訪問介護は利用者さんのご自宅に赴き介助を行う仕事です。
利用者さんのサポートをするというとてもやりがいのある仕事である反面、その分大変なことが多いのも事実です。
今回の記事では、訪問介護を辞めたいと思う理由、辞めたいと思ったときに何をするべきかなどをわかりやすく紹介します。
「今後どうするべきか」を悩んだ際にぜひ参考にして下さい。
目次
訪問介護を辞めた理由について知る前に、訪問介護の具体的な仕事内容や、働き方について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
訪問介護ってどんな仕事なの?具体的な業務内容や1日のスケジュールを紹介!
働いた時間と見合っていないということで、給与に対して不満を持って辞めてしまう方が多いようです。
訪問介護は、移動時間や空き時間が多いのに、実際に働いた時間しか給料に換算されない、利用者側の都合で訪問予定が急遽変更になるなど、「拘束時間が長いわりに稼げない」ことに不満を感じる方も多いのではないでしょうか。
仕事をする中での悩みとしてあげられやすいのは「人間関係」ですが、訪問介護では職場での人間関係だけではなく利用者・利用者の家族との人間関係も含まれます。
更に利用者さんからパワハラ・セクハラを受けることもあるようで実際に「介助中に胸をさわられた!」「利用者から罵声を浴びた!」などがあっても訪問介護は一人で現場にむかっている為、仕事中は誰にも助けを求められない状況です。
このようなハラスメントを受けて、精神的に病んでしまって、辞めるという選択をする方もいるようです。
訪問先への移動は車でも可能ですが、車が入れないような場所にある訪問先に向かう場合は自転車や徒歩で移動することが多いです。
スケジュールの時間管理内に移動時間も含まれている為、かなりタイトスケジュールになったとしても間に合わせないといけないというプレッシャーを感じてしんどくなってしまう事もあります。
更に夏の暑い日でも冬の寒い日でも、時には雨風が強い日でも移動は必ず必要なのでその中を自転車や徒歩での移動は体力的な負担があり、辞めたいと思ってしまうのです。
訪問介護は利用者さんのご自宅を訪ねて一人でサービスを提供するので、その際に起きたトラブルは自分自身で受けることになります。
更に利用者さんから理不尽なクレームをつけられる場合もありますが、その場での対応は自分でしなければいけません。
何かあった時に助けてくれる上司や同僚が同じ現場にいないのはかなりプレッシャーになり、不安に思う人も多いようです。
訪問介護の職場は利用者のご自宅ですが、訪問介護員は自分で訪問先を選べるわけではありません。
利用者さんは介助を必要とされている方なので当然のことですが、掃除が出来ず、部屋が汚れている状態の方も多いです。
その場合、ゴミなどで異臭がする事もあり、介助に集中出来ないという訪問介護員の方もいます。
こうした環境の元で仕事をすることが負担となり、辞めたいと考えることもあるのです。
介助中に身につけたスキルや知識があっても訪問介護の仕事がなければ収入は安定しません。
そこで介護福祉士の資格取得などのキャリアアップをし、次に繋げたいと考える人もいます。
更に介護の仕事は資格により収入に差がでるということもあり、資格取得や他の介護施設で働くことを目標として訪問介護の仕事を辞めようとなる場合があります。
上記のような様々な理由で辞めたいと思ってしまうことは誰にでもありますし、悪い事ではありません。
しかし、その時の感情だけで辞めてしまうと後々後悔してしまう可能性もあります。
ですので、訪問介護を辞めたいと思ったときに最初にするべきことは、辞めたい気持ちが強くなったとしてもまず一度落ち着いて「本当に辞めるべきかをよく考える」事です。
訪問介護は施設と違って、良くも悪くも利用者さん次第で働く環境が大きく変わります。
訪問介護がつらいと感じるのはその時の利用者さんが原因となっている場合も多いです。
訪問先の環境が常に悪いということはなく、優しい方やご自宅がきれいな方、感じよく接してくれる方も多いので、一つの訪問先が理由で辞めてしまうのはもったいないですし、転職先の事業所で同じような利用者さんの担当になった時にまた辞めたいと思ってしまうかもしれません。
こうした事が続くと経歴が伸ばせず、上位資格を取得することも難しくなってしまいます。
先のことを考えると、訪問介護を続けて経歴を伸ばし上位資格を取得する事で、給料や待遇を良くしていく方が賢い選択なのではないでしょうか。
なので、一人の利用者さんとの関係性だけを気にしすぎず他の利用者さんと積極的によりよい関係を築くことに集中しましょう。
職場に不満があるわけではなく、辞めたい理由が訪問先との問題である場合は、サービス提供責任者やケアマネジャーに相談してみましょう。
担当や仕事内容を変えてもらうことで解決することもあります。
何か困っていることや問題がある場合は上司に相談や交渉することがダメだとは思わず、すぐ相談してみましょう。
適切な環境を作り上げることが出来れば双方にとっても良い結果となります。
それでも改善できない場合は無理に留まらず他の職場を探しましょう。
働きやすい環境で仕事をするために、より良い体制が整った職場を探すのも良いです。
一人での移動や介助を負担に感じている方は、二人体制でできる事業所や社用車での移動が可能な事業所を探しましょう。
また、勤務日に訪問介護員を一度は必ず事務所に立ち寄らせている事業所は、訪問介護員の質・人数、どちらも充実している場合が多いです。
そういった職場では、日頃から責任者や同僚とコミュニケーションが取りやすく相談しやすい環境の為、不安やストレスも軽減できます。
訪問介護の仕事をしてみて、介護職に抵抗はないけれど訪問介護の仕事が合わないと感じる事もあると思います。
そんな場合は、通所介護事業所など、ほかの介護施設へ転職して介護士を続けてみても良いかもしれません。
また、収入面で不安があった場合も夜勤のある施設での勤務だと収入アップに期待が出来ます。
そして施設で介護士を続けていくと上位の介護福祉士の資格を受けることも出来るのでスキルアップ、キャリアアップに繋がり更なる収入アップも可能です。
登録ヘルパーをしている場合は別の事業所にも登録し、掛け持ちをして収入を増やすという選択肢もあります。
事業所ごとに利用者さんがいるので、無駄な空き時間を減らして効率良く働くことが出来ます。
自分で予定を調整したり、掛け持ち可能かを今の事業所に確認したりと、やらなければいけないことが増えてしまうのでハードルは少し高めです。
ですが、慣れてしまえばそこまで大変なことではない為、これにより収入面の不安が解消されるのであれば、検討してみる価値は大いにあります。
退職の意思を伝えるのは各施設の就業規則によりますが一般的に、退職希望日の1ヶ月~3ヶ月前とされています。
しかし、どれくらい前に伝えるかに加えてタイミングもとても重要です。
「辞めて良かった」と思える退職のタイミングとしては、「ボーナス支給後」「十分な貯蓄が出来た」という時。
どちらも金銭的な不安を取り除くことに関わってきます。
在職しながら転職先を見つけることが出来たら問題ありませんが、退職後に転職活動を始める場合は数カ月先まで転職先が決まらない可能性もあります。
更に自己都合で退職した場合、雇用保険の失業給付が受けられるのは早くて3カ月後となるので、ある程度貯蓄に余裕のあるタイミングで転職活動を行えるようにしましょう。
訪問介護の仕事に向いている人の特徴として
・コミュニケーション能力がある人
・責任感がある人
・些細なことに気づける人
などが挙げられます。
訪問介護の仕事に向いている人、向いていない人の特徴について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
訪問介護員によくある悩みとして、介護保険適用外のサービスを頼まれてしまうことや、仕事内容が大変なのに、給料が割に合わないなどが挙げられます。
訪問介護員によくある悩みについて詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
退職後に人付き合いを制限する事は出来ないので特に問題ありません。
しかし、事業所のことや仕事で知り得た内容を話すことは時に問題となりますのでご注意ください。
まずは上司に相談して下さい。利用者さんにも「やめて下さい」とハッキリ伝えてもいいぐらいです。
相談して訪問先を変えてもらうことは可能だと思いますが、もし「我慢しなさい」という職場ならすぐに辞めた方が良いです。
基本的に退職願を出して、受け取ってもらえなくても法的には提出後2週間を過ぎたら退職できます。
それでも何か言ってくるようであれば労働基準監督署に行きましょう。
「一身上の都合」と伝えて大丈夫です。
「辞めたいです」という伝え方ではなく「辞めます」としっかり意思表示をして伝えるようにしましょう。
訪問介護を辞めたいと思う理由、辞めるべきタイミングなどをご紹介しました。
訪問介護はやりがいのある仕事ですがその反面、とても大変な仕事ですので辞めたいと思ってしまうのは仕方がないと思います。
ですが、辞めたいと思ったときに勢いで辞めてしまうのではなく、まずは問題解決の為にできることを考えてみましょう。
考えた上でどうしても辞めたい場合は、本記事を参考にして頂き、辞めるのにベストなタイミングを選んで下さいね。