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【完全保存版】デイサービスのコスト削減術10選|質を落とさず利益を守る方法

2025-07-30

介護業界を取り巻く環境は年々厳しさを増しています。特にデイサービス事業所では、介護報酬の据え置きや人材不足による人件費の増大に直面し、経営の圧迫を感じている経営者の方も多いのではないでしょうか。しかし、サービスの質を落とすことなく、コスト削減を行うことで、安定した経営を維持することは可能です。

この記事では、デイサービス事業所が直面するコスト課題を整理し、質を維持しながら効果的にコストを削減する具体的な方法を10選紹介します。すぐに実践できる小さな改善から、中長期的な取り組みまで、段階的に取り組める内容となっています。

なぜ今、デイサービスにコスト削減が求められているのか?

介護報酬の据え置きや物価上昇

2024年度の介護報酬改定では、デイサービスの基本報酬は据え置かれ、一部の加算要件は厳格化されました。一方で、エネルギー価格の高騰や食材費の上昇により、事業所の運営コストは増加の一途をたどっています。この収入と支出のギャップが、多くのデイサービス事業所の経営を圧迫している主要因です。

人材不足と人件費の増加

介護業界全体で深刻な人材不足が続いており、職員の確保のために給与水準を上げざるを得ない状況が続いています。また、処遇改善加算の要件を満たすためにも、一定の給与水準を維持する必要があり、人件費は事業所の最大のコスト項目となっています。

経営の持続可能性の確保

利用者に質の高いサービスを継続的に提供するためには、まず事業所の経営が安定していることが前提条件です。適切なコスト管理により利益を確保し、職員の雇用を守り、設備投資を継続できる体制を築くことが、結果的に利用者のためにもなります。

デイサービスでコストがかかるものは?

人件費(職員給与、福利厚生)

デイサービス事業所の最大のコスト項目で、通常は売上の60~70%を占めます。介護職員、看護職員、生活相談員、機能訓練指導員などの直接処遇職員の給与に加え、社会保険料、退職金積立、研修費なども含まれます。

光熱費(電気・水道・ガス)

利用者が長時間滞在するデイサービスでは、空調費や照明費が大きな負担となります。特に夏冬の冷暖房費は月額数十万円に上ることも珍しくありません。入浴サービスを提供している場合は、給湯費も相当な金額になります。

食材・備品・消耗品費

昼食やおやつの提供に関わる食材費、おむつやタオルなどの衛生用品、レクリエーション用品、事務用品など、日常的に発生する費用です。利用者数に比例して増加するため、単価の見直しが効果的です。

送迎車両維持費・ガソリン代

車両のリース料や保険料、車検・点検費用、ガソリン代など、送迎サービスに関わるコストです。燃料価格の高騰により、この項目の負担も重くなっています。

委託費(清掃、洗濯など)

施設の清掃や利用者の衣類・タオルの洗濯を外部委託している場合の費用です。人手不足により内製化が困難な業務の外部委託費は年々増加傾向にあります。

ICTや業務支援システムのコスト

介護ソフト、勤怠管理システム、見守りシステムなどのICT関連費用です。初期導入費用に加え、月額利用料やメンテナンス費用が継続的に発生します。

質を落とさずにできる!デイサービスのコスト削減術10選

1.シフト最適化で人件費を見直す

利用者の稼働状況に合わせて職員配置を最適化することで、人件費を効果的に削減できます。過去の利用実績データを分析し、曜日別・時間帯別の利用者数の傾向を把握しましょう。特に利用者が少ない時間帯の職員配置を見直し、法定配置基準を満たしながら無駄のないシフトを組むことが重要です。

2.ICT導入で業務効率を改善

記録業務の電子化や見守りシステムの導入により、職員の業務時間を短縮し、間接的に人件費を削減できます。また、利用者の状態変化を早期に察知できるため、事故防止にもつながります。初期投資は必要ですが、長期的な視点でコスト削減効果は大きいです。

3.備品・消耗品の購入方法を見直す

まとめ買いや共同購買により単価を下げる、複数の業者から見積もりを取って価格競争を促すなど、購買方法の見直しにより年間数十万円の削減が可能です。在庫管理を徹底し、過剰在庫や廃棄ロスを防ぐことも重要なポイントです。

4.食材費のロスを減らす

利用者の出席予定を早めに把握し、食材の発注量を適正化することで食材ロスを削減できます。また、冷凍食材の活用や、残った食材を翌日のメニューに活用する工夫により、食材費を効率的に管理しましょう。

5.空調・電気代の節約

空調の設定温度を1度調整するだけで約10%の電気代削減が可能です。LED照明への切り替え、人感センサーの設置、断熱性の向上など、設備面での工夫により光熱費を大幅に削減できます。利用者の快適性を損なわない範囲での節電対策を実施しましょう。

6.清掃・洗濯の委託費を見直す

委託業務の内容と頻度を見直し、本当に必要な業務に絞り込むことでコスト削減が可能です。また、複数の業者から見積もりを取り、価格交渉を行うことで委託費を削減できる場合があります。

7.送迎ルートの最適化

送迎ルートを見直し、効率的な経路を設定することで燃料費と人件費の両方を削減できます。ICTを活用したルート最適化システムの導入や、利用者の居住地域に応じた車両配置の見直しにより、送迎コストを大幅に削減できる可能性があります。

8.補助金・助成制度の活用

ICT導入補助金、省エネ設備導入補助金、処遇改善加算など、活用できる補助金制度を積極的に利用しましょう。申請手続きは複雑ですが、専門家のサポートを受けながら取り組むことで、大きなコスト削減効果を得られます。

9.使われていない設備の整理

使用頻度の低い設備やシステムを整理し、維持費やリース料を削減します。また、複数の機能を持つ設備に統合することで、設備費全体を削減できる場合があります。

10.他施設との連携・共同購買

近隣の介護事業所と連携し、備品や食材の共同購買を行うことで、スケールメリットによる単価削減が期待できます。また、研修の共同実施により研修費の削減も可能です。

コスト削減で失敗しないための注意点

コスト削減を進める際は、利用者のサービス品質や職員の労働環境を悪化させないよう注意が必要です。特に人件費の削減については、法定配置基準を下回らないこと、職員の過重労働を招かないことを必ず確認しましょう。また、短期的な削減効果だけでなく、中長期的な影響も考慮した判断が重要です。

利用者や家族からの信頼を失うような削減は避け、透明性のある経営姿勢を保つことが、持続可能なコスト削減のカギとなります。

まとめ|まずはできることから始めよう

デイサービスのコスト削減は、一朝一夕で完了するものではありません。まずは小さな改善から始め、徐々に大きな取り組みに発展させていくことが成功のポイントです。

重要なのは、コスト削減がゴールではなく、持続可能で質の高いサービス提供を実現するための手段であることを忘れないことです。利用者の満足度と職員の働きやすさを維持しながら、計画的にコスト削減に取り組んでいきましょう。

今回紹介した10の方法の中から、自事業所の状況に合ったものを選択し、段階的に実施していくことで、必ず経営改善の効果を実感できるはずです。

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