厚生労働省より介護保険最新情報Vol.1475「介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業に関するQ&A(第2版)」の送付についてが令和8年3月13日に発出されました。
①介護分野で働く職員の賃上げや職場環境の改善を支援する補助金制度について、具体的な要件や手続きのルールをまとめたQ&A集
②現場で働く幅広い職種が対象となるほか、実際に事業所で実務を行っていると判断されれば、法人本部の職員や役員も賃上げの対象に含められる
③基本給などの賃上げや、人材採用の経費・研修費として使える一方で、パソコンや介護テクノロジー等の機器購入費用には充てられないなど、使い道の明確な基準が定められている
枝分かれも含め、全部で27の質問に回答しています。第1版からの主な変更点として、役員に対する賃金改善の扱いや、地域包括支援センターが業務を委託している場合の取り扱いなどが追加されています。
以下、一部要約・抜粋です。
Q.いつまでに賃金改善や職場環境改善を行う必要があるか?(問2)
A.令和8年3月末までに補助金を受け取った場合は、令和7年12月から令和8年3月末の間に実施する必要があります。4月以降に受け取った場合は、各自治体が定める実績報告書の提出期限までに行う必要があります。
Q.どの月を基準(対象)とするのか?(問3)
A.原則として「令和7年12月」にサービスを提供している事業所が対象となり、基準月も同年12月となります。ただし、大規模改修や感染症等による報酬低下、令和8年1月〜3月の新規開設などのやむを得ない事情がある場合は、他の月を基準月として選択できる例外があります。
Q.介護に従事していない法人本部の職員や役員(代表取締役等)は対象になるか?(問6-1、問6-2 ※第2版で追加)
A.対象事業所において業務を行っていると判断できる場合は、法人本部の職員や役員(職員が一人でケアプラン作成を行う代表取締役など)であっても、賃金改善の対象に含めることができます。
Q.職場環境改善経費として何が認められるか?(問13、14、15)
A.研修費(職場環境改善に資するもの)や、介護助手等の募集経費(求人広告費、紹介会社の紹介手数料など)、業務改善のための専門家派遣費用や会議費などが対象となります。
Q.パソコン(PC端末)などの機器購入費用は対象になるか?(問16、17)
A.介護テクノロジー等の機器購入費用に充てることはできないため、PC端末等の購入費用は対象外です。法定の要件を満たす他の経費に充てる必要があります。

Q.審査にあたって書類(証拠資料)の提出は必要か?(問5)
A.一律での資料提出は求められませんが、各事業所で根拠資料(就業規則、研修計画、スクショなど)を用意し、2年間保存する必要があります。都道府県から求められた場合には速やかに提出しなければなりません。
Q.地域包括支援センターが居宅介護支援事業所に業務を委託している場合、どこが申請・還元するのか?(問12-2、12-4 ※第2版で追加)
A.申請は委託元である地域包括支援センターが行います。しかし、委託先の事業所も賃金改善の対象となり、センターに交付された補助金から原案作成委託料に相当する額を委託先へ支払い、そこで賃金改善を行ってもらうのが原則です。
今回の補助金制度により、実務を担う役員を含む幅広い職種への還元や、法定福利費増加分の補填、介護連携全体の底上げも見込まれます。
一方で予想される課題として、本補助金は情報端末や介護用機器の購入には一切使えないため、業務の電子化を進めるには別途資金確保が必要です。さらに、就業規則やシステム画面の保存画像などの根拠資料を事業所で2年間確実に保存する義務が生じるため、適切な管理体制の構築が必須となります。
事業所にとってのメリット・デメリットを理解し、補助金を有効的に活用していきましょう。
◆原文はこちらからご確認ください。
介護保険最新情報Vol.1475 「介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業に関するQ&A(第2版)」の送付について
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