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2024年 介護報酬改定~令和4年11月7日 財務省での議論①~

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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この記事では、2024年に向けた介護報酬改定の議論について令和4年11月7日に開催された財務省での議論内容についてご紹介してまいります。

財務省の議論 令和4年5月22日

次回の介護報酬改定は、2024年に控えています。

2024年は医療保険・障害者総合支援法も改定を迎えるため、医療・福祉にとって大きな転換の年になると言えます。そんな大きな転換に向け、私たち事業所においては改正の動向や情報をいち早くキャッチし、改定の前に出来る準備は取り掛かることが大切です。

【これまでの記事】

財政制度等審議会(2022年5月25日)『歴史の転換点における財政運営』P66~

介護報酬改定2024年の動向【医療・介護のダブル改定に備える!】

介護報酬改定の決定まで

介護報酬改定は3年に1回実施されますが、決定までには流れがあります。

まずは財務省で介護を含めた社会保障と呼ばれるすべてにおいて『こうあるべきだ』という議論が行われます。

これを踏まえて医療が決定し(2年に1回改定)、これらを参考に介護・障害福祉の報酬改定が行われます。

このことから、財務省で議論される内容を知ることは介護報酬改定を予測する第一歩でもあります。

本日は令和4年11月7日に開催された財政制度分科会(令和4年11月7日開催)についてご紹介していきます。

財政制度分科会(令和4年11月7日開催)資料一覧

社会保障制度共通の課題

介護だけでなく、日本全体の社会保障制度における課題としては『労働人口が減っている』ということです。

2040年に向けて著しく労働人口が減ることに対し、早急に様々な方面から社会保障制度が安定して持続可能であるようにしていかなければいけません。

このことについて『現行制度を見渡すと考え方が、「能力に応じて負担し、必要に応じて給付しまだまだ徹底されていない部分が目立つ、持続可能な制度を次世代に伝える。』という少し強い言葉で提言し、以下4点について実施していくことを求めています。

〇年齢に着目した負担の差が多く残っている(医療費の窓口負担・高額療養費・保険料、金融所得・資産に着目していない)

〇負担が負担能力の多寡に対応していない(健保組合の保険料負担、国保組合の国庫補助、介護の窓口負担)

〇事業主や企業の負担のあり方にさらに検討が必要(「勤労者皆保険」に向けた適用拡大など)少子化対策の観点から必要な支援の検討が必要(0~2歳、育休の対象となっていない層)給付を効率的・効果的なものとするため、医療提供体制の見直しが必要(地域医療構想、かかりつけ医機能の発揮)、介護のケアマネジメント・軽度者の給付のあり方の見直

〇国民負担軽減のため給付範囲の見直しが必要

後期高齢者の保険料と現役世代による支援金のあり方

介護保険は制度改正当初から、高齢者と現役世代の保険料負担が単純に人口比で設定されています。

後期高齢者医療制度は、高齢者の保険料負担を抑えるため当初から後期高齢者の保険料負担割合を「給付費の1割」にほぼ固定。これにより、高齢化が進むにつれて、現役世代が支払う1人当たり支援金が増加し、後期高齢者1人あたりの保険料の伸びを大きく上回る状況が続いていることを課題とし、今後、少なくとも、現役世代の支援金の伸びを、後期高齢者保険料の伸びの水準まで抑える制度改正が必要。

としています。

このことから、次回報酬改定では、利用者の自己負担が増えることが検討されていく予想です。

介護現場の生産性の向上の必要性

今後、75歳以上の高齢者が2030年頃まで増加し、その後も要介護認定率や1人当たり介護給付費が殊更に高い85歳以上人口が増加していくことが見込まれる。

その中で介護需要の増加に応じて、介護人材の必要数も増大するが、人口減少が進む中で、介護現場の生産性の向上を図ることが出来れば、効率的な人員配置や現場で働く方々の処遇改善につながることから、生産性の向上を行っていくべきかの検討をおこなっていく。

利用者負担の見直し

利用者負担については、2割・3割負担の導入を進めてきたが、今般の後期高齢者医療における患者負担割合の見直し等を踏まえ、

①介護保険サービスの利用者負担を原則2割とすることや2割負担の対象範囲の拡大を図ること、

②現役世代との均衡の観点から現役世代並み所得(3割)等の判断基準を見直すことについて、第9期介護保険事業計画に向けて早急に結論を得るべく、検討していくべきだとしています。

多床室の室料負担の見直し

介護老人保健施設・介護医療院・介護療養病床の多床室については、室料相当分が介護保険給付の基本サービス費に含まれたままとなっているため、これを見直すこととしています。

ケアマネジメントの利用者負担の導入

利用者が自己負担を通じてケアプランに関心を持つ仕組みとすることは、ケアマネジメントの意義を認識するとともに、サービスのチェックと質の向上にも資するため、第9期介護保険事業計画期間から、ケアマネジメントに利用者負担を導入すべきであるとされています。

介護保険の第1号保険料負担の見直し

介護保険第1号保険料は、保険者ごとに介護サービスの利用見込み等を踏まえて基準額(第8期の全国平均額は6,014円)を設定した上で、所得段階別の保険料を決定。基本的に、基準額を上回る増額分の合計(高所得者の追加的な負担)と、基準額を下回る減額分の合計(低所得者の負担軽減)を均衡させることとなっている。

今後、高齢化の進展による第1号被保険者数の増加や、給付費の増加に伴う保険料の上昇が見込まれる中で、低所得者の負担軽減に要する公費の過度な増加を防ぐため、負担能力に応じた負担の考え方に沿って、高所得の被保険者の負担による再分配を強化すべきとされています。

要介護1・2への訪問介護・通所介護の地域支援事業への移行等

今後も介護サービスの需要の大幅な増加が見込まれる中和等を通じて、生活援助型サービスをはじめ地域の実情に合わせた多様な人材や資源の活用を図り第9期介護保険事業計画に向けて・効率的なサービス提供を行う観点から、全国一律の基準ではなく、地人員配置や運営基準の緩和等を通じて、生活援助型サービスをはじめ地域の実情に合わせた多様な人材や資源の活用を図っていく必要がある。

要介護1・2への訪問介護・必要なサービスを提供するための枠組みを構築する必要があり、総合事業へ移行すべき、段階的にでも生活援助をはじめ地域の実情に合わせた多様な主体による効果的・効率的なサービス提供を可能にすべきとしています。

業務の効率化と経営の大規模化・協働化

現状、介護サービスの経営主体は小規模な法人が多く、業務の効率化も不十分。他方、規模別に見ると、規模の大きな事業所・施設や事業所の数が多い法人ほど平均収支率が高いなど規模の利益が働き得る。介護分野は主として収入面が公定価格によって規定される以上、費用面の効率化が重要であり、国や自治体が先進・優良事例を示して、備品の一括購入、請求事務や労務管理など管理部門の共通化、効率的な人員配置といった費用構造の改善、さらにはその実現に資する経営の大規模化・協働化を慫慂していくべきとしています。

まとめ

本日は財務省で議論されている内容について、前半部分をご紹介してまいりました。次回は後半部分のご紹介をさせていただきます。

お役立ち資料:介護報酬改定に備えたい方に

介護事業所向けに2024年の介護報酬改定に関する情報をまとめました。
2024年の介護報酬改定に向けて、事前に準備をしておきたいという方は、ぜひご一読ください。
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