「ホームヘルパーを利用したいけど、料金が知りたい」
「介護度の違いでどれだけ負担が変わるの?」
など、これからホームヘルパーの依頼を考えている方は、実際にかかる料金やシステム体系が気になるところではないでしょうか?
そこで、今回の記事では、ホームヘルパーの料金相場や、訪問介護で利用可能な減額制度、ホームヘルパーのメリットなどについて解説します。
目次
ホームヘルパーのサービスが受けられるのは、介護保険制度に基づく要介護認定を受けた方が対象です。
利用する際にかかる料金は、下記の条件によって変動します。
・サービス内容
・介護度の度合い
また、サービス時間によっても変動したり、その他、交通費やキャンセル料がかかる場合があります。
サービス内容は、主に次の3つになります。
・身体介護
・生活援助
・通院等乗降介助サービス
上記などのサービスと時間を掛け合わせることで、料金相場が算出されます。
下記の表にサービス内容と時間の実質負担額をご紹介しますので、参考にしてください。
なお、自己負担額の目安は、介護保険1割適用で記載しています。
サービス内容 | 所要時間 | 自己負担(1割) |
身体介助 | 20分未満 | 165円 |
20分以上30分未満 | 248円 | |
30分以上1時間未満 | 394円 | |
1時間以上1時間半未満 | 575円 | |
生活援助 | 20分以上45分未満 | 181円 |
45分以上 | 223円 | |
通院時の乗車・降車等介助 | 1回 | 98円 |
参考:厚生労働省
次に、介護度の違いによる料金をお知らせします。
下記の表に介護度の度合いによる料金を記載しますので、参考にしてください。
月に1回あたり | |
介護度1 | 3,420円 |
介護度2 | 3,370円 |
介護度3 | 3,230円 |
介護度4 | 3,170円 |
介護度5 | 3,390円 |
参考:厚生労働省
負担割合については、変動する可能性もあるため、サービスを受けられる際は介護サービス概算料金の試算で、月に利用する回数とともに料金を確認しましょう。
下記に、主なホームヘルパーで利用可能な減額制度をご紹介します。
①高額介護サービス費
②社会福祉法人等による低所得者の利用
それぞれどのような条件で減額されるのか、内容を確認していきましょう。
高額介護サービス費とは1ヵ月に支払った利用者負担の合計が、所得に応じて区分された上限額を超えた場合、超えた分が払い戻される制度です。
支給を受けるためには、市区町村に申請する必要があります。
令和3年8月から負担能力に応じた負担を図る理由で、一定年収以上の高所得者世帯について負担限度額の見直しを行いました。
下記の表を参考にしてください。
令和3年8月~ | 区分 | 負担の上限額(月額) |
新設 | 課税所得690万円(年収約1,160万円)以上 | 140,100円(世帯) |
新設 | 課税所得380万円(年収約770万円)~690万円(年収約1,160万円)未満 | 93,000円(世帯) |
市区町村民税課税世帯~課税所得380万円(年収約770万円)未満 | 44,400円(世帯) | |
世帯の全員が市町村民税世帯非課税 | 24,600円(世帯) | |
市町村民税世帯非課税で公的年金等収入金額+その他の合計所得金額の合計が80万円以下 | 24,600円(世帯) 15,000円(個人) | |
生活保護を受給している方等 | 15,000円(個人) |
参考:厚生労働省
介護保険サービスの提供を行う社会福祉法人等が、低所得で特に生計が困難な人に対して、利用者負担額を軽減するシステムです。
介護保険サービスの利用促進を図ることを目的としており、軽減の程度は利用者負担の1/4を原則としています。
具体的な利用者は、住民税世帯非課税の人で以下の条件が必要です。
①年間収入が単身世帯で150万円、世帯員が1人増えるごとに50万円を加算した額以下であること
②預貯金等の額が単身世帯で350万円、世帯員が1人増えるごとに100万円を加算した額以下であること
③日常生活に供する資産以外に活用できる資産がないこと
④負担能力のある親族等に扶養されていないこと
⑤介護保険料を滞納していないこと
上記すべてを満たした上で、申請に基づき市町村が認定した方が対象です。
軽減対象者と認定された場合は、市町村から軽減確認証が交付されます。
参考:厚生労働省
ホームヘルパーは介護者やその家族まで、利用することにより生活の大きな味方になります。
次に、ホームヘルパーのメリットをご紹介します。
特に、大きなメリットは次の3つです。
①介護者の負担を軽減できる
②料金は1割負担のため気軽に利用できる
③プロの介護のため安心して頼むことができる
それぞれの内容について、詳しく説明していきます。
いつまでも住み慣れた自宅で生活したい気持ちは多くの方が持っていますが、高齢者になると、少しずつ生活の助けが必要になります。
一般的に高齢者が一人で生活できない部分は、身近にいるご家族が支えて補うことが多くなります。
しかし、支えるご家族にも家族や仕事などやるべきことがあり、高齢者である介護者の毎日の生活を補おうとすると、負担にもなります。
そこで、ホームヘルパーを利用することにより、高齢者が自宅で自立した生活を送りたい気持ちを尊重しながら、それを支えるご家族の負担を減らすことが可能になります。
介護保険サービスのメリットは、全額支払うことなく決められた負担額でサービスを受けることができる仕組みです。
自己負担額が1割ですと、支払うべき額の10分の1の少ない負担になるため、大変便利です。
なお、介護保険を利用する際に以下の場合は、自己負担額が2割もしくは3割負担になるため、確認しておきましょう。
負担割合 | 合計所得(年間) |
2割 | 280万~340万円未満 |
3割 | 340万円 |
また夫婦の場合「年金収入+ほかの所得額」の合計が、年間346万円以上で2割、463万円以上で3割負担になります。
ホームヘルパーの大きなメリットは、家族の負担を減らせることですが、それに加えてサービスを行うスタッフがプロである点です。
プロの介護スタッフは生活援助などをサポートすることはもちろん、介護者の体調の変化や様子の変化に迅速に対応するスキルを持っています。
また、プロのスタッフは高齢者である介護者とのコミュニケーションに関しても高いスキルを持っています。
そのため、介護者が過ごしやすい雰囲気作りも大切にしているため、ご家族も安心してホームヘルパーに任せられます。
今回は、ホームヘルパーを利用する際の料金やメリットなどをご説明しました。
ホームヘルパーは、自己負担額をおさえながらたくさんのメリットを受けられます。
今回お伝えした料金相場を参考にしていただき、今まで以上に介護者自身の自立支援と、ご家族の負担軽減のため、ぜひ利用を検討してください。
また、詳しい情報をお知りになりたい方は、お住まいの市町村や地域包括支援センターなどに気軽に相談してみましょう。