い点をしっかりと把握し、希望施設を絞り込んでいくとよいです。

老人ホーム選びに迷ったらプロに聞く

基本的に施設を決めるのは、自分の希望条件などをもとに決定していきますが、どうしても決められない時が出てきます。そうしたときにおすすめなのがプロの意見を聞くことです。プロは経験豊富なため、施設について様々な情報に通じています。主なプロはケアマネジャーなどであるため、次の項目から紹介していきます。

介護サービスを受けている場合|担当ケアマネジャー

すでに介護サービスを利用しているのであれば、自身の担当ケアマネジャーに相談してみるとよいでしょう。ケアマネジャーは介護のプロであり、様々な情報に通じています。地域の施設情報だけでなく、自身の健康状態も把握しているため、自分に合った施設についてのアドバイスがもらえます。

介護認定を受けていない場合|地域包括支援センター

介護認定を受けていないのであれば、地域包括支援センターを頼るとよいです。地域の介護施設について詳しいだけではなく、介護認定を受けることもできるため介護についての情報が欲しいときは積極的に活用しましょう。自治体の委託を受け社会福祉法人が運営しているケースもあるため、地域医療や介護のプロとして利用していきましょう。

見学や契約のサポートがほしい場合|民間の紹介窓口

民間の紹介窓口は、全国の施設について網羅しており、不動産会社のように施設を紹介する民間企業も多いです。民間企業は紹介した老人ホームから手数料をもらうため、利用者は無料で利用できます。企業によっては見学などのサポートもおこなっているため、必要に応じて頼るとよいでしょう。

老人ホームの種類や選び方に関するよくある質問

老人ホームを選ぶ上で、様々な疑問や質問したいことが出てきます。ここではよくある質問として3つ紹介していきます。

特別養護老人ホームの空き状況はどこで見れますか。

特別養護老人ホームの空き情報を確認する方法は2つあります。

  • 施設に直接問い合わせる
  • 施設のホームページを確認する

この2つの方法で、空き情報の確認が取れます。

老人ホームの費用は年金でまかなえますか。

年金で費用を賄うことは可能です。しかし、施設によって利用料金等が異なるため、自身の年金の額を把握したうえで老人ホームを検討しましょう。

特養は費用が安いからスタッフの対応もよくないのでしょうか。

公的施設であり費用も安いですが、だからといってスタッフの対応の良し悪しとの関連はありません。スタッフの対応は施設ごとに異なるため、実際に見学などをおこない雰囲気を確認するとともに、研修の有無等を確認した方がよいでしょう。

入居する方も家族も「入居してよかった」と思える施設選びを

老人ホームには様々な種類があり、対応も施設ごとに異なります。大切な家族を施設に預ける罪悪感を持っているのであれば、一緒に施設の見学等をおこない暮らすことになる施設の雰囲気を知っておきましょう。家族を安心して預けられると判断した施設を選びましょう。

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