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訪問介護員(ホームヘルパー)とは?仕事内容や必要資格、働き方について解説!

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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ホームヘルパーとは、介護が必要な方の自宅にて日常生活をサポートする仕事です。介護施設では介護資格がなくても働くことはできますが、利用者の自宅に訪問するホームヘルパーの仕事には介護職員初任者研修以上の資格を取得する必要があります。

この記事ではホームヘルパーの仕事に興味がある人に向けた内容を詳しく解説をしています。仕事内容や資格取得の方法、給料や働くメリットについても紹介するので、これからホームヘルパーになりたい人を後押しする内容です。迷われている方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

訪問介護員(ホームヘルパー)とは?

ホームヘルパーと聞いても、介護施設での働き方と何が違うのか分からないことがほとんどです。以下では、ホームヘルパーの仕事内容やできない業務について解説をしています。参考にしてみてください。

訪問介護員(ホームヘルパー)の仕事内容は?

ホームヘルパーの仕事は大きく分けると、「身体介護」「生活支援」「通院等乗降介助」の3つに分けられます。

身体介護は排泄や食事、入浴、身体に触れる介助、それに関わる準備が対象のサービスです。生活援助は掃除や洗濯、買い物や調理まで利用者の身体に触れない支援のことをいいます。通院等乗降介助はホームヘルパーが自ら運転して、利用者と病院へ一緒に向かい、移動支援や受診手続きを介助します。

利用するサービスによっては介護施設での業務とは異なり、利用者と触れ合う時間は少ないです。利用者の軸となる生活をしっかり支える役割があるので、責任感を持ちながら支援にあたる必要があります。

訪問介護員(ホームヘルパー)ができないことは?

ホームヘルパーは利用者が日常生活を送るために必要な支援を提供しますが、利用者本人以外の人が支援を行わなくても日常生活を送ることができる頼みごとや、日常生活の家事に関係がないことは介護保険法により支援が行えません。

例えば、買い物支援で趣味の本を買う、部屋のワックスがけ、利用者以外の方が食べる食事の準備などが挙げられます。介護保険外の支援を頼みたい場合は介護保険を使わない自費サービスを使う必要があります。

介護保険外サービスの利用は事業所によって行っていないこともあるので、まずは担当ケアマネや介護施設に問い合わせないといけません。利用料も事業所によって異なりますが、介護保険サービスと比較すると高額で全額利用者の負担になります。

訪問介護員(ホームヘルパー)の働き方とは?

ホームヘルパーの働き方や給料は介護施設とは少し異なります。以下では、ホームヘルパーの働き方について解説をしていきます。ぜひ、参考にしてみてください。

訪問介護員(ホームヘルパー)の働き方

ホームヘルパーとしての役割は利用者に日常生活を送って頂くことにあります。

しかし、ホームヘルパーとして働く利点の一つに、時間区切りで働けるパートとしても働きやすい環境があることがあげられます。ホームヘルパーには様々な雇用形態があり、いずれも常勤や非常勤など介護士側にも働きやすい方法を選ぶことができます。

ホームヘルパーを副業として選ぶ介護士さんも多く、メインをデイサービスで休みの日に少しの時間をホームヘルパーとして活動されている方などさまざまです。以下では雇用形態について解説します。

直接雇用

直接雇用とは、勤務先の法人会社に正社員やパートとして就職する働き方のことを指します。

正社員の場合は、事務所に出勤してから利用者さんの自宅に向かい支援を行うことがほとんどです。支援の時間以外では事務所に戻り、事務の仕事や営業活動など介護士の仕事以外にもやることは多くあります。

パートの場合は自宅から直接利用者の自宅に向かうことがほとんどで、支援以外の時間は自宅に戻り家事もできるので、自由度の高さが魅力です。

登録ヘルパー

訪問介護士や訪問看護師の特有の働き方になります。勤務先にホームヘルパーの登録をしておくことで、決まった時間や曜日だけ、勤務先と相談しながら働くことが可能です。

利用者の支援内容と自分のやりたい支援が噛み合った時に仕事に入れたり、自宅から直接利用者の家に向かうこともできるので、より自由度の高い働き方を選ぶことができます。ほかの介護の仕事と掛け持ちで行いやすい働き方です。

なお、雇用形態自体は直接雇用と同様であり、非常勤として扱われることがほとんどとなります。

派遣ヘルパー

派遣会社に登録して、派遣会社を経由して別の会社で勤務する働き方です。勤務先で提示された勤務条件で働くことになりますが、ほかのパートの時間給と比べると高い傾向にあります。

近年は介護施設はどこも人材不足に悩まされていて、高い時給でも人材を確保したい傾向があります。しかし、派遣ヘルパーは契約期間が定められているので契約の更新をされないと、次の職場を探さないといけないところがデメリットになるでしょう。

訪問介護員(ホームヘルパー)の給料は、平均年収441万円ほど

ホームヘルパーの平均年収は約441万円でした。しかし、勤務先や勤務エリア、経験やスキルによっても差が出ます。例えば、平均年収がもっとも高いのは関東エリアの東京です。年収が低い水準である熊本県とは約100万円の開きがあります。

年収や月給は資格を取得したり勤続年数を重ねることにより、増やすことが可能です。もし、お金面での不安があれば、求人情報で勤務条件にこだわったり、キャリアプランを考えたりしておくことが大切です。

訪問介護員(ホームヘルパー)の需要は継続して高い

2000年に介護保険制度がはじまって以来、高齢者の住まいは変化しています。介護施設に入ることにも抵抗がある方ももちろんいらっしゃいますが、「年を重ねても、自分らしく生活がしたい」というニーズに応えるために、ホームヘルパーを利用したいという方は多くいます。

ホームヘルパーには資格が必要な特徴もありますが、資格さえあれば自分の都合に合わせた働き方もでき、比較的簡単に仕事に就くことが可能です。訪問介護事業所は高齢者向け住宅と併設されていることも増えてきているので、ホームヘルパーの仕事はこれからも必要とされていくと考えられています。

訪問介護員(ホームヘルパー)になるには?

以下では、ホームヘルパーとして働くのに必要な資格を紹介していきます。ぜひ、参考にしてみてください。

介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)|介護の入門資格

介護職員初任者研修は介護に関する入門的な資格に位置付けられています。介護職として働くために必要な基礎知識や技術を学び、介護のプロとして現場で働くことが可能です。

講義と演習を合わせた約130時間の学習を修了することで資格を得ることができます。資格を取得することで「身体介護」の仕事を行うことができ、ホームヘルパーとして働くには必須資格となっています。

介護士の仕事をしていなくても、家族介護に役立つため、一般の受講者も多くいるのが特徴です。

介護職員実務者研修(旧ホームヘルパー1級)|初任者研修の上位資格

介護福祉士は介護業界において唯一の国家資格になります。受験するには「実務経験ルート」「福祉高校ルート」「養成施設ルート」「EPAルート」の4つのルートがあります。

実務経験ルートは介護職員実務者研修の資格を取得した後に、3年以上かつ540日以上の従事実績が必要です。福祉高校ルートは、高校の卒業と同時に介護福祉士国家試験の受験資格を得ることができます。養成施設ルートは、大学や短大、専門学校で所定の課程を修了した後に、受験資格を得ることができます。

EPAルートはEPA介護福祉士候補者を対象としたものです。インドネシア人、フィリピン人、ベトナム人が該当し、3年以上の実務経験を積み、受験資格を得ることができます。

介護福祉士国家資格は合格率も高く、取得することでキャリアアップにも繋がることができる資格です。

生活援助従事者研修|生活援助について知識を高める資格

生活援助従事者研修とは、生活援助サービス「掃除、洗濯、調理」を専門に行う人材を確保するための資格になります。

「身体介護」を行う支援は介護職員初任者研修の資格が必要ですが、生活援助従事者研修は高齢者の家事等の支援を中心に仕事がしたい人にはオススメの資格になります。取得に必要な時間は59時間と少ないため、忙しい方などには取得しやすい資格です。

資格取得の費用を抑えるためには?

介護福祉士の国家資格は独学で勉強することもできます。しかし、介護職員初任者研修や介護職員実務者研修を受講するためには約10万円の費用がかかります。

「受講料がかかるのであれば、受けないでおこうかな」と思われている方のために費用を抑えるための方法を紹介します。ぜひ、参考にしてみてください。

研修を受講している研修機関の助成金制度を使う

介護施設が研修を実施している場合は、研修終了後に研修先に就職することで、かかった費用を返還してくれる制度があります。対象の資格や返金額、勤続期間などは事業所によって異なるので受講前や就職前に確認しておく必要があります。

自治体の助成金制度を使う

自治体などが金額を負担してくれる場合もあります。

介護士の数は全国的にみても少なく、多くの自治体が介護資格の取得を推進しています。対象の資格や助成金額は自治体によっても異なり、条件に介護施設で働くことを求められる場合もあるので詳細を調べておくことが大切です。

一般教育訓練給付金の対象となっている講座を選ぶ

一般教育訓練給付金とは、厚生労働省が指定する資格を取得することでかかった費用の20%(上限10万円)が支給されます。

一般教育訓練給付金は被保険者期間が3年以上ある方が対象となります。一般教育訓練給付金の対象となるかを調べるためには職業安定所や厚生労働省のHPにて確認することが可能です。

公的職業訓練(ハロートレーニング)を活用する

公的職業訓練は原則受講費用が無料で受講できます。受講に必要なテキストは自己負担になりますが、受講中は所得保障として失業手当や職業訓練手当を受け取ることも可能です。

失業中の方は公的職業訓練を活用することで自身の技術や知識を深めることができます。必要な要件もあるので、まずは職業安定所に相談にいくことが大切です。

事業所でおこなっている資格取得支援制度を活用する

働きながら資格をとってキャリアアップしたい人は、従業員の資格取得支援を行っている介護施設で働くことをオススメします。
介護施設によっても異なりますが、費用の一部や全額を補助してくれることがあります。また、通学時に休めるようにシフトを組み、資格取得に向けたバックアップ体制も取れている事業所もあります。

面接時に相談してみたり、Webサイトなどで内容を確認しておいたりするとスムーズに支援を受けることが可能です。

訪問介護員(ホームヘルパー)として働くメリット

働く場所や時間、働き方が選びやすい

ホームヘルパーの魅力は働く時間や働く場所が多彩なところにあります。

介護事業所に常勤する正社員や契約社員だけでなく、登録ヘルパーとして時間に融通のきく働き方を選ぶことも可能です。プライベートを大切にした働き方や、子育てとの両立もしやすいことが魅力です。時間に縛られたくない方におすすめの職種になります。

利用者と深く関わりながら個別ケアができる

訪問介護は利用者の自宅に伺うときは一人の場合がほとんどです。利用者一人一人、自宅の設備や環境が違うので、どんな支援が適正かを常に考えながら働く必要があります。

例えば、利用者の体調が悪いと感じた場合は事業所に報告をして、対応を変える必要があり、常に上司との連携が求められます。

色々なケースに対応していくと、臨機応変に動けるようになるので介護士としての成長をすることができます。利用者と距離も近いので、やりがいを感じられるところも魅力の一つです。

自宅での介護経験がキャリアとして活かせる

ホームヘルパーは基本的に一人で利用者の自宅に向かうので、職場の人間関係に悩まされることはありません。

介護施設のように、設備が整った環境で介護をする訳ではないので、臨機応変な対応を求められるようになります。施設のように型にハマった支援より、自身で考える支援が求められます。ホームヘルパーで得た経験は必ず介護の現場で活かすことができるでしょう。

また、ライフスタイルに合わせた活動もできるので、子育て中に介護士に戻りたい方にもおすすめです。

まとめ|訪問介護員(ホームヘルパー)は介護業界の中でも働きやすく需要も高い

ホームヘルパーは大きなやりがいを持つことができる仕事です。利用者から感謝の言葉や笑顔を投げかけてもらえることは、何にも変え難い喜びがあります。

ホームヘルパーとして経験を積み、上位の資格取得にチャレンジしていくことでキャリアアップにも繋げることも可能です。ケアマネージャーやサービス提供責任者の役職に就くことで、より多くの人の助けにもなるため、日々の努力は必要不可欠です。

もし、介護施設の仕事に戻ることがあったとしても、ホームヘルパーの経験を活かすこともできるでしょう。高齢社会が進んでいますが、年を重ねても自分らしい生活、人生を歩みたいと思っている方がほとんどです。

ホームヘルパーの仕事はこれからも需要は高まり続けていきます。興味がある方はぜひ、介護施設に相談してみることをおすすめします。