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【令和4年】介護職員処遇改善支援補助金の注意点

2022-01-01

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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この記事では、令和3年12月24日に発表のあった、介護職員処遇支援補助金の注意点についてご紹介します。

介護職員処遇改善支援補助金とは

コロナ克服・新時代開拓のための経済対策(令和3年11月19日閣議決定)に基づき、介護職員を対象に、賃上げ効果が継続される取組を行うことを前提として、収入を3%程度(月額9,000円)引き上げるための措置を、令和4年2月から前倒しで実施するために実施されます。

また、この補助金は 他の職員の処遇改善にこの処遇改善の収入を充てることができるよう柔軟な運用を認めるという案になっています。

申請にあたっての注意点

対象となる期間

期間は令和4年2月~9月の賃金引上げ分ですが、10月以降も、別途賃上げ効果が継続される取組みを行うことが補助を受ける条件です。

10月以降の取り組みが継続されない場合は返還の対象となり得ることに注意が必要です。

取得要件

処遇改善加算Ⅰ~Ⅲのいずれかを取得している事業所
• 上記かつ、令和4年2・3月(令和3年度中)から実際に賃上げを行っている事業所
• 賃上げ効果の継続に資するよう、補助額の2/3以上は介護職員等のベースアップ等の引上げに使用することを要件とする

(4月分以降。基本給の引き上げに伴う賞与や超過勤務手当等の各種手当への影響を考慮しつつ、就業規則(賃金規程)改正に一定の時間を要することを考慮して令和4年2・3月分だけは一時金による支給を可能とする。)

2月3月は一時金による支払いが認められていますが、4月以降は、基本給の引き上げに2/3を使用しなければいけません。

申請方法の注意点

各事業所において、都道府県に介護職員・その他職員の月額の賃金改善額を記載した計画書(※)を提出。※月額の賃金改善額の総額(対象とする職員全体の額)の記載を求める(職員個々人の賃金改善額の記載は求めない)

10月以降引き続きの取り組みが必要になることから就業規則等の訂正時間を鑑み、4月頃の期限になる予定。

報告方法の注意点

各事業所において、都道府県に賃金改善期間経過後、計画の実績報告書(※)を提出。※月額の賃金改善額の総額(対象とする職員全体の額)の記載を求める(職員個々人の賃金改善額の記載は求めない)

交付方法の注意点について

実際の申請は、令和4年4月から受付、6月から補助金を毎月分交付というスケジュールになります。

2月から毎月賃金を改定する場合は、補助金が入るまでのタイムラグも念頭におかなければいけません。

最大の注意点

この通知文を確認すると、下の方に以下の文言が入っています。

『現行の処遇改善加算等の単位数は、基本報酬に、処遇改善加算及び特定処遇改善加算以外の加算・減算を加えた単位数に、加算率を乗じて算出。
今回は、報酬とは別の補助金のシステムを用いることとしているが、できる限り速やかに事業所へ補助金を交付する観点から、総報酬に上記交付率を乗じることで交付額を算出。(各介護サービス種類ごとの介護職員数に応じて、月額平均9,000円相当の額を交付できるようにしている点は同様。)10月以降の加算率については、引き続き調整・検討予定。』

つまり、令和4年10月に介護報酬改定が有ることを意味しています。

また、今回の基本給賃上げの取り組みを行った後、10月に介護報酬に組み込む形も想定されるという事です。

予め賃上げを行わせ、10月以降も介護報酬の中に組み込み、その使い道は『基本給の賃上げをメインに行う事』というレールがひかれた加算です。

 

最後に

介護に従事している職員の賃金を上げることはとても大切な事です。

しかしながら、それと同時に『介護事業所の利益を上げる』ことが出来なければ、結局のところ安定して介護サービスを提供することはできません。

今回の補助金は、介護職員の基本給を上げるために用意され、10月以降は検討する・どうするかわからないと言いながら、『就業規則の改定』まで求めています。

万が一10月以降にこの補助金がなくなれば、介護事業所は職員に基本給が上がったまま賃金を支払わなければいけないという事です。

賃金を上げることとと同時に、利益を上げていくことを考えなければいけません。

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