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人員基準の落とし穴!チェックのポイントと留意事項を解説します!(指定訪問介護)

投稿日: 2026-02-24

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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毎日の業務、本当にお疲れ様です!先日に引き続き、本日は訪問介護事業における人員基準について注意したいことについてご紹介していきます。次の報酬改定時の加算届出や、変更届提出に向けてお役に立てれば幸いです!

勤務形態一覧表の作成にあたっては以下も参考にして頂ければと思います。

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勤務形態一覧表作成の基礎!介護・障害福祉事業所における常勤・非常勤、専従・兼務の考え方

1. 訪問介護の人員基準:管理者

管理者

管理者は、常勤であり原則として専ら当該訪問介護事業に従事する者でなければなりません。
また、資格の有無は問われません。

管理業務に支障がないと認められる場合、他の職務を兼ねることができます。

  1. 管理者を務める訪問介護事業・総合事業サービス事業の従業者
    (サービス提供責任者、訪問介護員)としての職務
  2. 管理者を務める訪問介護事業所と同一の事業者(法人)によって設置された
    他の事業所、施設等の職務

管理者の兼務については、2024年の介護報酬改定にて同一の事業者(法人)によって設置された他の事業所、施設等の職務についても兼務可能にする改定が行われています。ただし、解釈通知において「管理業務に支障がない」という部分の細かな通知が出ていますので、これに注意が必要です。

また、国のQAにより「地域の実態に合わせて考えるべきであり、事業所に対し一律の対応はすべきではない」とされている為、どうしても管理者が下記に記載する例以上に兼務をしなければいけないという事であれば、1度行政に相談をしてみましょう。

■管理業務に支障がないとされる具体的な例

1. 管理者を務める事業所の訪問介護員等としての職務に従事する場合
2. 管理者を務める事業所のサービス提供責任者としての職務に従事する場合
3. 一体的に運営している障害福祉事業の管理者、サービス提供責任者等

■他の事業所、施設等の管理者又は従業者としての職務に従事できる具体的な例

・併設する有料老人ホームの施設長と訪問介護の管理者の兼務

サービス提供の場面等で生じる事象を適時かつ適切に把握でき、職員及び業務の一元的な管理・指揮命令に支障が生じない状態であることがポイントです。

■管理業務に支障があると考えられる具体例

1. 管理すべき事業所数が多すぎると個別に判断される場合
2. 併設される入所施設で入所者にサービス提供を行う「看護・介護職員」との兼務(勤務時間が極めて限られている場合を除く)
3. 事故発生時等の緊急時において管理者自身が速やかに当現場に駆け付けることができない体制となっている場合

とても含みのある解釈通知の内容ですが、国のQ&Aでも以下の通り、地域の実情に合わせて個別に判断されるべきとされており、実態や地域の特性によって兼務できる範囲に差が有るのが実態です。

「令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(令和6年3月15日)」の送付について

Q:人員配置基準等に関するいわゆるローカルルールについて、どのような取扱いとするべきか。

A:介護保険法上、介護事業所・施設等が介護保険サービスを提供するためには、自治体が条例で定めた基準を満たすものとして、都道府県等からの指定を受ける必要がある。自治体が条例を制定・運用するに当たっては、①従うべき基準、②標準、③参酌すべき基準に分けて定められる国の基準(省令)を踏まえる必要がある。

・このうち人員配置基準等については、①従うべき基準に分類されている。したがって、自治体は、厚生労働省令で定められている人員配置基準等に従う範囲内で、地域の実情に応じた条例の制定や運用が可能である一方、こうしたいわゆるローカルルールについては、あくまでも厚生労働省令に従う範囲内で地域の実情に応じた内容とする必要がある。

・そのため、いわゆるローカルルールの運用に当たり、自治体は、事業者から説明を求められた場合には、当該地域における当該ルールの必要性を説明できるようにする必要がある。

・また、いわゆるローカルルールの中でも特に、管理者の兼務について、個別の事業所の実態を踏まえず一律に認めないとする取扱いは適切でない。

2. 訪問介護の人員基準:サービス提供責任者

サービス提供責任者

常勤の訪問介護員等のうち、利用者の数が40又はその端数を増すごとに1人以上の者をサービス提供責任者としなければなりません。

※一定の条件を満たした場合、利用者50人に対して1人以上とすることができます。

介護福祉士、実務者研修修了者、旧訪問介護員養成研修課程1級修了相当、介護職員基礎研修修了者、看護師、准看護師、保健師その他行政の定める資格保持者がその職につくことが出来ます。

■サービス提供責任者の兼務について

常勤のサービス提供責任者は、当該訪問介護事業所の管理者と一体的に運営している以下の業務について兼務が可能です。

・指定定期巡回・随時対応型訪問介護看護の職務
・指定夜間対応型訪問介護の職務
・介護予防・日常生活支援総合事業における訪問型生活援助サービスのサービス提供責任者
・障害者総合支援法の指定居宅介護、指定重度訪問介護、指定同行援護、及び指定行動援護(※)、移動支援のサービス提供責任者(※行動援護の指定を受ける場合は、行動援護のサービス提供責任者の資格要件を満たす必要があります。)

一体的に運営する障害者総合支援法(旧障害者自立支援法)の指定居宅介護、指定重度訪問介護、指定同行援護、及び指定行動援護のサービス提供責任者を兼務する場合は、介護・障害それぞれの利用者数を合計しサービス提供責任者の必要数を算出します。(それぞれの基準により必要とされる員数以上を配置することも可能)

これ以外の兼務は認められていませんので、例えば通所介護で介護職員を行っているという場合は、訪問介護上にて常勤のサービス提供責任者として換算できません。

この場合は、非常勤のサービス提供責任者、非常勤の通所介護介護職員という扱いになりますので、双方の人員基準に注意してください。

■利用者の数の計算方法

利用者の数については、前3月の平均値を用います。この場合、前3月の平均値は、暦月ごとの実利用者数を合算し、3で割って出た数となります。新たに事業を開始し、又は再開した事業所については、利用者の数を推定して計算を行います。通院等乗降介助のみを利用した者の当該月における利用者の数については、0.1人として計算します。

■よく見るこの表の注意点

指定申請や集団指導の際に、サービス提供責任者の必要な数を説明した以下の表を見たことが有ると思います。

先日この表を見た方から「この表の右側(常勤換算法)を採用すれば、利用者が40人を超えたとしてもサービス提供責任者は1名で良いですか?」と相談を頂きました。

この表をよく見て頂きたいのですが、この表に書いてあるのは「常勤の人数」であって、超えた分については「非常勤サービス提供責任者で補う必要がある」ことに注意してください。

例)常勤換算方法を採用する場合

利用者の数:65人の場合は、65人÷40=1.7(小数第1位に切上げ)
1.7以上のサービス提供責任者を配置すればよいということになります。

常勤のサービス提供責任者を1名は配置しなければならないことから、残り常勤換算0.7人分について非常勤のサービス提供責任者を配置することができます。

1.7-1(常勤)=0.7

ただし、この非常勤のサービス提供責任者も当該事業所における勤務時間が、常勤サービス提供責任者の半分(0.5)以上勤務しなければいけません。
つまりこの場合は常勤換算0.7時間を働く非常勤サービス提供責任者を配置することとなり、2名で0.7人分配置しようとすると0.5を下回ってしまうため、注意が必要です。

■サービス提供責任者の配置を利用者50人に対して1人以上とする要件

1.  常勤のサービス提供責任者を3人以上配置していること
2. サービス提供責任者の業務に主として従事する者を1人以上配置していること
 この1名はサービス提供責任者である方が事業所の訪問介護員として行ったサービス提供時間(待機時間や移動時間を除く。)が、1月あたり30時間以内である必要があります。
3. サービス提供責任者が行う業務が効率的に行われていること

・訪問介護員のシフト管理について、業務支援ソフトなどの活用により、迅速な調整が可能であること

・利用者情報(訪問介護計画やサービス提供記録等)について、タブレット端末やネットワークシステム等のIT機器・技術の活用により、職員間で円滑な情報共有が可能であること

・利用者に対して複数のサービス提供責任者が共同して対応する体制(主担当や副担当を定めている等)を構築する等により、サービス提供責任者業務の中で生じる課題に対しチームとして対応することや、当該サービス提供責任者が不在時に別のサービス提供責任者による補完が可能であること。

3. 訪問介護の人員基準:訪問介護員

訪問介護員

訪問介護員は、有資格者であることが必要で、サービス提供責任者として認められている資格の他、介護職員初任者研修修了者、訪問介護員養成研修課程修了者(1級、2級)、看護師、准看護師、保健師等

※必ず管轄の行政が示す資格を確認してください。

訪問介護員等(サービス提供責任者を含む)の合計勤務時間は、常勤換算方法で2.5以上必要です。

4.よくいただく質問

ここでは、よく聞かれる質問についてご紹介させて頂きます。

Q1

看護師は初任者研修としてみなすと聞きました。サービス提供責任者にはなれませんか?

A1

平成24年3月に、看護師等の資格を有している場合、介護職員初任者研修を免除するという内容の案内が厚労省より出ています。

(修了証の交付に必要な手続きや条件は行政によって異なります)

介護員養成研修の取扱細則について(介護職員初任者研修・生活援助従事者研修関係)

このことから、「これまで旧訪問介護員養成研修1級課程修了者相当として取り扱われてきた看護師が初任者しか認められなくなった」と思われる方が多くいらっしゃいます。

この通知は、介護職員養成研修の取り扱いについての案内であり、サービス提供責任者の要件を示したものではありません。

本日現在も各行政からの案内で、サービス提供責任者の要件として、変わらず看護師も旧訪問介護員養成研修1級課程修了者相当として取り扱われています。

Q2

サービス提供責任者が併設している居宅介護支援の介護支援専門員を兼務することが出来ますか?

A2

サービス提供責任者が兼務できる職種に「居宅介護支援専門員」という表記がないため、兼務は出来ません。ただし、居宅介護支援専門員として非常勤(0.5)、サービス提供責任者として非常勤(0.5)という、非常勤同士であれば行うことが可能です。

この場合、サービス提供責任者の非常勤勤務は0.5以上無いといけないという所にご注意ください。

Q3

変形労働制のため、常勤は、ある日は10時間、ある日は5時間というシフト勤務になっています。変更届提出の際に行政担当者から「8時間を超える場合は8時間にして出してほしい」と言われましたが、そうすると月の勤務すべき時間数が常勤の時間を下回ってしまいます。どうしたらいいですか?

A3

まずは行政のご担当者へ「届出て受理されている変形労働制を取り入れていること」「行政の指示通り記載すると常勤が常勤の時間を下回ること」をお話し、どのように記載したらいいか相談してください。


勤務形態一覧表の作成方法についても行政ごとに以下のような違いが有ることが有ります。

1. 訪問介護と居宅介護(障害福祉サービス)を一体的に運営している場合の記載方法

A行政:全員兼務で記載してほしい B行政:全員専従で記載してほしい

2. 1日8時間を超える場合の記載方法

A行政:8時間を超える場合は一律8時間に訂正してほしい

B行政:実際に働いた時間を記載し、例えば残業が出たとしても最終的に「常勤換算で1」におさめて計算が出来ていればよい

はっきりとした返答が出来ず申し訳ないのですが、ルールが明記されていないため、記載方法については管轄の行政の方とご相談をお願いします。

5. さいごに

運営指導では、事前提出資料である勤務形態一覧表をもとに人員基準をあらかじめ行政の方が確認し、当日はその勤務形態一覧表と出勤簿に矛盾が無いかを確認します。

毎月作成が定められている勤務形態一覧表で、しっかりと人員基準に違反が無いかを確認する必要があります。

お役立ち資料:運営指導対策にお悩みの方に

訪問介護事業所向けに、訪問介護事業所の人員基準・設備基準についてまとめました。
運営指導に備え、人員基準・設備基準を見直したいとお考えの方はぜひご利用ください。
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