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介護給付費請求書の書き方と記載例|返戻や指摘を防ぐポイント

2025-10-20

介護給付費請求書は、介護報酬の請求根拠となる最も重要な書類です。記載ミスは返戻・指摘の原因になるため、正しい書き方の理解が必須です。本記事では、様式第一に基づいた書き方・記載例・注意点を解説します。

介護給付費請求書とは

介護給付費請求書の位置づけ・目的

介護給付費請求書(様式第一)は、国民健康保険団体連合会に介護報酬を請求する際に使用する公式書類です。この書類は、介護給付費明細書(様式第二)などの添付書類をまとめる表紙の役割を果たします。

役割

内容

介護報酬請求の公式書類

国保連への報酬請求の根拠となる最上位書類

利用者管理の証拠書類

月ごとの利用者数や請求金額を集計・管理

事業所収入の記録

保険請求分と利用者負担分の内訳を明確化

サービス別の適用範囲

介護給付費請求書は、訪問介護(サービスコード11)、訪問入浴介護(12)、訪問看護(13)、通所介護(15)、通所リハビリテーション(16)など、すべての介護保険サービスで使用します。サービス種別ごとに明細書を添付し、請求書で全体を集計します。

法的根拠と提出期限

介護給付費請求書の様式は「介護給付費及び公費負担医療等に関する費用に関する省令」(平成12年厚生省令第20号)により規定されています。介護サービスを提供した月の翌月10日までに国保連へ提出します。

請求書に記載すべき基本項目

介護給付費請求書に記載すべき項目を整理しました。

項目

記載内容

記入のポイント

サービス提供年月

請求対象月を和暦で記載

令和6年10月分なら「06年10月」と右詰めで記載

請求先

保険者名または公費負担者名

省略可。ただし複数の保険者がある場合は明記を推奨

事業所番号

指定事業所番号

10桁の番号を正確に記載

事業所名称・所在地

指定を受けた際の正式名称と住所

指定通知書と完全一致させる

件数

請求する明細書の件数

サービス提供人数と一致

単位数

総単位数の合計

添付する明細書の単位数合計

費用合計

総費用額

単位数×地域単価で算出

保険請求額

保険者へ請求する金額

総費用額から利用者負担を差し引いた額

利用者負担

利用者が支払う自己負担額

1割・2割・3割負担の合計

備考欄の使い方

備考欄は、通常請求と異なる事情がある場合に使用します。過誤調整の理由、特記事項、連絡事項などを簡潔に記載しますが、通常請求では空欄で問題ありません。

正しい記載のポイント・注意点

チェック段階

確認項目

記載前

・サービス提供年月の確認
・事業所番号の確認
・明細書の件数確認
・単位数の集計完了

記載後

・事業所番号の正確性
・件数と明細書枚数の一致
・単位数の計算確認
・金額の再計算
・作成者の記名

介護給付費請求書には、加算・減算の詳細は記載しません。これらは明細書(様式第二)に記載します。請求書には、明細書で計算した単位数の合計のみを記載します。ただし、明細書の加算・減算が正しく計上されているかを確認してから請求書を作成する必要があります。

二重請求・過誤請求の回避

二重請求は、同じ月のサービスを重複して請求することです。前月分の請求記録を確認し、すでに請求済みでないかを必ず確認します。過誤請求が発覚した場合は、速やかに過誤申立てを行い、正しい内容で再請求します。

よくある誤記・修正例

実務で発生しやすい誤記と、その修正方法を整理しました。

誤記内容

正しい記載

影響

件数が明細書枚数と不一致

費用合計の計算ミス

審査エラーで返戻

単位数の合計が誤っている

明細書の単位数を再集計

金額の誤請求

事業所番号を誤記

指定通知書で確認して記載

請求不能で返戻

サービス提供年月の和暦誤記

令和6年は「06年」と記載

審査エラー

費用合計の計算ミス

単位数×地域単価を再計算

金額の誤請求

返戻や指摘を防ぐ確認ポイント

記載内容とサービス提供計画書との整合性

介護給付費請求書の件数は、実際にサービスを提供した利用者数と一致している必要があります。居宅サービス計画書で位置づけられたサービスを提供し、その実績を明細書に記録し、請求書で集計するという流れを確認します。

利用者情報・サービス情報の二重チェック

請求書の件数と単位数は、添付する明細書から自動計算されるべき数値です。手作業で記載する場合は、計算ミスを防ぐため、電卓での再計算と複数人でのチェックを徹底します。請求ソフトを使用する場合でも、自動計算された数値が正しいか目視で確認する必要があります。

サイン漏れ・記録漏れの防止

請求書には作成者の氏名または記名が必要です。提出前に、作成者の記名、作成日の記入を確認します。電子請求の場合は、データ送信前に最終確認画面で内容をチェックします。

運営指導・監査で指摘されやすい項目

指摘項目

具体的内容

対策

請求書と明細書の件数不一致

請求書に記載の件数と実際の明細書枚数が異なる

明細書の枚数を正確にカウント

単位数の計算ミス

明細書の合計と請求書の単位数が不一致

計算過程を記録し複数人で確認

前月請求との重複

同じサービスを2ヶ月連続で請求

請求前に前月実績を確認

事業所情報の誤記

事業所番号や名称が指定内容と異なる

指定通知書を常に参照

給付管理票との不整合

給付管理票の内容と請求内容が異なる

ケアマネジャーと事前に情報共有

まとめ

介護給付費請求書は請求業務の基礎書類であり、正しい記載で返戻や指摘を防ぎ、事業所運営を安定化させることができます。

重要ポイント

  • サービス提供年月、事業所番号、件数、単位数を正確に記載する
  • 請求書の件数・単位数は明細書から正確に集計する
  • 記載後は必ず別の担当者がダブルチェックする
  • 提出期限(翌月10日)を守り余裕を持って作成する
  • 前月実績を確認し二重請求を防止する
  • 給付管理票との整合性を事前に確認する

正確な請求は事業所の安定した経営基盤につながります。本記事で紹介したポイントを参考に、日々の業務を効率化してください。

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