訪問介護サービスは、利用者やご家族にとって生活の強いサポートになるサービスです。
今回は、訪問介護の介護度に合わせた利用方法をお伝えします。
要介護と要支援の違いを整理しながら、訪問介護のサービス活用に役立ててください。
目次
訪問介護サービスを利用できるのは「要介護1〜5」の認定を受けた人になります。
自力での生活が難しく、日常生活を送る為に人の介助を必要とする人が要介護1〜5に認定されます。
そのため、基本的には独力で生活が可能と判断されている「要支援1〜2」の人は、訪問介護を受けることができません。
また「要支援1・2」の認定を受けた人は「介護予防訪問介護」というサービスが利用できます。
要支援と要介護の違いは、どれだけ介護を必要とするかの度合いになります。
具体的には、身体状況や利用できるサービスなどに違いがあります。
下記の表は、要支援と要介護の主な違いになります。
要支援1~2 | 要介護1~5 | |
状態 | 多少の支援や部分的な介助が必要 | 日常生活全般において介護が必要 |
状態区分 | 要支援1・2 | 要介護1~5 |
利用できるサービス | 介護予防サービス | 介護サービス |
サービス利用開始の手続き | 地域包括支援センターで介護予防ケアプランを作成 | 担当ケアマネジャーがケアプランを作成 |
訪問介護が受けられる | × ※介護予防訪問介護がある | ○ |
自己負担額 | 下記「1か月あたりの支給限度額」参照 |
参考:厚生労働省
要支援とは日常生活の基本的な動作は自力で行えますが、負担の大きい家事などは多少の支援が必要な状態のことを言います。
要支援1は、要介護認定の中では最も軽度の状態になり、生活動作に多少の手助けや見守りが必要な状態です。
また、要支援2では生活動作に部分的な手助けを必要とする状態になります。
要介護とは日常生活でのあらゆる動作が困難になり、介護が必要な状態のことを言います。
また、介護度により身体状況が異なり、介護度が上がるにつれて、より介護が必要な状態です。
介護度1が一番軽く、介護度5になると生活動作の多くを一人で行うのが困難な状態になります。
要支援の介護予防サービスや要介護の介護サービスには、介護保険が適用されます。
介護保険は、原則1割(所得に応じて2〜3割)の自己負担額で利用することができますが、要介護度によって支給限度額が決められており、自己負担額が異なります。
下記の表は、介護度別での居宅サービスの1ヶ月あたりの利用限度額です。
要支援1 | 50,320円 |
要支援2 | 105,310円 |
要介護1 | 167,650円 |
要介護2 | 197,050円 |
要介護3 | 270,480円 |
要介護4 | 309,380円 |
要介護5 | 362,170円 |
参考:厚生労働省
限度額を超えてサービスを利用した場合は、超えた分が全額自己負担となります。
下記は、要介護で受けられる「訪問介護」と要支援で受けられる「介護予防訪問介護」の主な違いをまとめた表です。
介護予防訪問介護 | 訪問介護 | |
利用できる条件 | 要支援1・2 | 要介護1~5 |
利用目的 | 要介護状態への予防と自立への支援 | 利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送る |
料金 | 利用回数により異なる | 介護度により異なる |
利用制限 | 要支援1の場合は週2回まで | 介護度により異なる |
サービス内容 | 主に生活援助を重視したサービス | 訪問介護員による身体介護や生活援助など |
参考:厚生労働省
また、詳しくは近くの市区町村の相談窓口や地域包括支援センターで相談できます。
訪問介護で受けられるサービスは、主に下記の3つです。
・身体介護
・生活援助
・通院時の乗車・降車介助
そのなかでも特に良く使われる「身体介護」と「生活援助」の内容についてご説明します。
身体介護は、利用者の身体に直接触れて行う介助サービスです。
主に、下記のような内容になります。
・食事介助…調理・摂食・口腔ケアなど
・入浴介助…入浴の準備を含む入浴支援
・身体整容…衣服の着替えの支援
・体位変換…寝返り介助などの支援
など
生活援助は、利用者の日常生活を支援する目的で行われます。
主に下記のような内容になります。
・掃除や洗濯、料理などの家事
・日用品など買物サポート
・薬の受け取り
など
訪問介護には「2時間ルール」が存在します。
2時間ルールとは、同じ家庭に訪問介護サービスを1日に2回以上提供する場合、サービス提供の間隔を2時間以上空けなければいけないという規則のことです。
すなわち、1日に2回以上サービスを利用する場合は、原則2時間以上の間隔が必要です。
今回は「訪問介護は要介護1以上が必要!要支援が受けられる介護予防訪問介護も解説!」について、解説しました。
訪問介護は、利用者の在宅生活に大きな役割を持っています。
利用者がいつまでも可能な限り自立した生活が送れるように、訪問介護サービスをうまく活用していきましょう。