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障害福祉サービス等報酬改定の注意点と対策【令和3年】

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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この記事では、令和3年4月に介護保険とともに改定された、障害福祉サービス等報酬改定についてご紹介をしていきます!

報酬改訂の6つのポイント

今回の改定にあたり、検討チームでは以下の6つを軸に議論を進めていくとしています。

①障害者の重度化・高齢化を踏まえた障害者の地域移行・地域生活の支援等

【想定される検討事項】

・ 共同生活援助における重度化・高齢化に対応していくための方策

・ 地域生活支援拠点等における機能の充実を図るための方策

 自立生活援助の整備を促進するための方策

②効果的な就労支援や障害児者のきめ細やかなニーズを踏まえた対応

【想定される検討事項】

・ 就労移行支援及び就労継続支援における効果的な支援を評価するための方策

・ 就労定着支援の整備を促進するための方策

・ 利用者のニーズに応じた短期入所を確保するための方策や緊急時の受入促進につながる方策

③医療的ケア児への支援などの障害児支援の推進

【想定される検討事項】

・ 医療的ケアに関する判定スコアによる評価方法

・ 障害児通所支援のサービス内容や質に応じた評価方法

・ 障害児入所施設の在り方に関する検討会の報告を踏まえた見直し

④精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの推進

【想定される検討事項】

・ 地域における居住支援の充実を図るための方策

・ 精神障害者の地域生活への移行や地域生活を送るための支援方策

⑤災害や感染症の発生時も含めた支援の継続を見据えた対応

【想定される検討事項】

・ 専門家との連携による日頃からの体制整備等

・ 新型コロナウイルス感染症に係るオンライン等を活用した在宅での支援の取扱い等を踏まえたサービス支援の評価のあり方

⑥障害福祉サービス等の持続可能性の確保と適切なサービス提供を行うための報酬等の見直し

【想定される検討事項】

・ サービスの内容や質に応じた評価を行うための報酬体系等の見直し(一部再掲)

・ 障害福祉サービス等の現場の業務効率化を図るためのICTの活用等の推進方策

 

◇厚労省:第13回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム(オンライン会議)」資料

特に注目すべき点

障害者総合支援法におけるサービスの報酬やルールは、医療、介護と足並みをそろえるという特徴が有ります。

また、医療⇒介護⇒障害者総合支援の順で変わっていく(発表がある)という特徴もあるため、現在決定している介護保険の報酬改定も参考にする必要があるのです。

この事も踏まえて注目すべき点を絞ると、以下の3点に絞ってみていくと準備すべきことが見えてきます。

①自立生活援助の整備を促進するための方策

介護保険では生活援助を徐々に地域で支えていく(総合事業へ移行)という流れになっている。

障害者総合支援法でも家事支援の単価が見直される可能性がある。 

②経過措置の取扱いに関する検討 ・ 新型コロナウイルス感染症に係るオンライン等を活用した在宅での支援の取扱い等を踏まえたサービス支援の評価のあり方

新型コロナウイルスの流行で示されている人員基準をはじめとする緩和措置が、そのまま続いていく見通し。

ただし、災害対応や感染症対策を行うことが運営基準に盛り込まれる可能性があり、BCP(事業継続計画)の作成等が義務化される可能性がある。

③障害福祉サービス等の現場の業務効率化を図るためのICTの活用等の推進方策

介護保険ではICT活用を行い作業の効率化を図った場合、人員基準を緩和する措置が取られている。効率化を図ることが求められていく。

備えておくべきこと

備えておくべきこととはズバリ、コストダウンしながら取得可能な加算を取得し、効率化を図るということです。

特に、サービス単価を上げることができる、職員の給与に反映が出来る以下4つの加算取得は最低限必須です。

【最低限取得必須な加算】

  • 喀痰吸引等加算
  • 特定事業所加算
  • 介護職員特定処遇改善加算
  • 介護職員処遇改善加算

これらの加算をもれなく取得し、人材不足に備えながら利益を確保していくことが急務です。

まとめ

人材が不足し、ベテランの職員が減少していく中、現場の生産性向上は喫緊の課題であり、介護ロボットやICT等のテクノロジーを活用することによって、介護サービスの質の向上及び業務効率化を推進することが重要となっています。

実際の介護現場では、

「ICT・ロボットなんて使いこなせるわけがない」

「コンピューターを使うより、手でやったほうが早い」

「他の法人と連携している暇がないほど人材不足で、事務処理の共同化なんて出来ない」

「システムを入れるほど資金がない」

という声が上がるかと思いますが、将来のことを視野に入れ、少しずつ手を入れていきましょう。

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