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【2024年改定対応】栄養アセスメント加算の算定要件やアセスメント手順について徹底解説

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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令和3年に新設された栄養アセスメント加算とは、どのような加算なのでしょうか。新設されたばかりの加算なので、取り入れようか迷っている事業所なども多いのではないでしょうか。

栄養アセスメント加算とは、通所介護を利用されている利用者の食事の栄養面に注目し、低栄養のリスクを改善し、利用者に元気になってもらうための加算です。もちろん、各事業所では利用者の健康面も把握し、健康の維持に努めていることでしょう。ただ、今までの方法ですと、基本となるものがあいまいです。

栄養アセスメント加算を取り入れれば、どの利用者にも、同じようにサービスを提供することが出来ます。今回は、栄養アセスメント加算について詳しく説明していきます。

栄養アセスメント加算とは?

栄養アセスメント加算は、知っているけれど詳しくはわからない、また、もっと詳しく知りたいと思っている方は多いのではないでしょうか。

栄養アセスメント加算の概要は?

令和3年度介護報酬改定の概要によると、栄養アセスメント加算とは、通所系サービス等について、栄養改善が必要な者を的確に把握し、適切なサービスにつなげていく観点から、見直しをおこなう加算とあります。

栄養アセスメント加算とは通所介護事業所が加算の対象になります。デイサービスに通っている利用者の栄養状態を把握し、利用者の栄養状態を評価します。事業所が必要な栄養管理をおこなっていることを評価するための加算です。栄養アセスメント加算は、事業所にとっても、利用者にとっても必要な加算です。

栄養アセスメント加算の算定対象の事業所は?

栄養アセスメント加算の対象事業所は次の5つです。

  • 通所介護(デイサービス)
  • 地域密着型通所介護(小規模なデイサービス)
  • 認知症対応型通所介護(認知症デイサービス)
  • 通所リハビリテーション(デイケア)
  • 看護小規模多機能型居宅介護(看多機)

栄養アセスメント加算の算定要件は?

栄養アセスメント加算をおこなうには、どのようなことが必要なのでしょうか。算定要件を詳しく見ていきましょう。

栄養アセスメント加算の算定要件は?

栄養アセスメント加算の算定要件は以下の3つです。

【算定要件】

  1. 事業所の職員としての管理栄養士、または他の介護事業所や医療機関、介護保険施設、栄養ケア・ステーションと連携して管理栄養士を1名以上配置

  2. 利用者ごとに、管理栄養士、看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種のものが共同して栄養アセスメントを実施し、利用者やその家族に対してその結果を説明し、相談等に必要に応じて対応

  3. 利用者ごとの栄養状態等の情報をLIFE(利用者の介護データを分析し、フィードバックを実施するシステム)にて厚生労働省へ提出し、LIFEの情報を活用し、適切な栄養管理の実施をおこなう
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栄養アセスメント加算の単位数は?

栄養アセスメント加算の単位数は1ヵ月当たり50単位です。

栄養アセスメント加算算定時の注意事項は?

栄養アセスメント加算の算定時に注意することは

  • 口腔・栄養スクリーニング加算
  • 栄養改善加算

この2つの加算は一緒には使えません。
しかし、栄養アセスメント加算の栄養アセスメントをおこなった際に、利用者にとって栄養改善加算に係る栄養改善のサービスが必要と判断された場合には、栄養アセスメント加算の算定月でも栄養改善加算を算定することが可能です。

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栄養アセスメント加算のアセスメント手順は?

栄養アセスメントは次にあげる5つの手順で進めていきます。

  1. 利用者がサービスの利用を開始したときの、栄養状態を把握します
  2. 利用者の摂食・嚥下状態や食形態に配慮して、管理栄養士等が共同で解決しなければならない栄養管理上の課題を把握します
  3. 栄養アセスメントの結果を、利用者やご家族様に説明し、栄養相談や情報提供をおこないます
  4. 低栄養状態や低栄養リスクのある利用者には、ケアマネージャーと情報を共有し、栄養改善加算に係る栄養改善サービスの提供を考えるように依頼します
  5. LIFEへ情報提供し、フィードバックをうけます。利用管理の内容を決定し、支援の提供が始まります。その後、支援内容の評価、評価結果を元に内容の見直しや、改善をしていきます

1から5を繰り返しおこないます。利用者の体重は1ヵ月に1回測定します。栄養アセスメントをおこなう目安は、3ヵ月に1回以上です。

栄養アセスメント加算算定時に必要なLIFEへのデータ提出

栄養アセスメントの加算算定時には、LIFE にデータ提出をする必要があります。

データの提出頻度は?

LIFEへのデータ提出頻度は少なくても3ヵ月に1回です。栄養アセスメントをおこなった日の属する月の翌月10日までにデータを提出します。利用者の栄養状態によっては、2ヵ月に1回の実施でも栄養アセスメント加算の算定は可能です。

データ提供するべき情報の項目は?

LIFEに提出する項目は次の7つです。

  • 実施日
  • 利用者の要介護度
  • 利用者の低栄養状態のリスクレベル
  • 利用者の低栄養状態の状況
  • 利用者の食生活状況等
  • 栄養士やケアマネジャー等、多職種による栄養ケアの課題
  • 総合評価や計画の変更

栄養アセスメント加算についてのQ&A

栄養アセスメント加算をおこなうにあたって、誰もが疑問に思うことを5つ上げました。順番に確認していきましょう。

栄養アセスメント加算の算定時に、栄養ケア計画書の作成は必要ですか?

栄養アセスメント加算時の算定時に、栄養ケア計画書は必要ありません。

栄養アセスメントをおこなう頻度はいつですか?

栄養アセスメントは3ヵ月に1回おこないます。利用者によっては2ヵ月に1回おこなう場合もあります。

そして、利用者の体重は1ヵ月に1回測定します。体重を1ヵ月に1回測定することで、栄養アセスメント加算を毎月算定することが出来るのです。

外部の管理栄養士とはどこに所属の管理栄養士でしょうか?

日本栄養士協会や都道府県栄養士会が設置・運営している栄養ケア・ステーションに所属している管理栄養士に協力してもらいましょう。

栄養アセスメント加算を算定する際の様式やフォーマットはありますか?

栄養アセスメントシートというものがあります。ネットから簡単にダウンロードして使うことが出来ます。

参考:厚生労働省「栄養アセスメントシート (通所・居宅)
※直接ダウンロードされるためご注意ください。

栄養アセスメント加算と栄養改善加算の違いを教えてください。

栄養アセスメント加算は利用者の栄養状態がよくわからない場合に利用者に対しておこなわれます。加算の単位数は1ヵ月あたり50単位です。栄養ケア計画書も必要ありません。

栄養改善加算はすでに低栄養状態にある利用者や低栄養リスクのある利用者に対しておこなわれます。1ヵ月当たり2回まで加算することができ、1回の単位数は200単位です。なお、栄養ケア計画書が必要です。

まとめ

今回は栄養アセスメント加算について紹介してきました。

栄養アセスメント加算は、通所介護サービスを利用している利用者にとって必要なサービスを提供するための加算です。また、介護する側にとっても利用者の健康面を把握するのに、必要な加算でもあります。

利用者の中には、摂食障害や嚥下障害によって思うように食事をとれなかったり、持病などで栄養面に気を付けなければいけない方もいらっしゃいます。利用者の健康を守っていくためにも必要な加算なのです。

お役立ち資料:加算取得を目指す方へ

訪問介護の事業者向けに、各種加算と減算の要件や、優先的に取得するべき加算などについて、わかりやすくまとめました。
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