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認知症は要支援区分に該当する?認定の基準や利用できるサービスについて徹底解説!

認知症は身体機能に問題がないため、要支援・要介護が出ないと思っているかもしれません。

そのため、今回は認知症でも要介護度が出るのかだけでなく、認定調査員による聞き取り時のポイント、要介護度が不服時の対応など詳しく解説します。

認知症の介護度区分は要支援になる?

認知症が原因でも要支援になります。

国内における認知症高齢者の数は、「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」では、65歳以上の認知症患者数は2020年に約602万人、2025年には約675万人と5.4人に1人程度が認知症になることから今まで以上に認知症における要支援が増えると思われます。

参考:内閣府

その要支援・要介護の要介護度は「自立」「要支援1〜2」「要介護1〜5」の8段階に分かれ、日常生活を過ごすにあたって、どれくらいの介助を必要とするかで介護度が変わります。

具体的な身体状況と介護にかかる時間の目安は下記になります。

区分

心身状態

介護にかかる時間

自立

日常生活に支援・見守りの必要がない。

要支援1

基本的な日常生活は自分で行えるが、一部動作に見守りや手助けが必要。

25分以上32分未満

要支援2

筋力低下があり歩行・立ち上がりが不安定なため、介護が必要になる可能性が高い

32分以上50分未満

要介護1

日常生活や立ち上がり、歩行に一部介助が必要。認知機能低下が少しみられる。

要介護2

要介護1よりも日常生活動作に介助を要し、認知機能の低下もより低下している。

50分以上70分未満

要介護3

日常生活において、全体的に介助が必要。立ち上がりや歩行には杖・車椅子などを使用している。認知機能が低下しているため見守りが必要。

70分以上90分未満

要介護4

要介護3以上に介助が必要で、思考力や理解力の低下も著名

90分以上110分未満

要介護5

日常生活において全て介助が必要で、コミュニケーションを取るのも難しい。

110分以上

参考:厚生労働省

認知症の重さや進度が要支援と要介護の分かれ目

上記で解説した、具体的な身体状況と介護にかかる時間の目安から分かるように、認知症の重さや進度が早くなると要支援ではなく、要介護と認定されます。

実際、認知症の症状が明確に出ているかどうかが、要介護認定の要支援2と要介護1の分かれ目となっています。

ここでは、具体的な認知症の症状と要介護度の目安について解説します。

①認知症はあるが正常な判断が行える場合

認知症での要支援の目安としては、認知症の症状があっても日にちを忘れるなどの軽度の状態になります。

そのため、認知症の症状はあるものの、正常な判断が行える場合では要支援2〜要介護1と判定される可能性が高くなります。

②認知症により理解力や判断力が低下している場合

認知症が原因で理解力や判断力が低下している場合は要介護3と認定される方が多い傾向です。

厚生労働省によると、要介護3の認定を受けた方が、なぜ介護が必要となったかの主な原因の1位は認知症となっています。

参考:厚生労働省

要介護3の場合、認知症の症状によって徘徊・妄想などの行動が見られることが多くなるため、常時の対応が必要な場合もあります。

また、認知症による徘徊する方に対応するため、要介護3では徘徊感知機器のレンタルもできるようになります。

参考:厚生労働省

③認知症により暴言や暴力が出ている場合

認知症による暴言や暴力が出ていると、要介護3よりも認知症が進行していると判断されるため要介護4と認定される傾向です。

この状態まで認知症が進行すると、問題行動を起こし常に介護者が側にいなければならない場合も多いため、施設に入居する方も多くなります。

認知症で正確な介護度認定を受けるためのポイント

認知症は身体状態とは異なり、目に見えないだけでなく日によって症状の差もあります。

そのため、認知症で正確な介護度認定を受けるためには下記のポイントを押さえておくことが重要です。

①日頃の様子の記録を付ける

介護認定調査は、各市区町村の介護保険課に申請を行うことで、調査員が訪問して普段の状況を聞き取り調査します。

介護認定調査を受ける際、思っていることを上手く伝えることができない場合があります。そのため、聞き取り調査の際に突然質問されても返答できるように、日頃の様子の記録を付けておくことが重要です。

認知症の症状が重く自分で記録を付けられない場合は家族など周囲の人が代わりに記録しておくようにしましょう。

特に認知症の場合は、普段は暴言や暴力が出ている場合でも、介護認定調査時は穏やかに過ごす場合もあるため、普段からなるべく詳細な内容を記録しておきましょう。

②医師に意見書を書いてもらう

要介護認定は、訪問による聞き取り調査と、全国一律の様式を用いて医師が記載する「主治医の意見書」で判断されます。

この意見書は、介護の必要性がどの程度になるのかを医学的観点から判断するためで、本人の疾病や負傷の状態などが記載されます。

その他にも、日常生活の自立度、認知症の症状の有無、筋力の低下などについて身体の細かな状態まで幅広く記入する項目があるため、なるべく本人の状態を理解した医師に書いてもらいましょう。

もし、かかりつけ医がいない場合でも、市区町村が指定する医師の診察を受けて意見書を記入してくれます。

③必要と推定される介護の内容を伝える

要介護度は、身体状況と介護にかかる時間の目安で概ね判断されますが、それ以外にも認定調査票の特記事項である自由記載されている内容も判断材料の1つになります。

そのため、日常生活において困っている動作とそれに伴って必要と推定される介護の内容を認定調査員にしっかり伝えましょう。

介護度認定は再審査を受けることができる

介護認定は1度決まっても、自分が思っていたよりも要介護度が軽いなど、納得がいかないという場合は、都道府県に設置されている「介護保険審査会」に審査請求をすると、認定結果が妥当であるかどうかの再審査を受けることができます。

再審査の主張が認められた場合は、市区町村の決定の全部、あるいは一部が取り消され、要介護認定をやり直すことになります。

ただ注意点としては、申請期限は、認定結果の通知を受けた翌日から3カ月以内という点です。

この期間を過ぎると審査請求を受け付けてもらえないので注意が必要です。

また、審査の結果は出るのが遅く、申請から数ヶ月待つことになる場合もあります。

まとめ

認知症であっても、要支援・要介護の認定を受けるケースは多いです。

認知症が重くなると介助が外せない状態になるため、場合によっては要介護4・5が出る場合もあります。

要介護度を受けることができれば、さまざまな介護サービスを使用でき、本人だけでなくご家族の負担も大きく減らすことができるため、気になる場合は介護度認定を受けることを検討してみてください。