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2026年(令和8年)2月18日、厚生労働省より令和8年度の障害福祉サービス等報酬改定の概要が示されました。今回の改定は、政府の経済対策を踏まえた「期中改定」であり、障害福祉現場で働く職員の賃上げが最大の目的です。
重度訪問介護事業所にとって特に重要となる「処遇改善加算の拡充」と「国庫負担基準の見直し」について、速報としてポイントを解説します。
今回の改定の核心は、人材確保と処遇改善です。
これまでの「福祉・介護職員」だけでなく、事務職なども含めた「障害福祉従事者」全体に対象が拡大されました。
・従事者へのベースアップ:月額1.0万円相当(3.3%)の賃上げ
・生産性向上・協働化への上乗せ:月額0.3万円相当(1.0%)の追加賃上げ
これに定期昇給分(0.6万円)を合わせ、最大で月額1.9万円(6.3%)の賃上げを実現する仕組みとなると言われています。(報酬改定分のみで言うと1.3万円程度)
また、令和8年度のその他改定の案についてはこちらもご参照ください。
参考:令和8年度における臨時応急的な見直し
これらを実現するために、処遇改善加算の区分と加算率が大きく変わります。
従来の区分に加え、「生産性向上」や「協働化」に取り組む事業所を評価する新しい区分(イ・ロ)が設定されました。
新区分 | 要件のイメージ | 加算率 |
Ⅰイ | キャリアパスⅠ〜Ⅳ+職場環境+生産性向上等 | 38.2% |
Ⅰロ | キャリアパスⅠ〜Ⅳ+職場環境 | 37.2% |
Ⅱイ | キャリアパスⅠ・Ⅱ+職場環境+生産性向上等 | 36.7% |
Ⅱロ | キャリアパスⅠ・Ⅱ+職場環境 | 35.7% |
Ⅲ | (従来のⅢ相当) | 30.2% |
Ⅳ | (従来のⅣ相当) | 24.8% |
※表は資料の数値(37.2%,38.2%,35.7%,36.7%,30.2%,24.8%)を、新制度の構造(生産性向上がある「イ」が高くなる仕組み)に基づいて整理したものです。
ポイント:上位の加算(Ⅰイ・Ⅱイ)を取得するには、ICTの活用や業務効率化といった「生産性向上」の取り組みが必要になります。
重度訪問介護を利用する上で欠かせない「国庫負担基準」も、処遇改善加算の引き上げに連動して改定されます。
これにより、長時間の支援が必要な利用者を受け入れやすい環境が維持・強化されます。
障害支援区分 | 現行(令和6年4月〜) | 改定後(令和8年6月〜) |
区分6 | 62,050単位 | 63,040単位 |
区分5 | 36,270単位 | 36,850単位 |
区分4 | 28,940単位 | 29,400単位 |
区分6の利用者1人あたり、月額で約1,000単位(地域区分によりますが約1万円〜)の枠が増加することになります。
・施行時期:令和8年(2026年)6月
・新加算の届出:生産性向上要件(ICT導入や見守り機器の活用など)を満たせるか確認しましょう。
・賃金規定の見直し:対象が「全従事者」に広がるため、事務員なども含めた賃金改善計画の策定が必要です。
今回の改定は、深刻な人材不足に対応するための緊急的な措置という側面が強いです。
特に重度訪問介護は人材の確保がサービスの維持に直結するため、このプラス改定を最大限活用し、ヘルパーの待遇改善と採用強化につなげていくことが重要です。
a)現行のキャリアアップ要件Ⅳ(経験・技能のある障害福祉人材のうち1人以上は、賃金改善後の賃金額が年額440万円以上)について、直近の全産業平均水準の状況を踏まえ、年額460万円以上であること
b)職場環境等要件について、現行の要件に加えて、全体から更に1つ以上(14以上)取り組むこと
(※)上記いずれも、令和8年度中の対応の誓約で算定可能です。ただし実績報告書により確認が行われることもあり、未対応が確認された場合には加算額の一部又は全部を返還させるとしています。
ア)現行の職場環境等要件の生産性向上に関する取組について5つ以上取り組むこと
(必須要件:現行の⑱(現場の課題の見える化)+㉑(業務支援ソフト・情報端末の導入))
イ)社会福祉連携推進法人に所属していること
ウ)加算Ⅱロ相当の加算額の2分の1以上を月給(基本給又は決まって毎月支払われる手当)の改善に充てていること
(※)ア・ウは、令和8年度中の対応の誓約で可とし、実績報告書により確認することとしたうえで、未対応が確認された場合には加算額の一部又は全部を返還させることとする。
(※)特例要件を満たす事業所は、加算Ⅰ~Ⅳで求められるキャリアパス要件や職場環境等要件については、令和8年度中の対応の誓約で算定可能です。
ただし実績報告書により確認が行われることもあり、未対応が確認された場合には加算額の一部又は全部を返還させるとしています。
※参考
処遇改善加算や上乗せ加算を算定するには、要件整備・証明書類の提出や誓約書の整備等の事務的対応が必須です。
既存の居宅介護事業所では、準備が遅れると加算機会を逃すリスクがあります。
行政ごとに情報の発出タイミングや申請時期期限等が異なりますので、情報収集に気を付けていきましょう!
※本記事は令和8年2月18日時点の厚生労働省資料に基づいています。正式な告示やQ&Aが出るまでは内容が変更される可能性がありますのでご注意ください。