訪問介護、通所介護などお役立ち情報・書式が満載

  1. HOME
  2. 通所介護
  3. デイサービスにおけるバイタルチェック表の書き方と運用ポイント|基準値・注意点まとめ

デイサービスにおけるバイタルチェック表の書き方と運用ポイント|基準値・注意点まとめ

2025-09-01

デイサービスにおけるバイタルチェックは、利用者の健康状態を把握し、安全なサービス提供をおこなうための重要な業務です。バイタルサインの測定と記録は、事故予防、健康観察、そして運営指導対策の観点から欠かすことのできない業務となっています。

多くの事業所では「どんな表を使えばいいか」に注目しがちですが、より重要なのは「どう記録するか」「どの項目が必要か」を正しく理解することです。適切なバイタルチェック表の運用により、利用者の体調変化を早期に発見し、医療機関や家族との連携をスムーズにおこなうことが可能になります。

バイタルチェックとは

バイタルチェックとは、生命に関わる基本的な生理機能を示す指標である「体温・脈拍・血圧・呼吸数」を基に身体状態をチェックすることです。これらの数値は生命活動の状態を客観的に表すため「生命徴候」とも呼ばれています。

デイサービスでバイタルチェックをおこなう目的

デイサービスでバイタルチェックをおこなう主な目的は、利用者の体調変化を早期に把握することです。高齢者は体調の変化を自覚しにくい場合が多く、また言葉で的確に表現することが困難な場合もあります。定期的なバイタルチェックにより、普段との違いを数値で客観視することで、医療連携を図りつつ、利用者の安全を確保することができます。

バイタルチェック表に必要な基本項目

デイサービスのバイタルチェック表には、以下の項目を含めることが基本となります。

  • 測定日時、測定者名
  • 体温(腋窩温または耳式体温計による測定値)
  • 収縮期血圧、拡張期血圧
  • 脈拍数、呼吸数
  • 利用者の主観的な症状(頭痛、めまい、胸苦しさなど)

また、異常値が確認された場合の対応記録欄も設けておくことで、その後の経過や対応状況を一元管理できます。特に家族への連絡日時、医師への相談内容、その後の経過観察結果などを記録できる構成にしておくと良いでしょう。

バイタルチェックの基準値と、高齢者における注意点

体温

体温については、一般的に36.0~37.0℃が正常範囲とされていますが、高齢者は基礎代謝の低下により平熱が低めの傾向があります。個人の平熱を把握し、普段より1℃以上高い場合は発熱として対応することが重要です。

血圧

血圧は収縮期血圧(上)120~139mmHg、拡張期血圧(下)80~89mmHgが正常高値範囲とされています。ただし、高齢者は血圧変動が大きく起立性低血圧なども起こりやすいため、安静時の測定を心がけ、普段の値との比較を重視します。

脈拍・呼吸数

脈拍は安静時60~100回/分が正常範囲、呼吸数は12~20回/分が基準値です。異常値が確認された場合は、まず記録を正確におこない、看護職員への報告→必要に応じて家族への連絡→医師への相談という流れで対応します。

バイタルチェック表を正しく運用するコツ

「その場での記録」と「記録ルールの統一」

バイタルチェック表の精度を高めるためには「その場で記録」することが最も重要です。後でまとめて記録しようとすると、記憶が曖昧になり、記録漏れや数値の間違いが発生しやすくなります。

また、事業所内で統一された記録ルールを設定し、数値の書き方や単位の表記方法を統一することも重要です。「大体」「いつも通り」といった曖昧な表現は避け、必ず具体的な数値で記録することが原則です。

シフト交代時の情報引き継ぎ

シフト交代時には、前後の職員間でバイタル情報を確実に引き継ぎ、継続的な観察体制を整えます。紙媒体とシステム管理を併用する場合は、それぞれのメリットを活かしつつ、情報の整合性を保つ運用ルールを確立することが重要です。

運営指導や監査に備えるポイント

1.バイタルチェック表は必須帳票の一つ

バイタルチェック表は介護保険制度上の「必須帳票」の一つとして位置づけられており、運営指導時には必ず確認される書類です。記録の欠落や不備があると指摘を受ける可能性があるため、日常的な管理体制を整えておく必要があります。

2.記録の整理・保管方法の管理

記録の整理・保管については、利用者ごとにファイル管理するか、システム上で一元管理するかを決定し、検索しやすい状態を維持しましょう。また、記録者の署名や印鑑、測定機器の点検記録なども併せて管理し、記録の信頼性を確保することも重要です。

3.対応フローの明確化と体制構築

運営指導では、記録内容だけでなく、異常値に対する対応の適切性も評価されるため、対応フローを明確化し、職員全員が理解できる体制を整えておくことが重要です。

まとめ

デイサービスにおけるバイタルチェック表は、単なる記録用紙ではなく、利用者の安全を守るための重要なツールです。必要項目の設定、正確な記録、統一されたルール、そして継続的な管理体制により、質の高いサービス提供と運営指導への対応を両立させることができます。

日々の積み重ねが利用者の安心・安全につながることを意識し、組織全体でバイタルチェックの重要性を共有していくことが大切です。

【2025年最新版】通所介護 返還事例集

【この資料でわかること】
・通所介護の返還事例
・返還にならない管理体制をつくるための3つのポイント
詳しく見る

カテゴリ・タグ