訪問介護、通所介護などお役立ち情報・書式が満載

  1. HOME
  2. 介護保険法
  3. 2026年度(令和8年度)「介護報酬臨時改定」が決定!内容と今やるべき3つのこと

2026年度(令和8年度)「介護報酬臨時改定」が決定!内容と今やるべき3つのこと

投稿日: 2026-02-10

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

詳細プロフィール

続きを読む

1. はじめに

「2027年の改定まで、大きな動きはないはずでは?」と思っていた介護現場に、大きなニュースが飛び込んできました。政府は、止まらない物価高騰と、2026年度の診療報酬改定(医療職の賃上げ)との格差を埋めるため、介護報酬の「臨時改定」を実施することを決定しました。

今回の改定は、あくまで「緊急的な賃上げ」に特化したものですが、経営者や事務担当者は「また新しい手続きが必要なのか…」と頭を抱えているかもしれません。

本記事では、発表されたばかりの臨時改定のポイントを整理し、「いつ、誰が、何をすべきか」を分かりやすく解説します。6月のスタートに向けて、今から準備を始めましょう。

2. なぜ今なのか?2026年度(令和8年)「臨時改定」の正体

本来、介護報酬改定は3年に1度(次回は2027年)です。しかし、今年は「臨時」での改定となります。背景には以下の2つの理由があります。

➀他産業との賃金格差の拡大、春闘での大幅な賃上げが続く一般企業に対し、公定価格である介護業界は取り残されがちです。人材流出を食い止めるための緊急措置です。
②医療との連動、2026年は診療報酬(医療)の改定年です。看護師やコメディカルの賃上げが行われる中、連携する介護職の賃金だけが据え置きでは、現場のバランスが崩れてしまいます。

今回の改定は、以前の「介護職員処遇改善支援補助金」のように、将来的に本体報酬(処遇改善加算)に組み込まれることを前提とした、先行実施的な「補助金」が2025年12月から開始しており、今回も要件等が同様に引き継がれる見込みです。

3. 2026年度(令和8年)介護報酬臨時改定のポイント

施行日:2026年6月1日(予定)

改定率:プラス2.03%

処遇改善の拡充:介護職員等処遇改善加算の対象を、訪問看護、訪問リハ、居宅介護支援、介護予防支援へも拡大

賃上げ目標:月額1万円〜1万9000円相当(事業所の定期昇給込み)

食費の基準費用額:物価上昇に伴い、日額100円の引き上げ(2026年8月施行)

その他:生産性向上・ICT・DXの推進、LIFEの活用促進

関連記事

令和7年度 介護分野の処遇改善補助金について(2025年12月~2026年5月)

そして、居宅介護支援が加算の対象となっていることに、大きな注目が集まっています。

4. 加算率と実際の改定賃金

加算率については、2026年度(令和8年)介護臨時報酬改定における改定事項について、社会保障審議会介護給付費分科会にて、令和8年1月17日に取りまとめられました。

今回の改定では、介護職員等処遇改善加算が拡充され、以下の2階建て構造で賃上げが行われます。

  1. ベースアップ分:常勤換算で月1名1.0万円程度(+3.3%)
    介護職員だけでなく、幅広い「介護従事者」が対象となります。

  2. 生産性向上分(上乗せ):常勤換算で月1名0.7万円程度(+2.4%)
    生産性向上や協働化に取り組む事業所に対して、さらに上乗せされます。

これに定期昇給分(0.2万円)を加味し、政府は「合計で最大常勤換算で月1名1.9万円(+6.3%)程度」の賃上げを実現するとしています。

5. 何が変わる?

  1. 既存の「処遇改善加算Ⅰ~Ⅳ」に対し、それぞれ新しい上位区分(加算Ⅰロ、Ⅱロなど)が設定されます。つまり、「ベースアップ分」+「生産性向上分」の両方を取るためには、最上位の区分を取りに行く必要があります。

  2. これまで処遇改善加算の対象外だった以下の職種に、「処遇改善加算」が新設されます。
    訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅介護支援(ケアマネジャー)

6. ハードルが高い?「生産性向上要件」の攻略法

「月1.9万円のアップ」を目指す場合、生産性向上の取り組みが必須ですが、「今からシステム導入なんて間に合わない!」と焦る必要はありません。

令和8年度に限っては、以下の「特例要件(誓約)」が認められています。

特例ルール:加算の申請時点では、「令和8年度中に対応することの誓約」で算定可能です。

具体的な要件内容

訪問・通所系:「ケアプランデータ連携システム」への加入。

施設系:「生産性向上推進体制加算ⅠまたはⅡ」の取得。

つまり、「まずは誓約書を出して加算を取り、年度内にシステム導入(ケアプランデータ連携など)を完了させる」というスケジュールで動けば間に合います。

また、ケアプランデータ連携システムは年間で2万1千円のシステム使用料がかかりますが、加算で入る金額と比較しても、十分加入するメリットが有ると言えます。

7. 忘れないで!事業所が行わなければいけないこと

  1. 重要事項説明書の変更同意介護報酬改定で料金に変更がある場合

    利用者や家族へ重要事項説明書の料金変更案内を行わなければいけません。
    取得する加算によって料金表へ記載すべき内容が変わりますので、どの加算を取得するか早めに判断しましょう。

  2. 体制に関する届けの変更

    加算の変更を届け出る場合、体制に関する届出も行う必要があります。この届出は行政の方で請求に関する情報の根拠にしますので、ここを間違えると正しく請求が通らない可能性があります。

提出前に新たに取る加算はもちろん、これまで算定していた加算の情報にも注意してください。

8. まとめ

今回の臨時改定は、私たち事業所にとっては大きなインパクトがあります。6月(予定)からの算定開始、および8月からの食費改定に向け、以下の準備を進めましょう。

①「新・加算区分」のシミュレーション
現在取得している加算区分から、「生産性向上要件(上乗せ)」を取りに行くかどうかを経営判断する。

②「ケアプランデータ連携システム」等の検討
上乗せ分を取るなら必須です。今のうちにベンダー情報の収集を始めましょう。

➂介護支援専門員・訪問看護部門の規定整備

④新設の加算を取るためのキャリアパス要件等の整備が必要です。
「手続きが面倒だから」と見送れば、月2万円近い給与格差が他事業所とついてしまいます。

カテゴリ・タグ