令和7年度の補正予算(令和7年12月16日成立)により、「介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業」が実施されることになりました。
物価高騰や他産業との賃金格差による人材流出を防ぐための「緊急的対応」として政府が決定したもので、令和8年6月には処遇改善加算の報酬額をあげることが決定していますが、これを待たずに補助金として私たち事業所に対し実施されるものです。
2月に入り、続々と都道府県が申請について詳細を案内し始めている為、情報収集に注意が必要です。
令和8年1月21日付で厚生労働省より介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業に関するQ&A(第1版)が発出されました。国から都道府県にあてているものであるため、一部介護事業所にとっては必要のない設問も有りますが、以下の通り解説します。
引用:厚生労働省介護保険最新情報「介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業に関するQ&A(第1版)」Vol.1462令和8年1月21日の送付について

令和7年度 介護分野 処遇改善補助金 Q&A 問8~問17

令和7年度 介護分野 処遇改善補助金 Q&A 問18~問23
(答)各書類の提出受付開始時期・提出期限については、各都道府県において、事業スケジュールを踏まえ、適切に設定することとしている。
解説:こちらは提出期限についての内容です。
『各都道府県において、事業スケジュールを踏まえ、適切に設定することとしている。』という返答となっていますので、全国一律で決まった日付ではなく、各都道府県が現実的に可能な日付で申請期日を定めるということになっています。
申請受付回数にも決まりが無いため、定められた期間内で2回申請を受け付ける都道府県、1回だけの都道府県等違いが出ることになります。
(答)令和8年3月末までに補助金の支給を受けた場合、令和7年12月から令和8年3月末までの間に賃金改善や職場環境改善を行う必要がある。令和8年4月以降に補助金の支給を受けた場合、令和7年12月から各自治体が定める実績報告書の提出の期限までの間に行う必要がある。
なお、賃金改善は、介護サービス事業所等に対する緊急支援という補助金の趣旨を鑑み、可能な限り速やかに実施していただきたい。
解説:このQ&Aは賃金改善や環境改善を行う「期間」についてです。
賃金改善・職場環境改善の実施期間スタート時期は共通ですが、
完了期限が「補助金を受け取るタイミング」によって異なります。
開始時期:令和7年(2025年)12月からスタート可能です。
完了期限:補助金が事業所に入金される時期によって、以下の2パターンに分かれます。
1.令和8年(2026年)3月末までに入金した場合:令和8年(2026年)3月末まで賃金改善と環境改善を行う
2.令和8年(2026年)4月以降に入金した場合:都道府県が決めた「実績報告書」の提出期限までに賃金改善と環境改善を行う
(答)本事業は、原則、令和7年12月にサービスを提供している介護サービス事業所等を対象とし、これらの事業所等における基準月は、原則、令和7年12月とする。
その上で、都道府県の事業実施スケジュールによっては、以下の例外的な取扱いが可能となる場合がある。
・令和7年12月にサービスを提供している介護サービス事業所等について、大規模改修や感染症まん延等のやむを得ない事情により令和7年12月の報酬が著しく低い場合や、令和7年12月サービス提供分が月遅れ請求となった場合、介護サービス事業所等の判断で令和7年12月から令和8年3月までのいずれかの月を基準月として選択すること。
・令和8年1月から3月までに新規開設された介護サービス事業所等を事業の対象とすること。この際、基本的に初回サービス提供月を基準月とすることを想定しているが、初回サービス提供月のサービス提供日数が著しく少ない等の場合には、介護サービス事業所等の判断で初回サービス提供月から令和8年3月までの間の別の月を基準月として選択することは差し支えない。
なお、これらの例外な取扱いにより、令和8年1月から令和8年3月までのいずれかの月を基準月とする場合においても、申請事務の円滑化のため、その際、都道府県にその事由を届けることは不要とする。
上記のとおり、都道府県により対応が異なる場合があるため、各都道府県の実施要綱等を確認されたい。
解説:対象事業所と「基準月」の決め方についてです。
補助金の額を決めるために、「どの月のデータを基準にするか(基準月)」というルールです。
1.基本ルール(ほとんどの事業所)
対象:令和7年(2025年)12月にサービスを提供している事業所
基準月:「令和7年12月」を選びます。
2.特例ルール
都道府県のルールによりますが、以下の事情がある場合は例外が認められることがあります。
ケースA:12月の売上が極端に少なかった場合
理由:大規模な改装工事をしていた、感染症(コロナ等)で休業していた、請求が月遅れになったなど。
対応:令和7年12月~令和8年3月の間で、都合の良い月を選べます。
ケースB:令和8年1月~3月に「新規オープン」した場合
対応:基本は「オープンした月」を選びます。
注意:もしオープンした月の営業日数が少なすぎる場合は、それ以降(3月まで)の別の月を選ぶことは可能です。
(答)事業実施スケジュール等は都道府県により異なるため、都道府県の実施要綱等を確認されたい。
解説:再請求分等についての内容ですが、こちらも問1同様全国一律の決まりはなく、都道府県に判断がゆだねられています。
(答)各要件への対応状況について、一律資料を提出することは求めない。ただし、各介護サービス事業所等において、根拠資料を用意し、都道府県の求めがあった場合には、速やかに提出することとする。根拠資料の保存期間は2年間とする。
解説:申請にあたって必要となる添付書類についてです。
こちらも問1,4と同じく全国一律のルールはありませんが、
補助金の支給を受けるための条件が有るため、都道府県から求めが有った場合には速やかに提出出来る様に準備が必要です。
(答)法人本部の職員については、補助金の対象である介護サービス事業所等における業務を行っていると判断できる場合には、賃金改善や職場環境改善の対象に含めることができる。補助金の対象となっていない介護サービス事業所等の職員は、本補助金を原資とする賃金改善や職場環境改善の対象に含めることはできない。
解説:法人本部職員等が補助金の支給対象となるか否かについてです。
結論としては、その事業所(補助金をもらう施設)の仕事をしているかで決定し、例えば法人本部の職員(人事・総務など)であっても、今回の補助金の対象となる事業の業務を行っていれば対象として良いとされています。
対象とされる例:対象施設の採用活動や給与計算などを担当している本部の人は、対象に含めることが出来ます。
対象とされない例:補助金の対象となっていない事業の業務を行う職員
(答)賃金改善は、従業員への基本給等への支給に充てるものであるが、
当該賃金改善に伴い生じる法定福利費等の事業主負担の増加分を含めることも可能である。
解説:法定福利費を含めることが出来るかについてです。