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サービス管理責任者の仕事内容や給与について!なるために必要な資格などもご紹介!

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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障がい福祉サービスを提供する事業所では、必ずサービス管理責任者を配置しなければいけません。しかし、サービス管理責任者の仕事内容や必要な資格などがわからずに困っている方も多いでしょう。この記事では、サービス管理責任者の仕事内容や給与について解説します。この記事を読むことで、サービス管理責任者に向いている人の特徴もわかります。ぜひ最後までお読みください。

 

サービス管理責任者とは

サービス管理責任者とは、障害者総合支援法における各サービス事業所に配置される責任者です。厚生労働省の資料には、サービス管理責任者の役割について以下の記述があります。

 

『① 個々のサービス利用者のアセスメントや個別支援計画の作成、定期的な評価などの一連のサービス提供プロセス全般に関する責任

② 他のサービス提供職員に対する指導的役割』

 

引用:厚生労働省「障害福祉サービスにおけるサービス管理責任者について」

 

各障害福祉サービス事業所でサービス管理責任者の配置基準が定められています。通常、利用者60名に対して1名のサービス管理責任者を配置する必要がありますが、グループホームの場合は利用者30名に対して1名を配置しなければいけません。

サービス管理責任者の仕事内容

サービス管理責任者の仕事内容は、個別支援計画書の作成と実施、関係期間との連携、現場職員への指導・助言、支援状況の確認、相談業務などです。各業務の内容について解説します。

個別支援計画書の作成・実施

サービス管理責任者の仕事のひとつとして、個別支援計画書の作成と実施が挙げられます。個別支援計画書とは、サービス利用者に対して支援計画を立てる際に作成する書類です。

個別支援計画書には、利用者や家族との面談から得られた情報や、現状抱えている課題、事業所で支援していく内容などを記載しています。

原則として、サービス管理責任者が個別支援計画書を作成する必要があるのですが、人数が多くて利用者全員からじっくりと情報収集ができない場合、現場職員から得た情報をもとに計画書を作成することもあるようです。

 

関係機関との連携

サービス管理責任者は関係機関と連携を取る際に活躍します。

障がい者に対してサービスを提供する場合、利用者の生活を支えるために多くの関係機関と連携しなければいけません。その際に、連絡を取る窓口となっているのがサービス管理責任者です。

特に、就労支援事業所の場合、就労先との連携も重要になってきます。サービス管理責任者となった職員は、事業所の顔として外部で活動する機会も多いため、言動や行動には注意しましょう。

 

現場職員への指導・助言

サービス管理責任者は、各事業所のサービスを円滑に提供するため、現場職員への指導・助言を行うことも求められます。

介護や福祉の仕事は、基本的にチームで行います。職場内での連携が、そのままサービスの品質に影響を与えることもあるでしょう。

障害福祉サービスの職員が一体となって業務を遂行できるように、指導や助言を行っていくこともサービス管理責任者の大切な仕事のひとつです。

支援状況の確認

障害福祉サービスは、在宅生活をしている利用者の生活を支える仕事です。そのため、利用者の生活環境や身体機能などの変化に合わせて、提供するサービス内容を柔軟に変化させなければいけません。

サービス管理責任者は、定期的に利用者への支援状況を確認し、必要であれば支援方法の見直しや修正を行います。

毎日のように利用者と接している職員は、視野が狭くなり、問題を見落としてしまうこともあります。サービス管理責任者が、客観的視点を持って支援状況を確認すれば、現在提供されている支援内容の問題点や修正すべき点が見えてくるでしょう。

相談業務

サービス管理責任者は、外部からの問い合わせに対する窓口となることも多いでしょう。生活に困っている障がい者の方や、ご家族からの相談に対して丁寧に対応しなければいけません。

施設について問い合わせがあった場合、事業所のサービス内容や利用方法などについて説明し、必要であればそのまま利用につなげることもあります。

サービス管理責任者は、施設の顔となる役割もあります。外部からの意見に対して真摯に向き合い、責任を持って対応しましょう。

サービス管理責任者になるには

サービス管理責任者になるためには、実務経験を満たしたうえで指定された研修を修了する必要があります。サービス管理責任者になるための要件と研修内容に関して解説します。

実務経験

サービス管理責任者になるためには、相談支援従事者初任者研修とサービス管理責任者等研修を修了する必要があります。しかし、研修を受講するためには実務者要件を満たしていなければいけません。受講するために必要な実務者要件は以下の表をご参照ください。

 

サービス管理責任者等研修を受講するための実務者要件

資格要件

相談支援経験

直接支援業務

資格なし

5年かつ900日

8年かつ1,440日

有資格者
(社会福祉主事、ヘルパー2級以上、児童指導員任用資格、保育士)

5年かつ900日

国家資格

(医師、保健師・看護師、OT・PT・ST、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、あんま・はり・きゅう・柔道整復師、視能訓練、義肢装具、歯科衛生士、栄養士、管理栄養士)

3年かつ540日かつ国家資格による業務に3年以上従事

 

実務経験を証明する書類として、実務経験証明書を受講時に提出しなければいけません。実務経験証明書は、過去に就業していた会社が発行します。過去に就労していた会社と連絡が取れない状況だと研修を受講できないおそれがあるため注意しましょう。

 

受講する研修

サービス管理責任者として従事するためには、相談支援従事者初任者研修とサービス管理責任者等研修という2種類の研修を修了しなければいけません。

相談支援従事者初任者研修の目的は、相談支援専門員として働くために必要な知識や援助技術を習得することです。講義の中では、各障害福祉サービスについて学びます。

サービス管理責任者等研修は、サービス分野ごとに講義が開催されており、それぞれ内容が異なるため注意しましょう。

研修は基礎・実践・更新の3つに分かれており、相談支援従事者初任者研修講義部分の一部とサービス管理責任者等基礎研修を受講後、サービス管理責任者として配置できるようになります。また、一度受講したあとも5年ごとに更新研修を受講しなければいけないため注意しましょう

サービス管理責任者が働く場所

サービス管理責任者には、介護、地域生活(身体)、地域生活(知的・精神)、就労という4つの分野があります。また、4つの分野ごとに、それぞれ従事できる障害福祉サービスの種類が異なります。そのため、就業予定の障害福祉サービスに応じた分野のサービス管理責任者等研修を受講しなければいけません。分野ごとに従事できる障害福祉サービスを紹介します。

 

サービス管理責任者と障害福祉サービスの種類

サービス管理責任者等研修の種類

障害福祉サービスの種類

介護

療養介護、生活介護

地域生活(身体)

自立訓練(機能訓練)

地域生活(知的・精神)

自立訓練(生活訓練)、グループホーム(共同生活援助)

就労

就労移行支援、就労継続支援(A型)、就労継続支援(B型)

 

参考:厚生労働省「障害福祉サービスについて」

介護

介護分野のサービス管理責任者が従事できるのは、療養介護と生活介護です。

療養介護とは、医療機関に入院している障がい者に対して、日中の身体介護や機能訓練などを提供する障害福祉サービスです。

生活介護とは、障がい者支援施設などで生活している方に対して、身体介護や生活援助を提供する障害福祉サービスです。

地域生活(身体)

地域生活(身体)分野の研修を修了したサービス管理責任者は、自立訓練(機能訓練)を提供する障害福祉サービスの管理者として従事できます。

自立訓練(機能訓練)とは、入居施設に入所している障がい者や自宅に住んでいる障がい者に対して、リハビリ支援や相談、助言などの支援をする事業所です。機能訓練を実施するため、理学療法士や作業療法士などの専門職が配置されています。

自立訓練(機能訓練)を提供する事業所のサービス管理責任者は、専門職と連携して利用者を支援していきましょう。

地域生活(知的・精神)

地域生活(知的・精神)分野の研修を修了したサービス管理責任者は、自立訓練(生活訓練)とグループホーム(共同生活援助)の管理者として従事できます。

自立訓練(生活訓練)とは、知的障がいや精神障がいを持っている方へ対して、自立した日常生活を営むために必要な訓練や、生活等に関する相談や助言などを行うサービスのことです。居宅を訪問するサービスや、通所事業所で提供する場合もあります。

グループホーム(共同生活援助)とは、共同生活を営むべき住居において行われる相談、入浴、排せつ又は食事の介護など、必要な日常生活上の援助を行っている事業所です。

 

就労

就労分野のサービス管理責任者は、就労移行支援、就労継続支援(A型)、就労継続支援(B型)の管理者として従事できます。

就労移行支援とは、就労を希望する障がい者に対して、生産活動や職場体験などの機会を通して就労に必要な能力を身につけるためのサービスです。

就労継続支援とは、就労や生産活動によって、就労に必要な知識や能力を向上させることを目的としたサービスです。就労継続支援にはA型とB型の2種類があり、2つの事業所は雇用契約において異なる特徴があります。就労継続支援A型では利用者と雇用契約を結んで工賃を支払い、就労継続支援B型事業所では雇用契約を結ばずに工賃を支払います。

 

サービス管理責任者の給与

厚生労働省の資料「障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果の概要」によると、全事業所におけるサービス管理責任者の平均給与額は38万8340円でした。

また、同資料では、特定処遇改善加算を算定している事業所における平均給与は39万9100円という結果も出ています。

サービス管理責任者の給与額は、従事する事業所が算定する加算などの条件によって異なります。また、事業所のある場所によっても給与の水準が異なるので、全国平均値はひとつの目安として考えておくとよいでしょう。

研修の申し込み方法

研修の申し込み方法は、各都道府県によって異なります。一般的に、各都道府県から研修を委託された事業者が開催するので、詳細な情報は各都道府県の窓口に問い合わせるとよいでしょう。

ただし、研修の受け入れ人数に限りがあり、希望しても定員を超過している理由で断られる場合もあります。今後、サービス管理責任者等研修を受講しようと考えている方は、余裕をもって申し込むとよいでしょう。

 

サービス管理責任者に向いている人

サービス管理責任者は事業所全体の状況を把握しつつ、現場職員の調整や、外部機関の方との連携が取れる人でなければいけません。

責任感があって、複数のタスク処理が得意な人がサービス管理責任者に向いているでしょう。また、外部機関の方や家族とコミュニケーションを取る機会も多くなるので、コミュニケーション能力も必要です。

 

まとめ

この記事では、サービス管理責任者の概要と必要な資格などについて解説しました。サービス管理責任者は、障害福祉サービス事業所の管理をする役割があります。個別支援計画書の作成や現場職員のマネジメントだけでなく、外部機関との連携や相談業務もサービス管理責任者の業務の一部です。

厚生労働省のデータによると、サービス管理責任者の平均給与額は38万8340円でした。サービス管理責任者の給与は、各施設が取得している加算や地域性によって異なります。詳細な給与は各事業所へ問い合わせましょう。

サービス管理責任者は5つの分野に分かれており、分野ごとに従事できる障害福祉サービスが異なります。実務経験のある職員が相談支援従事者初任者研修とサービス管理責任者等研修を修了することで、サービス管理責任者として従事できるようになります。

現場管理業務が得意で、コミュニケーション能力の高い方はサービス管理責任者に向いているでしょう。

 

障害居宅系サービス事業所向け
障害者総合支援法完全理解マニュアル
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障害居宅系サービス事業所向けに、障害者総合支援法についてまとめました!
<目次>
1)障害者総合支援法とは
2)平成30年度の障害福祉サービス等報酬改定
3)令和3年度の障害福祉サービス等報酬改定
4)令和4年度の障害福祉サービス等報酬改定
5)令和6年度の障害福祉サービス等報酬改定
6)まとめ

 

参考資料

厚生労働省「障害福祉サービスにおけるサービス管理責任者について」

厚生労働省「サービス管理責任者等研修制度について」

厚生労働省「相談支援専門員及びサービス管理責任者等の研修制度の見直しについて」

 

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