人員基準欠如減算とは、介護保険制度における介護事業所の人員配置に関する基準を満たしていない場合に、介護報酬が減額される制度です。とはいえ、提供サービスによって要件が異なるため注意が必要なほか、人員基準を満たせなかった場合、何をしなくてはいけないのかわかりにくく悩みますよね。
この記事では人員基準欠如減算について詳しく解説をしています。計算方法やよくある質問も解説するのでぜひ、参考にしてください。
人員基準欠如減算は、介護保険指定事業所において各サービス事業で定められた施設利用者定員を上回った場合や、職員の配置数が基準を満たさなくなった場合に、基本報酬を元々の70%の給付とするものです。
人員基準欠如減算は基本報酬×70/100で計算されます。
ただし、介護療養型医療施設や介護医療院の場合は、配置状況に応じて変動するため注意が必要です。
通所介護(デイサービス)の人員基準は、端的にいうと以下の通りです。
- 管理者:1人
- 生活相談員:1人以上
- 介護職員:利用者15名まで→1人、15人以上→1人+利用者15名から1名増すごとに0.2人
- 看護職員:1人以上
- 機能訓練指導員:1人以上
そのため、以下のような場合は人員基準欠如減算を適用しなくてはいけません。
- 利用者が17名いるのに介護職員が1人しか配置されていない
- 機能訓練指導員が1人も配置されていない
通所介護(デイサービス)の人員基準は、サービス提供時間ごと・単位ごとに定められていることもあるため上記のような場合以外にも職員の欠勤が続くことなどによって発生することが考えています。
【2025年最新】通所介護(デイサービス)の人員基準|計算方法や注意点を解説
以下では、人員基準欠如減算に対する注意点を記載していますので、参考にしてみてください。
人員欠如減算の対象となった場合は、届出を提出する必要があります。
届出の種類は2種類あります。
場合によっては以下も必要になります。
届出が提出されていない場合や継続的に人員の欠如が生じる場合は、指定取り消しになる可能性もあるため注意が必要です。
実際にサービスを行っていないにも関わらず、サービスを行ったように装い報酬請求を行った場合や、一定の人員基準を満たしていないのに人員を満たしていると装った場合は、不正請求にあたります。
不正請求の場合は行政による報酬返還が求められます。
以下では人員基準欠如減算で質問によく出る箇所をまとめています。
災害や虐待やその他のやむを得ない事情がある場合と同様に7日(やむを得ない場合は14日)の範囲であれば、利用者の数に含めずに前年度の利用者数平均値を計算する。
別の常勤職員の配置が必要になります。
双方の入所者に対する機能訓練が適切に実施されている場合で、常勤の理学療法士等が機能訓練指導員としての職務に従事しているのであれば、双方の算定要件を満たすことになる。
人員基準減算は必要な人員が確保されていない場合は必ず届出を提出する必要があります。人員基準欠如減算を行わずに介護保険請求を行った場合、不正請求とみなされ、処分の対象になるため注意が必要です。
人員基準欠如減算の対象にならないためにも、日頃から適切な人員配置と管理を徹底しなければなりません。
人員配置は事業所としても必ず守らないといけないルールなので人員基準欠如違反を防ぐことを心がけることが大切です。