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重度訪問介護とは?仕事内容や必要な資格などについて徹底解説!

重度訪問介護とは、身体・知的・精神障害などがある方に対し、自宅に訪問して介護や生活介助を行なうサービスです。

身体的介護・家事全般・外出の介助など、24時間連続でサービスを受けることができます。

今回は、重度訪問介護のサービス内容(対象者など)や従業者の研修カリキュラム・業務内容について解説していきましょう。

重度訪問介護とは

身体が不自由・重度の知的障害・精神障害などがあり、介護を必要とする方の自宅に訪問し、生活全般の介助をするサービスを指します。

具体的には、食事・排泄・入浴・外出など生活全般のサポートから、生活における相談やアドバイスなど介護の総称のことです。

重度訪問介護は、24時間サービスを提供でき、その点において注目されています。

参考:独立行政法人福祉医療機構

重度訪問介護は24時間連続でサービスを受けられる!

重度訪問介護は、24時間連続でサービスを受けられます。

訪問介護などの在宅介護サービスは増えていますが、24時間体制が不足しているのが現状です。

たとえば、24時間連続で、8時間3交代のヘルパーを利用可能です。

参考:厚生労働省

重度訪問介護の対象者

重度訪問介護を受けることができる対象者は、重度の身体不自由な方です。

具体的には、下記に該当する方が対象になります。

・障害程度区分4以上

・二肢以上の麻痺がある

・歩行・排尿・排便・移乗に困難がある

参考:厚生労働省

重度訪問介護の単位数

重度訪問介護の単位数とは、介護給付費単位数サービスコードを指し、サービス種類コードと項目コードから構成されています。

重訪1・重訪2・重訪3と大まかに3つに分かれているのが特徴です。

・重訪1:障害支援区分6で重度障害者等包括支援対象者

・重訪2:障害支援区分6

・重訪3:障害支援区分4~5

サービスコードの重訪3が基本となり、重訪1は15%、重訪2は85%加算されます。

さらに、単位数は、重訪問1・重訪問2・重訪問3それぞれのサービス内容や算定項目(サービス時間)により決定されているため、コード表を確認しましょう。

重度訪問介護従事者の仕事内容

重度訪問介護従業者は、おもに下記のサービス業務を提供します。

1.食事・入浴・排泄の身体的介護

2.調理・洗濯・掃除など家事全般

3.生活など不安や疑問に関する相談・アドバイス

4.その他の生活介助

5.外出・移動のときの介助

重度訪問介護従事者と混同されやすいのが訪問介護員(ホームヘルパー)です。

それぞれ何が異なるのか、見ていきましょう。

重度訪問介護従事者と訪問介護員(ホームヘルパー)の違い

訪問介護員(ホームヘルパー)は、要介護認定されている高齢者のサポートをする専門職です。

介護の軽減を目指し、自立支援サポートをするのが、訪問介護員(ホームヘルパー)の業務になります。

身体介助・生活援助など、重度訪問介護従事者と業務内容は同じですが、より特化した知識・技術を要する重度訪問介護従事者は、総合的なサービスを提供できます。

そのため、重度障害者の訪問介護をする場合は、専門資格を取得しなければいけません。

重度訪問介護従事者になるには重度訪問介護従業者養成研修の受講が必要!

重度訪問介護従業者として勤務する条件は、下記の通りです。

・介護福祉士・介護職員初任者研修の資格所有者

・重度訪問介護従業者養成研修修了者

重度訪問介護従業者養成研修は、自治体で「障害支援区分4〜6」認定されている方の介護をする場合に必要な知識を学ぶ研修プログラムです。

では、どんな内容なのでしょうか。

・重度訪問介護従業者養成研修のカリキュラム

・受講資格

・受講できる場所

・受講料

・受講するメリット

上記の内容で解説していきます。

重度訪問介護従業者養成研修のカリキュラム

重度訪問介護従業者養成研修は、おもに4つの過程に分かれます。

・基礎課程

・追加過程

・総合過程

・行動障害支援過程
それぞれ研修内容は異なるため、各カリキュラムを「受講合計時間」「学習内容」「出来るようになること」で表にまとめてみました。

受講合計時間

学習内容

出来るようになること

基礎課程

10時間

(講義3時間+実習7時間)

基礎的な介護技術・職業論理

障害者区分4~5の介護サービスを提供できる

追加過程

10時間

(講義7時間+実習3時間)

重度障害者のケア方法・リスク管理・緊急対応方法

障害者区分6の介護サービスを提供できる

総合過程

合計20.5時間

喀痰吸引の演習

医師・看護師のもとで、経営栄養・喀痰吸引などの医療行為ができる

行動障害支援過程

合計12時間

知的・精神障害者のケアをするための知識・技術の習得

重度知的障害者・精神障害者の介護サービスを提供できる

重度訪問介護従業者養成研修は、基礎課程から始まり、追加過程・統合過程と段階を踏んでいくとより高度な知識や技術が身に付きます。

また、行動障害支援過程では、身体障害者の介護サービスだけでなく、知的・精神障害者の介護サービスを提供できる知識や技術を習得可能です。

受講資格

重度訪問介護従業者養成研修は、受講制限がありません。

所持している資格に左右されることなく、重度訪問介護従業者として働きたい方であれば、誰でも受講することができます。

受講できる場所

重度訪問介護従事者養成研修を受けるには、介護福祉専門学校・介護事業所などで受講が可能です。

通学講座を始め、仕事で忙しく、なかなか通学できない方のために通信講座を開設している学校もあります。

介護や医療の資格スクールの資料を一括請求できるサイトもあるので、自分に合った学校を手軽に探せて便利です。

受講料

重度訪問介護従業者養成研修の受講料は、介護スクールや各都道府県が指定している研修実施事業所によって異なります。

基本の相場は、例えば、基礎課程・追加課程それぞれ約15,000円から20,000円ほどです。

そして、総合課程では、約30,000円が必要になります。

しかし、研修は受けたいけれど、受講料は免除してほしいと思っている方もいるでしょう。

重度訪問介護従業者養成研修は、無料で受講できるのでしょうか。

重度訪問介護従業者養成研修は無料で受講できる?

介護事業所に就業することを条件として、受講料の割引や免除できるケースもあります。

また、介護福祉士・居宅介護従業者養成研修を修了済みであれば、講義科目が免除されることもあるため、事前に調べておきましょう。

受講するメリット

重度訪問介護従業者養成研修を受けるメリットは、下記の通りです。

・就職に有利である

・スキルアップができる

・経験を積んでキャリアアップができる

高齢化社会の中で、重度訪問介護の利用者数は増えているため、専門的研修を修了している方は需要があります。

また、現在、介護福祉業界で働いている方は、給与面・難しい業務に挑戦するためのスキルアップやキャリアアップも望めるので、介護職員としてより上を目指したい方におすすめです。

重度訪問介護に関するQ&A

重度訪問介護に関するQ&Aをまとめました。

重度訪問介護の仕事はきついんですか?

一般の高齢者介護とは異なる介助が必要なので、大変な業務であり、新人スタッフにとっては辛いと感じる方も多いようです。

また、職場の人間関係などもあり、離職率が高い業種でもあります。

しかし、何歳になっても仕事を続けることができるため、一生涯の職業としてやりがいを感じられるでしょう。 

重度訪問介護従事者ができないことは何ですか?

重度訪問介護従事者では、利用者の家族など本人以外の介助や、日常生活を送るために必要ではない介助は行うことが出来ません。

重度訪問介護は儲かるんですか?

重度訪問介護従事者に限らず、介護ヘルパーの仕事はきついのに、給料は安いといったイメージが強いです。

実際、正社員の重度訪問介護従事者は、平均月給が15万円から20万円ほどで、さほど高くありません。

また、正社員よりもアルバイト・パートで働く方が多く、給料は時給制です。

勤務先により異なりますが、身体介護の場合、大体1,800円から2,500円の時給になります。

また、生活介助の場合は、時給1,300円から1,600円程度です。

しかし、夜勤スタッフとして働く場合「夜勤手当」として単価として3,000円から5,000円が支給されます。

できるだけお金を稼ぎたい方は、夜勤スタッフを希望してみるとよいでしょう。

重度訪問介護に2時間ルールはありますか?

重度訪問介護では、2時間ルールはありません。

2時間ルールとは、1日のうち、2度違う居宅へ訪問介護支援に入る場合、次の支援に入るときに、2時間以上の空白時間を設けなければいけない原則です。

これは、一般訪問介護において適用されますが、重度訪問介護の場合は、とくに規定はありません。

つまり、次の支援に30分後に入っても問題がなく、柔軟に支援時間を設けることができます。

重度訪問介護における移動加算とは何ですか?

重度訪問介護で、外出のときにサービス費を上乗せすることです。

重度訪問介護支援に外出は入っていますが、単価が低いため、移動に関する加算がされています。

たとえば、重度訪問介護月272時間のうち移動介護30時間など、算定されているのが一般的です。

まとめ

重度訪問介護は、身体・知的・精神障害などで介護を必要としている方の自宅に訪問し、介護や介助を行なうサービスです。

重度訪問介護は24時間連続でサービスを受けることができ、従業者は身体的介護・家事全般・外出の介助を提供します。

重度訪問介護従事者として就業したい場合は、介護福祉士・介護職員初任者研修資格取得か、重度訪問介護従業者養成研修を修了しましょう。

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