現在、利用者の自己負担割合は基本的に介護保険サービス料の1割となっており、この自己負担の割合は所得や世帯構成によって変わり毎年見直しされます。
高所得の高齢者の場合2割または3割になることもありますし、65歳以上の方が1人暮らしなのか夫婦世帯なのかによっても変わってきます。
2021年5月21日に財政制度等審議会の中で『利用者の自己負担』について話し合われました。
財務省の「財政制度等審議会」は21日、財政健全化に向けた施策を提言する報告書(建議)を提出しており、この時点で政府は、閣議決定する今年度の「骨太方針」に反映するよう求めています。
介護分野では利用者の自己負担が話し合われ、現行では全体のおよそ90%の利用者が1割負担となっているところ、“原則2割負担”もしくは2割負担の対象者を拡大するという話が出ました。
高齢化により財政が圧迫する中、介護を継続させるためには介護利用者の自己負担を増やす必要があるという考えです。
また、居宅介護支援のケアマネジメントでも自己負担を徴収すべき(現行は10割給付)と話し合われ、次の2024年度の制度改正をめぐる大きな焦点となる見通しで、「制度の持続可能性を確保するためには、給付範囲の見直しに取り組む必要がある」と明記されました。
居宅のケアマネジメントについては、「制度創設から約20年が経ちサービスが定着し、他のサービスに自己負担があることも踏まえれば自己負担の導入は当然」だとの意見から、「利用者は自己負担を通じてケアプランに関心を持つ。ケアマネジャーのサービスのチェックと質の向上にも資する」とも話し合われています。
ご利用者様の自己負担が増えるとなれば、特定事業所加算にも影響します。
現在は、自己負担が1割の方で1,000円の支払いをしている場合は10%の100円程度プラスですが、2割負担になった場合、自己負担は増える事になるため、連動して加算分の支払いも増える事になります。
現在、大手を中心に特定事業所加算の取得が進んでおり、多くの事業所は2割負担の実施前に取得を完了させる予定の様です。
2024年の制度改正前に、特定事業所加算の取得を終えることが必須です。
以上、2024年に向けた制度改正に向けてのお話をご紹介させて頂きました。
2021年4月には報酬改定が有りましたが、次の制度改正に向けて方向性が出てきています。
今後も方向性についてご紹介して参ります!