欠席時対応加算とは、放課後等デイサービス等の利用者が急遽休みになった場合に相談援助等を実施することで算定できる加算です。
2024年の障害福祉サービス等報酬改定では、放課後等デイサービスの支援時間の区分が細分化されたことで、欠席時対応加算(Ⅱ)が廃止されています。報酬改定による変更点や注意点について詳しく知りたい放課後等デイサービス経営者も多いのではないでしょうか。
今回は、報酬改定後もスムーズに欠席時対応加算の算定をするための重要ポイントについて詳しく解説します。
目次
欠席時対応加算とは、利用者が突然の病気や予期せぬ事情でサービスの利用ができなくなった場合に、利用者や家族との連絡調整や次回のサービス提供に繋がる相談援助支援等を実施することで算定できる加算です。
厚生労働省の障害者福祉サービス等報酬改定検討チームが令和5年8月に実施した会議の資料「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定に関する意見等」では、令和6年の報酬改定に向けて加算額の見直しや、算定できる日数の要件緩和などに関する意見が出されていました。
欠席時対応加算(Ⅱ)は、体調不良などの理由によって放課後等デイサービスの利用児童が短時間しか利用できなかった場合に算定できる加算です。この加算は、2021年の障害福祉サービス等報酬改定で新設されました。
その後、2024年度の障害福祉サービス等報酬改定において、支援時間による区分を新設したことで短時間でも基本報酬を算定可能となります。この変更に伴って、欠席時対応加算(Ⅱ)を算定する必要性が無くなり、廃止することになりました。
欠席時対応加算を算定する際には、欠席時の対応や算定できる日数の上限などに注意して算定する必要があります。ここでは、欠席時対応加算に該当するサービスや算定要件、単位数について詳しく解説します。
欠席時対応加算を算定できる障害福祉サービスは以下の6つです。
欠席時対応加算は、利用予定だった事業所を休んだ際に算定できる加算です。そのため、主に通所系のサービス事業所が算定対象となります。
欠席時対応加算の算定要件について、厚生労働省の資料では以下のように記載しています。
指定児童発達支援事業所等において指定児童発達支援等を利用する障害児が、あらかじめ当該指定児童発達支援事業所等の利用を予定した日に、急病等によりその利用を中止した場合において、児童発達支援事業所等従業者が、障害児又はその家族等との連絡調整その他の相談援助を行うとともに、当該障害児の状況、相談援助の内容等を記録した場合に、1月につき4回を限度として、所定単位数を算定する。
引用:厚生労働省「児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準」
欠席時対応加算を算定する際には、利用者又はその家族と連絡調整や相談援助を実施するだけでなく、その内容を記録に残しておく必要があります。算定する際には、確実に支援内容等を記録に残しておきましょう。
欠席時対応加算は、1回につき94単位を算定できます。原則として、1ヵ月に算定できる回数は4回までとされていますが、一部例外の場合もあります。
欠席時対応加算の加算の特例
ただし、1のハ又はホを算定している指定児童発達支援事業所において1月につき当該指定児童発達支援等を利用した障害児の数を利用定員に当該月の営業日数を乗じた数で除して得た率が100分の80に満たない場合は、1月につき8回を限度として、所定単位数を算定する。
引用:厚生労働省「児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準」
重症心身障害児を受け入れる児童発達支援事業所において、1ヵ月に利用する障害児の数が80%未満である場合、重症心身障害児は欠席加算を1月に8回まで算定可能です。重症心身障害児を受け入れている事業所は、算定回数の特例に注意しておきましょう。
欠席時対応加算は、欠席連絡のタイミングや電話を通しての相談援助内容など、注意しなければいけないポイントが複数あります。ここでは、欠席時対応加算を算定する際のポイントについて解説します。
欠席時対応加算は、事前に利用を予定していた日で、急病などの事情により利用を中止した日の2日前から当日までに欠席の連絡があった場合にのみ算定できます。3日以上前に利用中止の連絡があった場合は算定できないため注意しましょう。
休みの連絡を受けるタイミングと欠席加算の算定について | |
利用日当日 | 算定可 |
1日前 | 算定可 |
2日前 | 算定可 |
それ以前 | 算定不可 |
欠席時対応加算を算定する際に求められる対応は、直接訪問による支援ではありません。電話等を使用して、欠席した利用者の状況確認を実施したり、次回の利用を促したりなどの相談援助を実施することで欠席時対応加算を算定できます。今後、欠席時対応加算を算定する事業所は、欠席時の対応方法について正確に理解しておきましょう。
欠席時対応加算を算定する際には、必ず欠席時の相談援助内容を記録する必要があります。記録に残すべき情報について具体的な指示はありませんが、記録しておくとよい情報の事例をいくつかご紹介します。
欠席時対応加算の算定要件には、当該障害児の状況や相談援助の内容等を記録することが含まれています。後日、相談支援を実施した事実が確認できないと、行政から指導を受ける可能性もあるため注意しましょう。
欠席時対応加算は、放課後等デイサービスなどの児童発達支援事業所において、急遽利用者が休んだ際に相談援助を実施することで算定できる加算です。
原則として、月に4回まで算定できますが、一定の条件を満たす重症心身障害児は月に8回まで算定できます。
ただし、3日以上前に休みの連絡が来た場合には算定できません。また、算定した際には、相談援助の内容を記録に残して保管しておくことも重要です。
欠席時対応加算は、連絡のタイミングや算定できる回数などに注意が必要な加算です。事前に算定要件などを理解してから算定しましょう。