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定期巡回・随時対応型訪問介護看護のサービス内容や費用負担について徹底解説!

2024-10-29

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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現在では在宅での生活を支える訪問介護、訪問看護のニーズが増加しています。介護・医療ケアは365日24時間常に必要になります。介護や看護のニーズは介護度が重くなるにつれて高まります。しかし、なかなか必要なタイミングでケアを受けることは、介護する家族の負担も大きくなり困難と言えます。

そこで、定期巡回・随時対応型訪問介護看護が役に立ちます。この記事では、定期巡回・随時対応型訪問介護看護についてサービス内容や費用負担について詳しく解説します。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護の利用を考えている方は、ぜひ最後までお読みください。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護とは?

定期巡回・随時対応型訪問介護看護とは、介護福祉士や看護師が要介護者の自宅を定期的に訪問し、必要に応じて随時対応をおこなう24時間体制の介護サービスです。

介護保険法における地域密着型サービスの1つとして2012年4月に創設され、サービス利用者は日中・夜間を問わずに訪問介護と訪問看護を一体的に受けることが可能になりました。

また、定期的な訪問だけでなく、随時必要なサービスを受けることが可能です。そのため、要介護状態であっても、出来る限り住み慣れた自宅でご本人の能力に応じた自立した日常生活を送るための支援を受けられます。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護の対象者

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、要介護1〜5の方で、利用する事業所のある地域に住民票のある方が対象になります。厚生労働省の調査によると、要介護度別にみるサービス利用者の内訳は、要介護1が24.6%、要介護2が24.0%、要介護3が19.0%、要介護4が19.4%、要介護5が13.0%となっており、要介護1,2の方が過半数近くを占めています。

要支援1〜2の方は夜間対応訪問介護の対象にはならないこと、原則として住んでいる地域以外の施設・事業所のサービスは利用できない点に留意しましょう。また、訪問介護、訪問看護、夜間対応型訪問介護とはサービス内容が重複するため、それらのサービスをすでに利用している方は併用はできません。

一体型事業所と連携型事業所の違いは?

定期巡回・随時対応型訪問介護看護のサービス事業所には「一体型事業所」と「連携型事業所」の2つの類型があります。

  1. 一体型事業所
    一体型事業所では訪問介護サービスと訪問看護サービスの両方を同じ事業所が提供します。ターミナルケアや特別な医療処置等を必要とする利用者を受け入れます。

  2. 連携型事業所
    訪問介護を行う事業所が地域の訪問看護事業所と連携してサービスを提供します。そのため、連携先訪問看護事業所を定める必要があります。

    訪問介護事業所の介護職員が身体介護を中心とした日常生活上の世話を行い、訪問看護事業所の看護師等が療養上の世話、診療の補助を行います。

    参考:厚生労働省「7-2. 定期巡回・随時対応型訪問介護看護(連携型) | 「基本情報」の読み解き方 | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」 (mhlw.go.jp)

定期巡回・随時対応型訪問介護看護の職員体制

定期巡回・随時対応型訪問介護看護の職員体制は以下の通りです。

職種資格等必要な員数
訪問介護職員等定期巡回サービスを行う訪問介護職員等

介護福祉士
実務者研修修了者
初任者研修修了者
旧介護職員基礎研修
旧訪問介護員1級
旧訪問介護員2級

  • 適切に定期巡回サービスを提供するために必要な数以上
  • オペレーターと兼務可能
随時訪問サービスを行う訪問介護職員等
  • 常時、随時訪問サービスを提供する職員を1人以上確保できる必要数
  • オペレーターと兼務可能
看護職員
(随時対応サービスを行う職員)

保健師
看護師
准看護師
理学療法士
作業療法士
言語聴覚士

  • 保健師、看護師、准看護師あわせて2.5人以上。うち1人以上は常勤の保健師または看護師
  • オペレーターと兼務可能
  • 常時オンコール体制を確保

オペレーター
(随時対応サービスを行う職員)

看護師、介護福祉士、医師、保健師、准看護師、介護支援専門員のうち、常勤1人以上
+
1年以上訪問介護のサービス提供責任者として従事した者

  • サービス提供時間帯を通じて1以上確保するための必要数
計画作成責任者看護師、介護福祉士、医師、保健師、准看護師、介護支援専門員のうち、1人以上
管理者常勤、専従の者。他のサービス管理者との兼務も可能。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護のサービス内容は?

定期巡回・随時対応型訪問介護看護で提供されるサービスは大きく分けて4つです。

必要に応じて4つのサービスを組み合わせながら利用していきます。

定期巡回サービス|計画に基づいた定期的な訪問介護

訪問介護員が定期的に利用者の居宅を巡回し、食事や排せつの介助などの身体介護、生活援助を行います。

1回の訪問は20分程度で、1日3〜6回程度の巡回が行われることがほとんどです。利用者ごとに訪問介護計画書(ケアプラン)を作成し、その内容に基づいてサービスを提供します。安否確認、健康チェック、見守りのみの場合もあります。

随時対応サービス|24時間電話受付対応

定期巡回以外の時間に緊急の対応が必要となった場合は、365日24時間対応のオペレーションセンターで対応を行います。

利用者にはケアコールという端末が支給されており、緊急時にはそれを用いて利用者本人やその家族がオペレーターに通報できます。

オペレーターは、通話内容や利用者の心身の状況、置かれている環境などを把握したうえで、必要な際には相談援助を行ったり、ヘルパーの訪問対応を指示したりします。

随時訪問サービス|必要時にあわせた訪問介護

緊急時に利用者もしくは家族からケアコールで通報があった場合に、状況に応じて介護職員等が随時利用者の居宅へ訪問をします。利用者の安否を確認し、入浴介助や排せつ介助、食事提供といった身体介護を行います。

随時対応サービスと同様に、365日24時間の対応が可能なサービスですが、通報の状況をオペレーターが判断し、必要と判断された場合のみの対応になる点に留意しましょう。

訪問看護サービス|医師の指示に基づいた定期的な訪問看護

訪問看護師が定期的に利用者の居宅を訪問し、療養上の世話や診療の補助を行います。主に、健康状態の把握や病状の悪化防止・回復、療養生活に関する相談などの対応をします。

また、主治医の指示を受けた場合は病院同様の医療処置を自宅で実施することもあります。介護サービスのみの場合でも、初回のアセスメントや月1回のモニタリングを行います。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービス利用時の注意点

定期巡回・随時対応型訪問介護看護を利用する際には、以下の3つのサービスは利用できませんので、ご留意ください。

  1. 訪問介護(通院等乗降介助以外)
    訪問介護では、都道府県や市区町村に指定された事業者からホームヘルパーが派遣され、食事や排せつなどの介助を行う身体介護や家事を行う生活援助などのサービスを提供します。
    定期巡回・随時対応型訪問介護看護の定期巡回とサービス内容がほぼ同じになるため、併用できません。しかし、利用者の通院等での車の乗り降りを介助する「通院等乗降介助」については、定期巡回では提供していないサービスなので、併用が可能です。

  2. 訪問看護(連携型利用時以外)
    定期巡回・随時対応型訪問介護看護の基本の4サービスの中に訪問看護サービスが含まれています。そのため、併用はできません。
    しかし、連携型の定期巡回・随時対応型訪問介護看護の場合には、訪問看護事業所との協力が必要になるため、併用可能です。

  3. 夜間対応型訪問介護
    定期巡回・随時対応型訪問介護看護の定期巡回では昼夜を問わず24時間体制でサービスが提供されます。そのため、指定夜間対応型訪問介護で提供される介護サービスとほぼ同じであることから併用ができません。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護の利用者負担費用は?

利用者の自己負担額は、事業所の類型や要介護度、訪問看護サービスを利用するかどうかによって異なります。1割負担の場合の1ヵ月あたりの基本料金を表にまとめましたのでご覧ください。

区分

一体型
(訪問看護サービスを行う看護師がいる事業所の場合)

連携型
(別の事業所が訪問看護サービスを実施する場合)

訪問介護サービスを行う場合訪問介護サービスを行わない場合
要介護17,946円5,446円5,446円
要介護212,413円9,720円9,720円
要介護318,948円16,140円16,140円
要介護423,358円20,417円20,417円
要介護528,298円24,692円24,692円

連携型で訪問看護を受ける場合には、訪問看護事業所において別途利用料の負担が必要です。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスを提供する事業所の所在地やサービス内容に応じて、負担額は異なります。詳しくは市区町村の窓口や地域包括支援センター、担当のケアマネージャーにご確認ください。

まとめ

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、地域密着型のサービスのひとつとして医療や介護が必要な要介護者の暮らしを24時間365日体制でサポートします。

定期的な訪問により、重度の要介護状態になっても、利用者の生活状況や体調の変化に対して対応してもらったり、専門的な職員からのケアを受けながら、自宅で生活することができます。施設への入所よりも自宅での生活を送りたい方はぜひ、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の利用をご検討ください。

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