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生活援助従事者研修と初任者研修の違いは?各々の資格取得後のキャリアや給与について徹底解説!

介護職としての経験が少ない人でも目指しやすい資格に、生活援助従事者研修と介護職員初任者研修があります。

特に生活援助従事者研修は比較的新しい資格であるため、介護職員初任者研修とどう違うのかよく分からないという方もいることでしょう。

本記事では、それぞれの資格を取得することで仕事内容や給与にどのような変化があるのか、また研修時間の違いについて解説します。

生活援助従事者研修とは

生活援助従事者研修とは、訪問介護において掃除や洗濯、調理といった生活援助サービスを専門に行う人材を育成するための研修です。

介護需要の増加やそれに反する介護現場の人材不足を背景に、生活援助サービスの担い手を増やすことを目的として、2018年4月に新設されました。

生活援助従事者研修は誰でも受講することができ、介護に関する基礎知識を比較的短時間で学べることから、介護職としての経験がない方でも取得しやすい資格と言えます。

生活援助従事者研修についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

生活援助従事者研修とは?目的や対象者・資格の取り方まとめ!

介護職員初任者研修とは

介護職員初任者研修とは、介護業務において必要となる介護の基礎的な知識や技術を学ぶ研修です。

2014年4月に、ホームヘルパー2級の後継となる形で新設されました。

訪問介護事業所で訪問介護員として利用者の身体介護を行うのであれば、介護職員初任者研修以上の資格を有することが求められます。

介護職員初任者研修の取得によって給与面や就職の際にもメリットがあります。

これから介護業界でキャリアを積んでいこうと考えるのであれば、まず取得しておきたい資格です。

介護職員初任者研修についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

介護職員初任者研修とは?無料で受ける方法や働きながら取得する方法について徹底解説!

生活援助従事者研修と介護職員初任者研修の違い

生活援助従事者研修と介護職員初任者研修は、共に介護の基本的な知識を学びます。

実際に、2つの資格の研修科目はほとんど同じです。

生活援助従事者研修の上位資格が介護職員初任者研修であるとも言えますが、両者には次の3つの違いがあります。

①資格取得後にできること

②給与

③研修時間

この3点について、それぞれの資格の違いを確認していきましょう。

①資格取得後にできることが違う

まず第一に、資格取得後にできることが異なります。

できること

生活援助従事者研修

掃除や洗濯、調理などの生活援助

介護職員初任者研修

生活援助および身体介助

訪問介護事業所において、訪問介護先で利用者の身体介護を行うには、介護職員初任者研修が必須です。

生活援助従事者研修の取得者ができるのは日常生活の援助に限られ、身体介護を行うことはできません。

日常生活の援助とは、掃除や洗濯、調理、買い物の代行などを指します。

一方、介護職員初任者研修を取得した場合、生活援助に加え、利用者の身体に触れる身体介助を行うことができるようになります。

食事や入浴、排泄の介助、通院・外出介助などが具体的なサービス内容となります。

②給与が違う

生活援助従事者研修の取得後と介護職員初任者研修の取得後では、給与にも差が出てきます。

厚生労働省が令和2年度に行った介護従事者処遇状況等調査結果によると、介護職員初任者研修を取得した場合の平均給与は310,560円と報告されています。

参考:厚生労働省

生活援助従事者研修を取得した場合の平均給与についての明記はありませんでしたが、生活援助従事者研修修了者は生活援助を専門に行うため、身体介護を行う介護職員初任者研修修了者と比較すると給与は低くなることが一般的です。

平均給与

生活援助従事者研修

275,920円(保有資格なしの場合と同程度)

介護職員初任者研修

310,560円

これは、生活援助よりも身体介護の介護報酬のほうが高く設定されているためです。

保有資格を持たない場合の平均給与が275,920円と報告されているため、同程度と考えてよいでしょう。

③研修時間が違う

生活援助従事者研修と介護職員初任者研修の研修科目はほとんど同じですが、研修時間は異なります。

研修時間

生活援助従事者研修

59時間

介護職員初任者研修

130時間

生活援助従事者研修の研修時間が59時間であるのに対し、介護職員初任者研修の研修時間は130時間です。

それぞれのカリキュラムおよび研修時間は以下のようになります。

生活援助従事者研修

介護職員初任者研修

職務の理解

2時間

6時間

介護における尊厳の保持・自立支援

6時間

9時間

介護の基本

4時間

6時間

介護・福祉サービスの理解と医療との連携

3時間

9時間

介護におけるコミュニケーション技術

6時間

6時間

老化と認知症の理解

9時間

老化の理解

6時間

認知症の理解

6時間

障害の理解

3時間

3時間

こころとからだのしくみと生活支援技術

24時間

75時間

振り返り

2時間

4時間

合計

59時間

130時間

参考:厚生労働省

多くの科目において介護職員初任者研修のほうが研修時間が長く、より深い内容を学べることがうかがえます。

特に、「こころとからだのしくみと生活支援技術」においては51時間もの開きがあり、その差が顕著です。

なお、これらのカリキュラムとは別に、それぞれ終了評価として筆記試験があることも頭に入れておいてください。

生活援助従事者研修を修了していると介護職員初任者研修の一部が免除になる!

前項にて、生活援助従事者研修と介護職員初任者研修の研修時間は異なることを解説しました。

ただし、研修科目は同じであるため、生活援助従事者研修の修了者が介護職員初任者研修を取得する場合、すでに受講した59時間分の研修内容は免除となります。

参考:厚生労働省

つまり、130時間の研修時間のうち、残りの71時間分を履修することで、介護職員初任者研修の取得が可能です。

すでに生活援助従事者研修を修了しているのであれば、介護職員初任者研修の取得も目指しやすいと言えます。

まとめ

生活援助従事者研修も介護職員初任者研修も、誰でも受講することができ、比較的短時間で取得できる資格です。

ただし、介護職員初任者研修のほうが研修時間が長く、資格取得後に訪問介護における身体介護も行えるようになることから、より高い給与を得ることが期待できます。

自身のキャリアプランを見据えたうえで、それぞれの資格の取得を検討してみてください。