訪問介護、通所介護などお役立ち情報・書式が満載

  1. HOME
  2. 通所介護
  3. サービス担当者会議記録の書き方と記載例|正しい記録の取り方とポイントを解説

サービス担当者会議記録の書き方と記載例|正しい記録の取り方とポイントを解説

2025-10-21

サービス担当者会議記録(第4表)は、ケアマネジャーや介護職員など多職種が集まる会議の内容を記録する重要書類です。内容が不十分だと、運営指導や加算算定時に指摘を受けることもあります。本記事では、サービス担当者会議記録の書き方・記載例・作成時の注意点を現場目線で解説します。

サービス担当者会議記録とは

サービス担当者会議の目的

サービス担当者会議は、利用者の課題や希望を共有し、サービス内容を統一する場です。ケアマネジャーを中心に、訪問介護、通所介護、訪問看護などの各サービス提供者が集まり、利用者にとって最善の支援方針を検討します。この会議はケアプラン作成や見直しに不可欠なプロセスです。

役割

内容

情報共有

利用者の状態、希望、生活状況を関係者全員で共有

専門的意見の収集

各職種の専門的視点からの意見や提案を収集

支援方針の統一

サービス内容や支援方法について関係者間での合意形成

ケアプランの妥当性確認

ケアプラン原案が利用者に適しているかを確認

記録(第4表)の位置づけ

「サービス担当者会議の要点(第4表)」は、会議の出席者や検討内容、結論などを記録する書類です。この記録は、ケアプラン原案を検討した結果を残し、正式なケアプランを作成する際の根拠資料となります。介護支援専門員が作成・保管する義務書類であり、運営指導・加算確認の際に必ず確認されます。

厚生労働省の「居宅サービス計画書標準様式及び記載要領」にある「第4表:サービス担当者会議の要点」に様式が示されています。

会議開催のタイミング

サービス担当者会議は、以下のタイミングで開催します。

主な開催タイミング

  • 新規ケアプラン作成時
  • 要介護認定の更新時
  • 要介護状態区分の変更申請時
  • サービス内容の大幅な変更時
  • 利用者の状態が著しく変化した時
  • 入院・退院時

記載すべき主な項目

サービス担当者会議の要点(第4表)には、「会議出席者」「検討した項目」「検討内容」「結論」「残された課題」などを記載します。

項目

記載内容

開催日時・場所

会議を開催した年月日、開始・終了時刻、開催場所

利用者情報

利用者氏名、要介護度、生年月日

会議出席者

所属(職種)と氏名を記載。本人・家族が出席した場合もその旨を記載

検討した項目

会議で話し合った議題(入浴頻度、リハビリ内容、服薬管理など)

検討内容

各出席者からの意見、提案、専門的見解

結論

会議で決定した支援方針、サービス内容

残された課題

今後検討が必要な事項、継続して観察すべき点

欠席者の取り扱い

当該会議に出席できないサービス担当者がいる場合には、その者の「所属(職種)」及び「氏名」を記載するとともに当該会議に出席できない理由についても記入します。

正しい書き方のポイント

記録の基本原則

サービス担当者会議記録は「客観的・具体的・簡潔」に記載することが基本です。

原則

説明

客観的

事実に基づき、個人の推測や感情を排除

NG:「元気そうだった」→
OK:「笑顔で挨拶され、発言も積極的だった」

具体的

誰が読んでも同じ理解ができるよう詳細に

NG:「入浴を増やす」→
OK:「通所介護での入浴を週1回から週2回に変更」

簡潔

要点を絞り、冗長な表現を避ける

長文を避け、箇条書きも活用

利用者・家族の意向の記載方法

利用者・家族の意向は、直接的な表現で記載します。発言内容をカギ括弧で囲むことで、誰の発言かが明確になります。

記載例

  • 本人:「自宅でお風呂に入りたいが、転倒が心配」との希望あり
  • 家族:「デイサービスでの入浴を増やしてほしい」との要望

発言者の明確化

各意見や提案について、発言者を明記します。

記載例

  • 通所介護相談員より:週2回の入浴介助は対応可能
  • 訪問看護師より:血圧が不安定なため、入浴時のバイタルチェックを徹底すべき
  • ケアマネジャーより:通所介護での入浴を週2回に増やし、血圧測定を継続する方針で合意

決定事項と今後の課題の分離

「結論」欄には決定事項を、「残された課題」欄には今後検討すべき事項を明確に分けて記載します。

記載時の注意点

  • 決定事項は具体的な実施内容と開始時期を明記
  • 今後の課題は、いつ、誰が、どのように確認するかを記載

記録作成時の注意点と確認事項

ケアプランとの整合性を確認

会議で決定した内容は、必ずケアプランに反映させます。記録とケアプランの内容が矛盾していると、運営指導で指摘を受けます。

確認すべきポイント

  • 会議で決定したサービス内容が第2表(サービス内容)に記載されているか
  • サービス提供票の回数・時間が会議の決定内容と一致しているか
  • 第1表の利用者・家族の意向が会議での発言内容と整合しているか

記録者の署名・日付の記載

作成年月日と作成者氏名(ケアマネジャー)の記載漏れは、運営指導での指摘事項として非常に多い項目です。提出前に必ず確認しましょう。

加算算定の根拠記録として活用

サービス担当者会議記録は、特定事業所加算や個別機能訓練加算などの算定根拠となる場合があります。加算を算定する際は、会議で該当する内容を検討したことを記録に残します。

記載例

  • 個別機能訓練加算を算定する場合:「機能訓練指導員より、個別機能訓練計画に基づく訓練内容について説明。本人・家族の同意を得た」

まとめ

サービス担当者会議記録は、ケアプランの根拠となる重要書類です。書き方の基本は「客観的」「具体的」「簡潔」の3原則を守ることです。

重要ポイント

  • 会議出席者の所属と氏名を正確に記載する
  • 検討内容は発言者を明確にし、カギ括弧を活用する
  • 決定事項と残された課題を明確に分けて記載する
  • ケアプランやサービス提供票との整合性を必ず確認する
  • 作成年月日と作成者氏名の記載漏れを防止する

記載例を参考に、誰が読んでも会議内容が理解できる記録を心がけましょう。
正確な記録は、利用者への質の高い支援と、運営指導での指摘防止につながります。

【2025年最新版】通所介護 返還事例集

【この資料でわかること】
・通所介護の返還事例
・返還にならない管理体制をつくるための3つのポイント
詳しく見る

カテゴリ・タグ