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2024年の介護報酬改定に向けて国は介護に予算を割くか、否か

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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2024年度に控える次の制度改正・報酬改定に影響が及びそうな国の財政の健全化に向けた施策を提言する報告書について、介護分野の具体策等をご紹介いたします。

財政健全化に向けた建議

令和3年5月21日に、財務省の財政制度等審議会にて財政健全化に向けた建議が開催されました。

この財務省の審議会は、今後の国の介護・障害福祉分野の予算に紐づいていくため、とても重要な審議会で、この審議会の報告書を政府が来月にも閣議決定する今年度の「骨太方針」に反映するよう求めています。

この中で、介護・障がい福祉分野については下記3つが明確に話し合われました。

①利用者負担の更なる見直しやケアマネジメントへの利用者負担の導入など、介護保険給付範囲の見直しを進めることが必要。


②介護サービス事業者の事業報告書等の報告・公表を義務化し、経営状況の「見える化」を実現する必要。

③介護・障害福祉について、利用者のニーズを適切に把握した上で地域の実態を踏まえた事業所の指定が必要。

現行では全体のおよそ90%の利用者が1割負担となっていますが、これを”原則2割負担”へ改めていくよう依頼し、あわせて、居宅介護支援のケアマネジメントでも自己負担を徴収すべき(現行は10割給付)と話されています。

これは、今後高齢化が更に加速していくことを念頭におき、財務省は膨らみ続ける給付費をなるべく抑制するべく保険料の上げ幅を小さく留め、現役世代の負担の軽減につなげる意図があります。

 

今年度の「骨太方針」の骨子案

骨太方針とは、日本政府がまとめる税財政や経済政策の基本運営方針の通称です。

年末の予算編成に向けて、国の政策の基本的な方向性を示すもので、首相が議長を務める経済財政諮問会議で策定作業が進められ、毎年6月ごろに閣議決定します。

前項、財務省の財政制度等審議会にて財政健全化に向けた建議が開催された後、5月25日には令和3年第7回経済財政諮問会議が開催されました。

医療や介護など社会保障をめぐっては、制度の持続可能性の確保や現役世代の負担軽減に向けて、給付費の抑制を図る方向性を打ち出すとみられています。

私たち介護従事者にとっては難しく、あまり身近に感じることが出来ませんが、『国がどれだけ何にお金を使うか』が決定される会議であり、この方針を知っていれば『介護に割くお金が有るか、無いか』が分かり、早く対策が取れます。

2024年に向けて国は介護に予算を割くか、否か

現在出ている骨子案では具体的な事は記されていませんが、団塊の世代の後期高齢者入りを見据えた基盤強化・全世代型社会保障改革を実施することが明記されています。

財務省の審議会では『利用者負担の更なる見直しやケアマネジメントへの利用者負担の導入など、介護保険給付範囲の見直しを進める事が必要』という具体的な報告書が出されているため、残念ながら次回の改正では下記2点をはじめ、介護報酬もまた改正される見通しです。

【現段階で見直すことが要求されていること】

①利用者負担原則1割から2割へ

②ケアプラン料の有料化

2024年と聞くと、まだまだ先の事の様ですが、既に次回の改正に向けて国は動き出しています。

骨太方針を知っているのと、知らないのでは介護事業所として向かう方向性が変わってきますので、ぜひ今後も情報を見てみてください!

お役立ち資料:介護報酬改定に備えたい方に

介護事業所向けに2024年の介護報酬改定に関する情報をまとめました。
2024年の介護報酬改定に向けて、事前に準備をしておきたいという方は、ぜひご一読ください。
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