介護のお仕事は、利用者さまに寄り添う姿勢が大切です。とは言え、どうしても相性の合わない利用者さまもいます。
利用者さまのお宅で介護を行う訪問介護では、相性が合わないと大きなストレスを感じてしまうでしょう。
「今日はあの利用者さまの訪問か。行きたくないな」
「今度は、何を言われるんだろう」
そのような考えに囚われていたら、より良いケアの提供は難しいものです。
今回は介護員が利用者宅に行きたくないと感じる理由と、その対処方法について徹底解説します。
本記事を参考に、苦手な利用者さまに対しても適切に対応できるようになりましょう。
訪問介護の仕事内容や働き方について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
訪問介護ってどんな仕事なの?具体的な業務内容や1日のスケジュールを紹介!
訪問介護は、利用者さまのお宅にお邪魔して介護を提供するサービスです。
自分の介護で利用者さまが活き活きとしてきたら、これほどやりがいのある仕事はないでしょう。
そうはいっても、良い面ばかりではありません。中には「訪問介護に行きたくない」と思ってしまう利用者さまもいるでしょう。
訪問介護員はどのような理由で「行きたくない」と感じるのでしょうか。主な理由は下記の3つです。
・介護を拒否されてしまう
・訪問介護の利用者さまや家族と合わない
・訪問介護でできないことを要求されてしまう
一つひとつ見ていきましょう。
利用者さまに介護を拒否されると、自信を無くし仕事が嫌になるものです。
特に入浴や排泄などはデリケートな面があるため、拒否されるのも珍しくありません。介助されることに抵抗のある方だと、なおさらでしょう。
また、認知症の方が相手だと、なぜ拒否されたのかわからない場合も出てきます。
いずれにしろ、自分の介護を拒否されると、自分自身の仕事が否定されているように感じてしまいます。
たとえ介護のプロでも、拒否が続くと精神的にまいってしまいます。
利用者さまや家族と、相性が合わない場合もあるでしょう。訪問介護は生活援助も行います。
たとえば、買い物や掃除、洗濯などですが、それぞれの家庭でやり方や細かいルールは違うものです。
あまりにも訪問介護員と生活に対するスタンスが違いすぎると、利用者さまやその家族との関係がぎくしゃくしてしまいます。
例えば、次のような例が考えられます。
・「料理の味付けが違う」と毎回言われる
・買い物の指示が細かすぎる
・掃除・洗濯の仕方で、小言を言われる
このような状況が続けば、「あの利用者さまの所へは、いきたくない」と思うようになっても仕方ありません。
訪問介護は出来る業務が決められています。しかし、ケアプランにはない業務や、時には利用者さまの家族にも、サービスを提供するように頼まれる場合があります。
そのようなときに「その業務はできない」と伝えられない方も多いでしょう。
また、しっかりと伝えられる方であっても「嫌な空気になるのが、耐えられない」と感じてしまうという場合があります。
訪問介護では、提供できるサービスが決められています。訪問介護で行う家事援助は掃除、洗濯、調理などの日常生活援助に限られます。
商品の販売・農作業等生業の援助的な行為や直接、本人の日常生活の援助に属しないと判断される行為は提供できません。
利用者さまの料理の援助はできても、その家族の食事は用意できないのです。
上記のように「訪問したくない」と思ってしまう利用者さまがいる場合、どのように対処したらいいのでしょうか。
次に、利用者宅に行きたくないときの5つの対処方法をします。
・コミュニケーションを工夫する
・ 尊厳を損なう介護をしていないか見直す
・できない仕事を頼まれた場合はきっぱり断る
・同僚やサービス提供責任者に相談する
・他の訪問介護事業者に転職する
順番に見ていきましょう。
利用者さまと信頼関係を築くために、コミュニケーションを工夫しましょう。
より良い介護を行うためには、利用者さまとの信頼関係を築く必要があります。信頼関係の構築には、コミュニケーションが欠かせません。
どんなにいい介助をしても、表情を変えず、ただ黙々と介助をするだけでは、信頼関係を結ぶことは難しいです。
コミュニケーションは言葉だけではありません。自分自身の感情は、表情や態度などを通して、相手に伝わります。
介助中であっても、明るい表情や声のトーンを意識すると良いでしょう。
自分の介助方法が、相手の尊厳を損なっているのなら、介護を拒否されて当然でしょう。例えば次のような行為は、相手の尊厳を損なう行為です。
・オムツを開いたままその場から離れる
・赤ちゃん言葉を使う
・食事を食べたがらない利用者さまの口をこじ開け、無理に食べさせる
そこまではいかなくても、何気ない一言で尊厳を傷つけてしまう場合もあります。例えば、排泄介助などで「臭い」「またトイレ行くの?」などの発言も、好ましくありません。
介護に携わる方は、尊厳を冒してしまいやすい立場にあると言えます。自分の介助が尊厳を損なっていないか、常に振り返りを行いましょう。
訪問介護の際に「出来ない仕事」を頼まれたら、きっぱりと断りましょう。
訪問介護員はお手伝いさんではありません。
利用者さまの出来ない部分をサポートして、自立を支援する仕事です。
とはいえ「断ると相手を怒らせてしまう」と、躊躇してしまう方もいるでしょう。
「出来ない仕事」を頼まれても引き受けてしまわないないように、サービス提供責任者やほかの職員と共に、出来る業務・出来ない業務の線引きをしておきましょう。
また、上手な断り方なども、職場の勉強会などを通して身につけておくと良いでしょう。
「特定の利用者さまの所へ行きたくない」と感じたら、悩みを抱えたままにせず同僚やサービス提供責任者へ相談しましょう。
同じ悩みを持っている方はいるものです。事業所全体で、悩みを共有して解決策を考えましょう。
決して一人で思い悩まず、上司や同僚に相談すると解決する場合も多いです。
上記の方法を実践しても、残念ながら状況が変わらない可能性もあります。そのときは、ほかの訪問介護事業者への転職も視野に入れましょう。
特にサービス提供責任者が真剣に取り合ってくれない場合は、状況の改善は期待できません。すぐにでも転職をおすすめします。
現在はどこの訪問介護も人手不足です。好待遇で人材を募集しているところも多く、転職先を見つけるのはさほど苦労しません。
状況が変わりそうもないなら、転職を考えてみるのも良いでしょう。
訪問介護で利用者宅に行きたくない理由に関するQ&Aをまとめましたので、是非参考にしてください。
訪問介護を辞めてしまう理由として、以下の6つが挙げられます。
①給与に対する不満
②利用者との人間関係の悩み
③移動の負担
④一人で介護する時の責任・プレッシャー
⑤訪問先の環境が良くない
⑥ステップアップの為
訪問介護員を辞める理由について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
訪問介護を辞めた理由は?最初にするべきこと・対象方法を徹底紹介
訪問介護員のよくある悩みとして、以下の5つが挙げられます。
①介護保険適用外のサービスを頼まれてしまう
②残業がしんどい
③仕事内容が大変なのに、給料が割に合わない
④利用者が新型コロナの感染対策に協力してくれない
⑤利用者から理不尽なことを言われたり、ハラスメントを受けている
訪問介護員のよくある悩みについて詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
訪問介護の仕事に向いている人の特徴として
・コミュニケーション能力がある人
・責任感がある人
・些細なことに気づける人
などが挙げられます。
訪問介護の仕事に向いている人、向いていない人の特徴について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
訪問介護は利用者さまのお宅にお邪魔して、介護サービスを提供する仕事です。
そのため、利用者さまやそのご家族といい関係が築けないと、介護を拒否されたり小言を言われたりと、大きなストレスを抱えながら介護をする事態になってしまう場合も少なくありません。
そうならないためにも、利用者さまやその家族と良好な関係を築く必要があります。
より良いケアを提供するためにも、まずはいつもよりも積極的にコミュニケーションを取ることから始めてみましょう。