この記事では、 介護職員処遇改善支援補助金にについてのQ&Aについてご紹介をします。
介護事業所向けに、介護職員等ベースアップ等支援加算について詳しくまとめました。
<目次>
1.介護職員等ベースアップ等支援加算とは
2.いくら上がるのか
3.仕組みづくりの前に
4.介護職員処遇改善補助金との違い
5.計画の申請から実績の報告まで
6.Q&A
7.まとめ
目次
◎対象期間
令和4年2月~9月の賃金引上げ分(以降も、別途賃上げ効果が継続される取組みを行う)
◎補助金額
対象介護事業所の介護職員(常勤換算)1人当たり月額平均9,000円の賃金引上げに相当する額。対象サービスごとに介護職員数(常勤換算)に応じて必要な交付率を設定し、各事業所の総報酬にその交付率を乗じた額を支給。
◎取得要件
• 処遇改善加算Ⅰ~Ⅲのいずれかを取得している事業所(現行の処遇改善加算の対象サービス事業所)
• 上記かつ、令和4年2・3月(令和3年度中)から実際に賃上げを行っている事業所(事業所は、都道府県に賃上げを実施した旨の用紙を提出。メール等での提出も可能)
• 賃上げ効果の継続に資するよう、補助額の2/3以上は介護職員等のベースアップ等(※)の引上げに使用することを要件とする(4月分以降。基本給の引き上げに伴う賞与や超過勤務手当等の各種手当への影響を考慮しつつ、就業規則(賃金規程)改正に一定の時間を要することを考慮して令和4年
2・3月分は一時金による支給を可能とする。)
※ 「基本給」又は「決まって毎月支払われる手当」
◎対象となる職種
• 介護職員
• 事業所の判断により、他の職員の処遇改善にこの処遇改善の収入を充てることができるよう柔軟な運用を認める。
◎申請方法
各事業所において、都道府県に介護職員・その他職員の月額の賃金改善額を記載した計画書(※)を提出。※月額の賃金改善額の総額(対象とする職員全体の額)の記載を求める(職員個々人の賃金改善額の記載は求めない)
◎報告方法
各事業所において、都道府県に賃金改善期間経過後、計画の実績報告書(※)を提出。
※月額の賃金改善額の総額(対象とする職員全体の額)の記載を求める(職員個々人の賃金改善額の記載は求めない)
上記介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&Aについて、令和4年1月 31 日に下記Q&Aが通知されています。
○賃金改善全般について
問1 令和4年2月分及び3月分の賃金改善は一時金等での対応も可とされているが、その場合、どの程度の賃金改善を行っている必要があるか。
(答)
毎月ごとに賃金改善額が補助額を上回ることを求めるものではないため、令和4年2月分及び3月分として見込まれる補助金額のすべてを、令和4年2月分及び3月分の賃金改善に充てる必要はない。
ただし、賃金改善実施期間全体で、補助金の合計額を上回る賃金改善を行うことが必要であるため、計画的に賃金改善を行うこと。
問2 「○月分の賃金改善」というのは、「○月に支払われる賃金を引き上げる」ということか。
(答)
賃金改善対象期間は、原則、令和4年2月分から9月分までとしており、「○月の労働に対する賃金を引き上げる」又は「○月に支払われる賃金を引き上げる」のいずれの方法もとりうるものであるが、現行の処遇改善加算等と異なる取扱いとならないよう注意が必要。
○ベースアップ等に係る要件について
問3 令和4年2月分から賃金改善を行うことが交付要件とされているが、令和4年2月分及び3月分の賃金改善は一時金で対応したとしても、4月分以降は毎月賃金改善を行うことが必要か。
(答)
令和4年2月分及び3月分の賃金改善は一時金で対応した場合であっても、令和4年4月分以降は、ベースアップ等による毎月の賃金改善を行うことが必要となる。
問4 ベースアップ等による賃金改善を開始した後に、利用者が想定よりも増えるなど、補助金の受給額が計画書作成時の見込額を上回り、ベースアップ等に充てるべき額が増加した場合、必要に応じて再度就業規則等を改正し、基本給又は決まって毎月支払われる手当を更に引き上げることが必要か。
(答)必要。
問5 時給や日給を引き上げることは、ベースアップ等の引上げにあたるか。
(答)
基本給が時給制の職員についてその時給を引き上げることや、基本給が日給制の職員についてその日給を引き上げることは、ベースアップ等の引上げに当たる。
問6 令和4年2月及び3月に一時金で賃金改善を行った場合、同年4月から9月までの6か月間においてベースアップ等に係る要件を満たしていればよいか。もしくは、同年2月から9月までの8か月間全体で当該要件を満たしている必要があるか。
(答)
令和4年2月及び3月に、ベースアップ等以外の賃金項目について賃金改善を行った場合であっても、同年2月から9月までの8か月間全体の賃金改善額の3分の2以上はベースアップ等に充てられている必要がある。
問7 ベースアップ等に係る要件については、「介護職員」と「その他の職員」のグループごとに満たす必要があるか。
(答)必要がある。
問8 賃金改善実施期間における賃金改善額について、「当該賃金改善に伴う法定福利費等の事業主負担の増加分を含むことができる」とされているが、法定福利費等の事業主負担の増加分は、ベースアップ等による賃金改善に含めてよいか。
(答)法定福利費等の事業主負担の増加分については、ベースアップ等による賃金改善には当たらないが、介護職員処遇改善加算等と同様に、ベースアップ等に充てた
額以外の分として賃金改善に含めることは可能である。
問9 賃金改善額の3分の2以上をベースアップ等に充てることが要件とされているが、ベースアップ等に充てた額以外の分について、用途制限はないのか。
(答)
賃金改善実施期間全体で、補助金の合計額を上回る賃金改善を行うことが必要であるため、ベースアップ等に充てた額以外の分についても、賞与や一時金等による賃金改善に充てなければならない。
問 10 「決まって毎月支払われる手当」とはどのようなものか。
(答)
決まって毎月支払われる手当には、労働と直接的な関係が認められ、労働者の個人的事情とは関係なく支給される手当を含むが、以下の諸手当は含まない。
・ 月ごとに支払われるか否かが変動するような手当
・ 労働と直接的な関係が薄く、当該労働者の個人的事情により支給される手当(通勤手当、扶養手当等)
問 11 就業規則等の改正が間に合わず、本年4月以降にベースアップ等による賃金改善が実施できない場合は本補助金の対象外となるのか。
(答)対象になる。
○その他の要件について
問 12 その他の職員の範囲は、事業所の判断で決められるのか。また、介護職員とその他の職員について、配分割合等のルールは設けられているか。
(答)
その他の職員の範囲は各事業所においてご判断いただきたい。また、本部の人事、事業部等で働く者など、法人内で介護に従事していない職員の取扱いについては、2019 年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.2)(令和元年7月 23 日)問 13を参照されたい。
なお、その他の職員にも配分を行う場合は、介護職員の処遇改善を目的とした補助金であることを十分に踏まえた配分をお願いしたい。
問 13 介護職員処遇改善加算(Ⅰ)、(Ⅱ)又は(Ⅲ)について、いつの時点で算定している必要があるか。
(答)
令和4年2月サービス提供分以降について算定している必要があり、令和4年2月サービス提供分について同加算を算定していない事業所については、本補助金の対象とはならない。
問 14 介護予防・日常生活支援総合事業について、現行の介護職員処遇改善加算を算定する枠組みがない市町村もあるが、現行の介護職員処遇改善加算(Ⅰ)、(Ⅱ)又は(Ⅲ)を算定していなければ、本補助金の支給対象にはならないか。
(答)
介護給付サービスにおける介護職員処遇改善加算と同様の加算が当該市町村において設定されており、事業所が当該加算を算定している場合は対象として差し支えない。
○処遇改善計画書・実績報告書について
問 15 令和4年2月分及び3月分のベースアップ等について、処遇改善計画書にどのように記入すればよいか。
(答)
ベースアップ等に係る要件については、賃金改善実施期間全体で満たしていればよいため、令和4年2月分及び3月分に限った記載を求めることとはしていない。
問 16 処遇改善計画書の「介護職員等の賃金の総額」には、介護職員処遇改善加算及び介護職員等特定処遇改善加算を取得し実施される賃金改善額並びに各介護サービス事業所等の独自の賃金改善額を含む額を記載するのか。
(答)含む記載を行う。
問 17 事業計画書の提出期限は令和4年4月 15 日、実績報告書の提出期限は令和5年1月 31 日となっているが、それぞれの提出開始時期はいつ頃を想定しているのか。
(答)
提出開始時期については、各都道府県に従う。
問 18 前年度の介護職員等の賃金の総額は、前年度から事業所の介護職員等が入れ替わりや増員等があった場合、どのように考えればよいか。
(答)
2019 年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.4)(令和2年3月 30 日)問4及び令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(令和3年3月 19 日)問 22を参照されたい。
○その他
問 19 賃金改善開始月に、都道府県に対して賃金改善開始の報告様式を提出するのはなぜか。
(答)
当該報告については、令和4年2月分及び3月分の賃金改善を行っていることを担保するため、令和4年4月 15 日までの提出としている処遇改善計画書に先立って提出いただくこととしている。
そのため、原則として令和4年2月末日までの報告を求めているが、
・ 令和4年3月分とまとめて同年2月分の賃金改善分の支給を行う場合は、同年3月末日までの報告とすること
・ また、やむを得ない事情により、令和4年2月分から賃金改善を行っているにもかかわらず未報告であった場合には、処遇改善計画書の提出時に併せて報告を行うこと
とする。
問 20 補助額の算出に用いる総報酬には、介護職員処遇改善加算及び介護職員等特定処遇改善加算分を含めたものか。
(答)含めたものとする。
問 21 原則として、令和4年2月分から賃金改善を実施することが要件とされており、本年4月以降に新規開設する事業所は令和4年2・3月分の賃金改善を行うことができないが、本補助金の対象となるか。
(答)本年4月以降に新規開設する事業所については、その他の要件を満たす場合には、本補助金の対象となる。
問 22 以下の①から③に該当する事業所について、本補助金の対象となるか。
① 令和4年2月分の賃金改善を実施したが、同年3月に事業所を休廃止した場合
② 令和4年2月分から4月分まで賃金改善を実施し、同年4月に処遇改善計画書を提出したが、同年4月末に事業所を休廃止した場合
③ 令和4年2月分から5月分まで賃金改善を実施し、同年4月に処遇改善計画書を提出し、同年5月に交付決定が行われたが、同年5月末に事業所を休廃止した場合
(答)
①の場合は、交付申請時に事業所が存在しない、又は休止中のため、対象とならない。
また、②及び③の場合は、当該事業所に実績報告書の提出を求め、本補助金の支給要件を満たすことが確認できた場合には、対象となる。
問 23 令和4年3月分から本補助金の対象とすることは可能か。
(答)
令和4年2月分から賃金改善を行うことや、令和4年2月サービス提供分以降について介護職員処遇改善加算(Ⅰ)、(Ⅱ)又は(Ⅲ)を算定していること等の要件を満たさない場合には、本補助金の対象とはならない。
問1 令和4年2月分及び3月分について一時金で賃金改善を行った場合、当該改善分をベースアップ等による賃金改善として取り扱うことは可能か。
(答)
令和4年2月分及び3月分について一時金で賃金改善を行った場合においても、当該対応が、単に就業規則等の改定がなされていないことのみの違いであるなど、同年4月分以降に行うベースアップ等による賃金改善を見越した対応である場合には、2月分及び3月分の一時金による賃金改善のうち、同年4月分から9月分までの間のベースアップ等による賃金改善分に相当する額をベースアップ等による賃金改善分に含めることとして差し支えない。
<例>
4月以降のベースアップ等による賃金改善額の平均が各月 7,000 円であって、2月分及び3月分の一時金による賃金改善が 18,000 円である場合、ベースアップ等による賃金改善分に含めることが可能なのは、2か月分の 14,000 円(7,000 円×2)までとなる。
問2 本事業における補助金の支出事務について、都道府県から国保連合会に委託することは、地方自治法施行令(昭和 22 年政令第 16 号)第 165 条の3第1項により、認められるか。
(答)
地方自治法施行令第 161 条第1項第 12 号に規定する「非常災害のため即時支払を必要とする経費」に該当するものとして認められる。なお、本件については、総務省自治行政局行政課と協議済みである。
今回のQ&Aでは、例えば4月以降のベースアップによる賃上げの平均が各月7000円であって、2月分、3月分の一時金による賃上げが1万8000円の場合、ベースアップによる賃上げに含めることができるのは、2ヵ月分の1万4000円(7000円×2)というような具体的な例が出ています。
また、これまで6月以降どのように支払われるかという事が示されていませんでしたが、国保連を介しての支払いが協議済みであるということから、支払いは国保連経由になるということが予想されます。
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