サービス担当者会議記録(第4表)は、ケアマネジャーや介護職員など多職種が集まる会議の内容を記録する重要書類です。内容が不十分だと、運営指導や加算算定時に指摘を受けることもあります。本記事では、サービス担当者会議記録の書き方・記載例・作成時の注意点を現場目線で解説します。
目次
サービス担当者会議は、利用者の課題や希望を共有し、サービス内容を統一する場です。ケアマネジャーを中心に、訪問介護、通所介護、訪問看護などの各サービス提供者が集まり、利用者にとって最善の支援方針を検討します。この会議はケアプラン作成や見直しに不可欠なプロセスです。
役割 | 内容 |
情報共有 | 利用者の状態、希望、生活状況を関係者全員で共有 |
専門的意見の収集 | 各職種の専門的視点からの意見や提案を収集 |
支援方針の統一 | サービス内容や支援方法について関係者間での合意形成 |
ケアプランの妥当性確認 | ケアプラン原案が利用者に適しているかを確認 |
「サービス担当者会議の要点(第4表)」は、会議の出席者や検討内容、結論などを記録する書類です。この記録は、ケアプラン原案を検討した結果を残し、正式なケアプランを作成する際の根拠資料となります。介護支援専門員が作成・保管する義務書類であり、運営指導・加算確認の際に必ず確認されます。
厚生労働省の「居宅サービス計画書標準様式及び記載要領」にある「第4表:サービス担当者会議の要点」に様式が示されています。
サービス担当者会議は、以下のタイミングで開催します。
主な開催タイミング
サービス担当者会議の要点(第4表)には、「会議出席者」「検討した項目」「検討内容」「結論」「残された課題」などを記載します。
項目 | 記載内容 |
開催日時・場所 | 会議を開催した年月日、開始・終了時刻、開催場所 |
利用者情報 | 利用者氏名、要介護度、生年月日 |
会議出席者 | 所属(職種)と氏名を記載。本人・家族が出席した場合もその旨を記載 |
検討した項目 | 会議で話し合った議題(入浴頻度、リハビリ内容、服薬管理など) |
検討内容 | 各出席者からの意見、提案、専門的見解 |
結論 | 会議で決定した支援方針、サービス内容 |
残された課題 | 今後検討が必要な事項、継続して観察すべき点 |
当該会議に出席できないサービス担当者がいる場合には、その者の「所属(職種)」及び「氏名」を記載するとともに当該会議に出席できない理由についても記入します。
サービス担当者会議記録は「客観的・具体的・簡潔」に記載することが基本です。
原則 | 説明 | 例 |
客観的 | 事実に基づき、個人の推測や感情を排除 | NG:「元気そうだった」→ |
具体的 | 誰が読んでも同じ理解ができるよう詳細に | NG:「入浴を増やす」→ |
簡潔 | 要点を絞り、冗長な表現を避ける | 長文を避け、箇条書きも活用 |
利用者・家族の意向は、直接的な表現で記載します。発言内容をカギ括弧で囲むことで、誰の発言かが明確になります。
記載例
各意見や提案について、発言者を明記します。
記載例
「結論」欄には決定事項を、「残された課題」欄には今後検討すべき事項を明確に分けて記載します。
記載時の注意点
会議で決定した内容は、必ずケアプランに反映させます。記録とケアプランの内容が矛盾していると、運営指導で指摘を受けます。
確認すべきポイント
作成年月日と作成者氏名(ケアマネジャー)の記載漏れは、運営指導での指摘事項として非常に多い項目です。提出前に必ず確認しましょう。
サービス担当者会議記録は、特定事業所加算や個別機能訓練加算などの算定根拠となる場合があります。加算を算定する際は、会議で該当する内容を検討したことを記録に残します。
記載例
サービス担当者会議記録は、ケアプランの根拠となる重要書類です。書き方の基本は「客観的」「具体的」「簡潔」の3原則を守ることです。
重要ポイント
記載例を参考に、誰が読んでも会議内容が理解できる記録を心がけましょう。
正確な記録は、利用者への質の高い支援と、運営指導での指摘防止につながります。