2020年4月24日に新型コロナウイルス(COVID-19)の拡大防止を目的に、喀痰吸引等研修の一部がオンライン(通信学習)にて受講することが認められました。
通常、資格を取るとなると7日間の座学研修と2日間の筆記試験演習が必要ですが、座学研修をオンライン化して通学研修は筆記試験と演習のわずか2日間となりました。
コロナ禍では、三密の回避やソーシャルディスタンスなど対策を徹底して研修が実施されていますが、高齢者を対象に事業を行う介護事業所とっては出来るだけリスクを減らしたいことでしょう。
特に他の地域と比較して感染者数が多い、一都三県(東京・神奈川・埼玉・千葉)を中心に全国的に対策の重要さが増しています。
そんな中、同じ研修会場に集まるのではなく、座学だけオンラインで実施するというのは必然なのかもしれませんが、サービス(オンライン研修)提供側として副次的なメリットも多く感じています。
オンラインでの研修方法は、オンデマンド(録画動画)とライブ配信の2種類あります。
①オンデマンド(録画動画)
オンライン上で、録画された講義動画を見ながら学習する自習型の研修。自分のペースで時間や場所を選ばず、学べるのが特徴です。
録画されている動画を見ながらの学習なので、繰り返し閲覧することができ、分からない部分は何度も見直せます。
ライブ配信の場合、通信環境が悪く、画面が固まってしまう(聞き取れない部分が出てしまった)など問題がありますが、録画の場合はその心配もありません。
弊社が提供しているサービス(システム)の場合、視聴完了後に動画の一覧ページにて「受講済み」と表示されるため、どこまで視聴が完了したかが分かるようになっており、学習の進捗も追うことが可能です。
②ライブ配信
※zoomなど認知度が高いオンライン会議ツールを使用し、実施されるケースが多い
実際に研修会場で行われる形式に近いのが特徴で、直接講師に質問することも可能です。
聞き逃したり理解できなかった不明点の振り返りがしづらいため、通信環境が悪く、大事な部分が聞けなかった…ということがないように、ライブ配信にて受講される方は注意が必要です。
前述した通り、2020年4月24日に厚労省から通達あったのですが、当社は先駆けて2020年6月から新型コロナウイルス対策としてオンライン研修を開始しました。
それ以降、実際に直接多くの介護事業所からお話を伺ったのですが、今まで対面で研修を行ってきたこともあり、オンライン化に対する不安もありました。
実際に下記のような内容が該当するケースが多いです。
・実務的なスキルが身につくかどうか心配
・オンライン研修に変えることによるリスクが分からない
・コロナ対策にはなるが、オンラインは難しそう(職員が対応できるか)
これらを加味した上で、メリットとデメリットを把握した上で検討する必要があると考えています。
オンライン研修と従来型の研修を比較しながらまとめると下記のようになります。
【オンライン研修(+通学)】
■メリット
・シフトを調整しやすい
・時間を気にせず受講が可能
・動画研修のため何度も同じ研修を受講できる(復習可能)
・各エリア施設が同時に研修を受講可能
・交通費や人件費などコスト削減可能
■デメリット
・受講の進み具合が職員によって異なる
・リアルタイムでの質疑応答ができない
下記のような課題を持った事業所にオススメです。
・シフト調整が難しく人が出せない(一気に受けさせたいが出来ない)
・感染リスクを下げたまま資格を取得させたい
・研修会場が遠く通学に何回も通わせられない
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【通学研修のみ(従来の受講方法)】
■メリット
・対面型のためリアルタイムで質疑応答ができる
・受講の進み具合を一定にできる
■デメリット
・シフト調整が難しい
・決まった時間に受講が必要
・研修日数が多い為人件費等のコストがかかる
下記のような課題を持った事業所にオススメです。
・シフトに余裕がある事業所
・感染リスクを考え、少人数の場合
・一律で研修を進めていきたい事業所
質や運用で不安に感じることもあるかもしれませんが、オンライン研修に関しては、副次的なものを含めて多くのメリットがあるため、オススメです。