ポジショニングは拘縮予防のなかで基礎的なアプローチのひとつです。正しいポジショニングをおこなうことで、固まった筋肉や間接を和らげられ、普段の介護も楽になることが期待できます。しかし、具体的にどのようにポジショニングをおこなったらよいか、よく理解できていないという人もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、仰向け・横向き・ななめ横向きの3つの体位にて、ポジショニングをおこなう際のコツを紹介します。それぞれわかりやすいイラストにて図解するのでぜひ参考にしてください。
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介護におけるポジショニングとは、介護を必要とする方々の体位を適切に保持する技術を指します。ポジショニングをおこなうことで姿勢が安定し体重が各部位に分散され、緊縮や浮腫、褥瘡を防ぐことに繋がります。
ただし、正しいポジショニングの状態は利用者ごとに異なります。そのため、必ずアセスメントをおこない、利用者ごとに最適な体位を選ぶことが大切です。
以下では介護における代表的なポジショニングの例として、仰向け・横向き・ななめ横向きでポジショニングをおこなう際のコツを図解します。
仰向けのポジショニングをおこなう際には、まず首の後ろに隙間ができないよう注意しましょう。首の後ろに隙間があると口が自然と閉じられなくなってしまい、口内の乾燥につながるほか呼吸もつらくなります。そのため、枕を深く使うなどの方法でケアするようにしましょう。
また、肩甲骨が外側に開くようにクッションやタオルをセッティングしてあげましょう。肩甲骨が内側に向けて緊張した状態だと、胸が開いた状態で筋肉が固まることに繋がります。あわせて腰の下に隙間ができないようにも注意してください。
横向きのポジショニングをする際にも、首の後ろの隙間や肩甲骨の閉じに注意しましょう。
また、ひざの角度が中途半端な状態にならないよう確認します。しっかりと曲げさせることによって、足への負担を軽減することができます。その際の注意点として、左右の足は重なるように配置し、両足が平行になるようにしましょう。
ななめ横向きは、仰向けや横向きに比べると不安定な体位といえます。そのため、厚めのクッションやタオルをしっかりと用いて、状態が安定するように注意する必要があります。
また、そのうえで首の後ろの隙間や肩甲骨の開き、両足の体制など、仰向け・横向き同様のポイントにも注意してください。
ポジショニングは、介護において非常に重要な技術です。ただし、利用者に応じた適切な方法を取れていない場合、むしろ症状を悪化させることにも繋がりかねません。
そのため、ポジショニングをおこなうためには、実際の体制についても知る必要がありますが、日頃のアセスメントも重要だということを認識しておきましょう。
ぜひ本記事を参考に適切なポジショニングをおこなってみてください。