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喀痰吸引の実務者研修とは?必要な研修やその費用、試験について徹底解説!

2023-03-25

2017年(平成29年)から、介護福祉士国家試験の受験要件が見直され、『実務者研修』の修了が必須となりました。

研修内容に、『喀痰吸引』等の学習が含まれることから、「実務者研修を修了していれば喀痰吸引が実施できるの?」と思われがちですが、必ずしもそうとはかぎりません。

今回の記事では、『実務者研修修了者が喀痰吸引を実施できるようになるには』といったことについて、詳しく解説します。

実務者研修を終了したら喀痰吸引はできるのか

利用者やその家族のニーズに対応すべく、2012年(平成24年)度の『社会福祉及び社会福祉法』の改正により、特定の介護福祉士にかぎり喀痰吸引等が可能となりました。

ですが、実務者研修を修了しただけでは喀痰吸引等を実施することができません。

研修には『医療的ケア』という科目が存在し、その過程で喀痰吸引や経管栄養を学習する必要がありますが、実務者研修で学べるカリキュラムはあくまで『基本研修』にあたる範囲です。

利用者に対して喀痰吸引を実施する場合には、基本研修にプラスして、『実地研修』を修了している必要があります。

そのため、実務者研修を修了しているだけであったり、介護福祉士の資格を有しているのみでは喀痰吸引を行うことができません。

参考:厚生労働省

実務者研修の修了で免除されること

実務者研修の修了だけでは現場での喀痰吸引ができない一方で、実務者研修を修了していることで得られるメリットも存在します。

2017年以降に介護福祉士の試験を受け、その過程で実務者研修を修了している方であれば、『喀痰吸引等研修』における基本研修の受講が免除となります。

また、就業先が『登録喀痰吸引等事業者』の場合、就業先で実地研修を受講することで喀痰吸引の資格を取得することも可能です。

また、喀痰吸引等研修の修了者であれば、実務者研修における医療的ケアの受講が免除が受けられます。

そのため、一方の研修を修了している方であれば、キャリアアップの面から考えて、どちらの研修も受講しておくことがオススメです。

喀痰吸引を行うために必要な研修

喀痰吸引を行うためには実地研修を修了していなければなりません。

実務者研修を修了している方であれば、実地研修の受講にはいくつかのルートが存在しており、主な受講方法は、

①喀痰吸引等研修を受講する

②施設や病院で実地研修を受ける

の2つとなっています。

ここからは、喀痰吸引を行うために必要な研修について、それぞれ2通りの方法を紹介します。

①喀痰吸引等研修を受講する

1つ目の方法としては、各都道府県に登録された、『登録研修機関』にて喀痰吸引等研修を受講するものです。

実施可能な行為と対象となる利用者によって、研修の種類も3つに分類されています。

第1号研修・第2号研修・第3号研修と、それぞれ実地研修の内容や対応できる範囲も異なってくるため、自分にとって適した研修を受講するようにしてください。

基本研修

実地研修

対象者

第1号研修

免除

・喀痰吸引(口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内)

・経管栄養(胃ろうまたは腸ろう、経鼻)

不特定多数

第2号研修

免除

・喀痰吸引(口腔内・鼻腔内)

経管栄養(胃ろうまたは腸ろう)

不特定多数

第3号研修

免除なし

・喀痰吸引(口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部)

・経管栄養(胃ろうまたは腸ろう・経鼻)

特定の利用者

参考:厚生労働省

第1号研修

喀痰吸引等研修の中で、実施できる行為が最も多いのが第1号研修です。

対象となる利用者も『不特定多数』と幅広いため、施設等で働く介護職員で今後スキルアップを目指している方にオススメします。

その分、研修の難易度も比較的高く、研修修了までにかかる時間も長くなってしまうことがデメリットといえるでしょう。

第2号研修

第2号研修を修了することで行える行為は、口腔や鼻腔内の喀痰吸引と、医療機器を用いた経管栄養となっています。

第1号研修と同様、対象者に制限はなく、1度取得していればさまざまな場面で活躍できるようになるのがポイントです。

ですが、第1号研修に比べ実施できる行為に限りがあり、受講する前には就業先等で必要とされているスキルを事前に確認しておくのが無難でしょう。

第3号研修

第3号研修では、特定の利用者に対して、必要な行為のみを実施できるようになります。

対象となるのは主に、筋萎縮性側索硬化症(ALS)や筋ジストロフィー、または重度の心身障害を患っている利用者で、個別性の高い行為が実施できるようになるため、より専門性のある領域で活躍したい方にオススメです。

一方で、利用者や実施できる行為も限定されているため、介護現場における全体的なニーズという面では上記2つに若干劣ります。

②施設や病院で実地研修を受ける

実地研修を受講する2つ目の方法は、施設や病院に直接申し込むことです。

喀痰吸引等研修に比べ費用を抑えられる傾向がありますが、施設や病院によっては実地研修に対応していないケースもあるため、HPや電話で問い合わせるなどして、事前にチェックしておく必要があります。

また、実地研修が受講できるのは、『登録喀痰吸引等事業者』として認可を受けている施設に限られるため、その点にも注意が必要です。

喀痰吸引等研修の基本研修

第1号研修と第2号研修の場合、喀痰吸引等研修の基本研修は、50時間の講義と5項目の演習に分けられ、さらに救急蘇生法の演習を1回以上受講しなければなりません。

実務者研修を修了している方であれば上記の受講が免除となりますが、未経験の方であれば基本研修から履修する必要があります。

第1号・第2号基本研修

時間・回数

講義

50時間

演習

5項目の演習を5回以上

また、第3号研修の場合、実施できる行為や対象が制限されているため、講義8時間に演習1時間と、第1号と第2号研修に比べ短い期間で修了することができます。

第3号基本研修

時間・回数

講義

8時間

演習

1項目を1時間

参考:厚生労働省

喀痰吸引の研修費用

喀痰吸引の研修に必要となる費用相場は、第1号研修・第2号研修の場合で、約6万~20万円。第3号研修では、おおよそ2万~6万円とされていることが一般的です。

上記のように、喀痰吸引の研修費用は受講する施設や病院によって大きく異なるので、あらかじめ費用相場を把握しておくことが重要となります。

また、基本研修が免除される場合の費用は2万~3万円程が目安となっており、さらに就業先で実地研修を受講する場合、より費用を抑えられる傾向があります。

喀痰吸引の試験について

喀痰吸引を実施するためには、基本研修修了後の『筆記試験』と、その後、規定の医療行為を定められた回数受講する『実地研修』を修了する必要があります。

第1号研修と第2号研修の場合、それぞれの合格ラインは以下の通りです。

・筆記試験:9割以上の正当

・実地研修:累積成功率70%以上・最終3回の行為を連続で成功させること

第3号研修の場合、上記同様の筆記試験に合格した後、こちらも同じく実地研修を受講する必要がありますが、回数の規定はなく医師等の評価による基準が設けられています。

・実地研修(第3号研修):受講者が習得すべき知識やスキルを修得したと認められるまで

まとめ

今回は、実務者研修修了者が喀痰吸引を行うために必要となる研修や、研修内容を紹介しました。

高齢化が進む現代、介護現場における『喀痰吸引』の需要は今後さらに高まることが予想されます。

利用者の安全確保や自分自身のキャリアアップのためにも、喀痰吸引のスキルはなるべく早い段階で身につけておくことをオススメします。

 

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喀痰吸引等研修の受講を検討しているものの、どのような研修を受講したらよいかわからない方向けの資料です。
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