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福祉用具貸与とは?対象品目や利用時のポイントについて詳しく解説

2024-05-24

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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福祉用具貸与とは、利用者の自立支援をサポートするために福祉用具をレンタルできるサービスです。しかし、利用できる福祉用具には制限があり、要介護度によって利用できる製品が異なる点には注意が必要です。

この記事では、レンタルの対象となる福祉用具や利用時のポイント、レンタルの流れや費用についても詳しく解説します。

福祉用具貸与とは?

福祉用具貸与は、利用者が自宅で自立した日常生活を送るために、福祉用具をレンタルできるサービスです。
指定を受けた事業者が、心身の状況や希望、生活環境などを評価し、適切な福祉用具を選ぶための援助または取り付けを実施します。

福祉用具に関する専門家からの評価をもとに適切な福祉用具をレンタルできる介護サービスが福祉用具貸与です。

福祉用具貸与と福祉用具販売の違い

介護保険制度の中で福祉用具を利用する方法には、レンタルと購入の2つがあります。

  • 福祉用具貸与:福祉用具をレンタルできる
    指定事業者から利用者が自宅で自立した日常生活を送るために必要な福祉用具を借りられます。
  • 特定福祉用具販売:福祉用具を購入できる
    レンタルに適さない性質の福祉用具は購入できます。例えば、使用するたびに形状や品質が変わり再利用が難しいものや、他人が使用したものに心理的抵抗があるものなどが対象です。

福祉用具貸与の対象種目

福祉用具貸与を利用してレンタルできる福祉用具は、13品種目です。また、レンタルできるものは要介護度によって異なります。対象となる福祉用具は以下の通りです。

福祉用具貸与の対象種目

種目

サービス対象者

車いす(付属品含む)

要介護2〜5

特殊寝台(付属品含む)

要介護2〜5

床ずれ防止用具

要介護2〜5

体位変換器

要介護2〜5

手すり

要支援1〜要介護1〜5

スロープ

要支援1〜要介護1〜5

歩行器

要支援1〜要介護1〜5

歩行補助杖

要支援1〜要介護1〜5

認知症老人徘徊感知機器

要介護2〜5

移動用リフト(つり具の部分を除く)

要介護2〜5

自動排泄処理装置 

便機能があるもの:要介護4〜5
尿機能のみ:要支援1〜5

引用:厚生労働省「どんなサービスがあるの? – 福祉用具貸与」

対象者の身体の状況や介護の必要度の変化に応じて福祉用具の交換ができるように、原則13種目のレンタルができます。
自動排泄処理装置に関しては、便機能があるものは要介護4〜5、尿機能のみのものは要支援1〜5の方が対象です。

令和6年から福祉用具貸与、販売が選択可能に

令和6年度介護報酬改定で、一部の福祉用具貸与と販売の選択制が導入されました。選択制が導入された理由は、長く利用できるように利用者の負担を軽減し、福祉用具を適切に取り扱うことで安全性を確保するためです。

福祉用具の購入と貸与の選択肢が広がったことで、利用者の費用負担や利用頻度に合った福祉用具を選択できるメリットがあります。

選択制の対象とする福祉用具の種目・種類

令和6年度介護報酬改定から、一部選択制となった福祉用具の対象種目と種類は以下の通りです。

  • 固定用スロープ 
  • 歩行器(歩行車を除く)
  •  単点杖(松葉づえを除く)
  • 多点杖

介護支援専門員や福祉用具専門相談員は、貸与や販売を選択できることについて十分な説明を実施する必要があります。
また選択にあたって必要な情報提供や医師や専門職の意見を聞き、利用者の身体状況等を踏まえた提案をすることも重要です。

福祉用具貸与の利用料金とレンタルの流れ

適切な福祉用具を選ぶためには、心身機能の状態や福祉用具の必要性なども含め、専門知識が必要です。
そのため、福祉用具専門員等の専門的な観点からモニタリングを行い、その方にあった福祉用具の提案をすることが求められています。

ここでは、福祉用具貸与の利用料金とレンタルの流れについてわかりやすく解説します。

福祉用具貸与でレンタルする流れ

福祉用具貸与を利用する際の流れは、以下の通りです。

  1. ケアマネジャーまたは地域包括支援センターに相談をする
  2. ケアプランを作成し、福祉用具貸与事業者を決める
  3. 福祉用具専門相談員が自宅を訪問し、用具を選定し提案する
  4. 事業者が用具を納品し、利用者に適応しているのか、状況を確認する
  5. 用具を決定し、利用者と福祉用具貸与事業者が契約する
  6. レンタル・サービス開始

福祉用具貸与事業者は、福祉用具を取り入れ、要介護者の自立支援を目指す必要があります。同時に介助者の負担の軽減を図ることも視野に入れつつ、利用者ごとの適切な個別サービス計画を作成する必要があります。

福祉用具貸与や購入を利用する際のポイント

適切な福祉用具の選定は、利用者の生活の質を高め、自立した日常生活を支援するために欠かせません。ただし、適切な福祉用具を選ぶためにはいくつかの注意すべきポイントがあります。

ここでは、福祉用具の貸与や購入を検討する際のポイントについて詳しく解説します。

購入と貸与で使い分ける

福祉用具を選定する際には、利用する期間に着目して、貸与と購入を使い分けることが大切です。

例えば、床ずれ防止用具を検討している場合、将来的にベッド上での生活が長く続きそうなのであれば購入したほうがいいでしょう。

一方、歩行補助杖の場合は、徐々に転倒リスクが高くなり、杖の種類を変更しなければいけなくなります。その場合は購入ではなく、福祉用具専門員のアドバイスを聞きながら都度種類を変更できるレンタルのほうが適しています。

福祉用具の購入と貸与を使い分ける際には、利用する期間に着目して選びましょう。

複数の事業者に、自己負担額や故障時の対応について確認する

故障時の対応は、事業所によって異なります。そのため、トラブルが発生した場合の対応について事業所ごとに比較することが大切です。

特に、福祉用具の場合は故障時の迅速な対応が求められる場合も多いため、故障発生から修理までの対応時間を確認しておきましょう。

また、福祉用具を購入する場合、購入後の保証期間内であれば無償で修理してくれる場合もあります。いつ破損するかは予測できないため、購入後の保証期間についても確認しておくことが大切です。

まとめ:自分にあった福祉用具貸与を選択し自立した生活を送ろう

福祉用具貸与とは、介護保険を利用して福祉用具をレンタルできる介護サービスです。日常生活を快適に過ごすためには、利用者の身体能力や生活環境に適した福祉用具を選定する必要があります。
福祉用具専門相談員から、機能や使用方法等について十分な説明を受けた上で、最適な福祉用具を選びましょう。

2024年介護報酬改定後、一部の福祉用具貸与と販売の選択制が導入されました。この改定によって、利用者の費用負担や利用頻度に合わせて福祉用具を選択しやすくなりました。

福祉用具の選定には、専門的な知見が必要です。福祉用具専門員などの専門職からのアドバイスを参考にしつつ、自分の身体状況や生活環境を理解した上で、自分に合った福祉用具を選択しましょう。

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