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令和7年度 介護分野の処遇改善補助金について(2025年12月~2026年5月)

投稿日: 2026-02-02

元山 ゆず香

著者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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1.介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業

令和7年度の補正予算(令和7年12月16日成立)により、「介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業」が実施されることになりました。

物価高騰や他産業との賃金格差による人材流出を防ぐための「緊急的対応」として政府が決定したもので、令和8年6月には処遇改善加算の報酬額をあげることが決定していますが、これを待たずに補助金として私たち事業所に対し実施されるものです。

加算ではなく補助金となるため、特例的なルールが採用されています。

算定期間
令和7年12月(基準月)介護報酬額をベースに、半年分(12月〜翌5月分)の補助額を一括して算出し、都道府県を通じて一括で交付されます。

ポイント
①補助金の為利用者負担は無い

②居宅介護支援が対象に含まれる(事業別に補助率は異なる) 
③補助金の算定要件が令和8年6月の処遇改善加算の算定要件となる可能性が高い

2.仕組み

この補助金は「3階建て構造」として周知されています。

1階:介護従事者に対する幅広い賃上げ支援:1.0万円程度

2階:協働化等に取り組む事業者の介護職員に対する上乗せ:0.5万円程度

3階:介護職員の職場環境改善の支援:0.4万円

この階数ごとに算定するための条件(算定要件)が存在し、それぞれの要件を満たすことで補助金を受けることが出来ます。

3.算定要件 

1階部分:介護従事者に対する幅広い賃上げ支援:常勤換算1名あたり1.0万円程度

算定要件:令和7年12月時点で処遇改善加算Ⅰ~Ⅲを算定していること

※ただし、基準月において処遇改善加算を取得していない場合であっても、申請時に処遇改善加算を算定している又は処遇改善加算の算定を誓約した場合は、本補助金の申請要件の審査に当たっては、基準月から処遇改善加算を算定しているものとして取り扱う。

2階部分:協働化等に取り組む事業者の介護職員に対する上乗せ:常勤換算1名あたり0.5万円程度

算定要件:1階の要件に加え、以下のいずれかの要件を満たすこと。

  • 令和7年12月時点ケアプランデータ連携システムに加入していること。

※ただし、基準月において、ケアプランデータ連携システムに加入していない場合であっても、申請時にケアプランデータ連携システムに加入している又はケアプランデータ連携システムの加入を誓約した場合は、本補助金の申請要件の審査に当たっては、基準月からケアプランデータ連携システム加入しているものとして取り扱うこととする。

  • 令和7年12月時点で社会福祉連携推進法人に所属している。

留意点:1階部分の算定要件を満たさない場合、2階部分の算定要件を満たしていても補助金は受けることが出来ません。

3階部分:介護職員の職場環境改善の支援:人件費に充てた場合常勤換算1名あたり0.4万円程度

算定要件:以下いずれかの取組を実施していること。

  1. 介護職員等の業務の洗い出しや棚卸しなど、現場の課題の見える化
  2. 業務改善活動の体制構築(委員会やプロジェクトチームの立ち上げ又は外部の研修会の活動等)
  3. 業務内容の明確化と職員間の適切な役割分担の取組

留意点:2階の要件を満たす事業所は、3階の要件も満たすことになり、1階部分に上乗せして支給されることとなります。

4.支給方法

補助金は、毎月支給される仕組みではなく、令和7年12月から翌年5月までの6か月分を対象期間として、その期間分の補助額をまとめて一括で交付する仕組みが示されています。

令和7年12月分の介護報酬額を基準月として補助額を算定し、対象となる6か月分の補助額を合算したうえで、事業申請を経て交付されます。

このため、12月分から毎月補助金が振り込まれるわけではない点に注意が必要です。

令和8年2月1日現在では、申請のタイミングを6月にかけて2回に分ける都道府県、1回を予定している都道府県等様々ですので、必ず管轄の都道府県のホームページを確認しましょう。

5.交付率

※①が1階部分、②が2階部分、③が3階部分を満たした際の交付率です。①+③の組み合わせが無い理由は、②を満たした場合自動的に③も満たす要件となっているからです。

6.居宅介護支援事業所の補助金額

居宅介護支援事業所についても、交付率15%として本事業の対象サービスとなっています。

ただし、訪問介護や通所介護などの多くの介護サービスとは異なり、支援の仕組みが異なり、3階建て構造ではないことに注意が必要です。

算定要件:次のイ)またはロ)いずれかをみたすこと

イ)以下いずれかを満たすこと

①令和7年12月時点ケアプランデータ連携システムに加入していること

※ただし、基準月において、ケアプランデータ連携システムに加入していない場合であっても、申請時にケアプランデータ連携システムに加入している又はケアプランデータ連携システムの加入を誓約した場合は、本補助金の申請要件の審査に当たっては、基準月からケアプランデータ連携システム加入しているものとして取り扱うこととする。

②令和7年12月時点で社会福祉連携推進法人に所属していること

ロ)基準月において、処遇改善加算Ⅳの算定に準ずる(ア)から(ウ)までの要件を全て満たすこと

(ア)任用要件・賃金体系の整備に定める全て満たすこと。
(イ)研修の実施に定めるすべてを満たすこと。
(ウ)職場環境等要件別紙1表5に掲げる「入職促進に向けた取組」、「資質の向上やキャリアアップに向けた支援」、「両立支援・多様な働き方の推進」、「腰痛を含む心身の健康管理」及び「やりがい・働きがいの醸成」の区分ごとに1以上の取組を実施し、「生産性向上 (業務改善及び働く環境改善)のための取組」のうち2以上の取組を実施すること。

7.申請方法と今後の流れ

本事業の補助金を受給するためには、介護事業所ごとに、所定の手続きを行う必要があります。

申請は、事業所が所在する都道府県知事に対して行い、申請の手続きは大きく分けて3つのステップで構成されています。

STEP 1:「計画書」を提出する

提出内容:補助金の支給要件を満たしているか、また交付された補助金をどのような使いみち(賃金改善や職場環境改善)に充てるかなどを記入した「介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業計画書」を作成します。

提出先:事業所の所在地を管轄する都道府県知事に対して提出します。

作成方法:国が示しているExcel形式の「基本情報入力シート」に情報を入力することで、各様式(別紙様式2-1〜2-3)に情報が自動転記される仕組みになっています。

出典:介護保険最新情報Vol.1454

留意点: 都道府県によって独自の申請様式や提出方法が定められている場合があるため、
必ず
所在地の都道府県のホームページを確認する必要があります。

STEP 2:補助金で賃金改善等を実施する

計画書が受理され、補助金が交付された後、その内容に基づき事業を実施します。

賃金改善: 交付された補助金を使い、計画に沿って介護従事者の賃金改善(基本給、手当、賞与等)を行います。基本給による改善が望ましいとされていますが、手当や一時金との組み合わせも可能です。

職場環境改善: 職場環境改善に取り組む事業所として申請した場合は、研修費や介護助手の募集経費などに充てることができます。なお、この費用を賃金改善に充てることも可能です。

職員への周知: 補助金を申請した事業者は、賃金改善を行う方法などについて、申請書を用いるなどして職員に周知しなければなりません。

STEP 3:「実績報告書」を提出する

提出内容: 補助金を使った結果を「実績報告書」にまとめ、賃金改善の証明書類などと共に提出します。

報告項目: 実際に支払われた補助金の総額、賃金改善に充てた額、職場環境改善に充てた額(研修費、募集経費など)を具体的に記載します。

資料の保管: 計画書の根拠資料、就業規則、労働保険関係の書類などは、実績報告書の提出後保存し、都道府県知事からの求めがあれば速やかに提示できるようにしておく必要があります。

8.具体的な申請受付の時期

実際の申請受付を開始するタイミングは、事業の実施主体である各都道府県によって異なります。

2月1日現在で、愛知県では6月にかけて2回の申請受付を実施を現時点での案として発出しており、法人単位で計画を出すように案内しています。
申請漏れの無いよう、必ず都道府県のホームページを確認しましょう。

9.問い合わせ先

​○制度全般に関しての問い合わせ窓口

厚生労働省コールセンター

電話番号:050-3733-0222(受付時間:9時00分~18時00分(土日含む))

〇申請等に関する問い合わせ窓口

各都道府県が窓口となります。コールセンターが開設される場合もありますので、不明点は問い合わせて解決を図りましょう。

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