訪問介護、通所介護などお役立ち情報・書式が満載

  1. HOME
  2. 通所介護
  3. デイサービス就業規則の書き方完全ガイド

デイサービス就業規則の書き方完全ガイド

2025-07-28

デイサービス(通所介護)事業所の運営において、就業規則の整備は法的義務であり、職場環境の向上と事業の安定運営に欠かせない重要な要素です。本記事では、デイサービスに特化した就業規則の書き方から変更時の注意点まで、実務に役立つ情報を詳しく解説します。

デイサービスにおける就業規則の重要性

デイサービス事業所では、介護保険法に基づく指定基準を満たしながら、労働基準法に準拠した就業規則を策定する必要があります。介護業界特有の勤務形態や業務内容を考慮した規則作りが求められ、職員の働きやすさと利用者への質の高いサービス提供の両立を図る基盤となります。

常時10人以上の労働者を使用する事業場では、就業規則の作成と労働基準監督署への届出が義務付けられています。10人未満の事業所でも、トラブル防止と組織運営の明確化のため、就業規則の整備は強く推奨されます。

デイサービス就業規則に含めるべき必須項目

絶対的必要記載事項

始業・終業時刻、休憩時間

デイサービスでは利用者の送迎時間に合わせた勤務時間設定が重要です。早番・遅番などのシフト制を採用する場合は、各勤務時間を明確に記載します。

休日・休暇制度

週休2日制の場合の休日指定方法、有給休暇の取得ルール、介護休暇や看護休暇など法定休暇についても詳細に規定します。

賃金の決定・計算・支払方法

基本給、各種手当(夜勤手当、処遇改善加算配分等)の算定方法、支払日、昇給・賞与に関する規定を含みます。

退職に関する事項

定年年齢、退職手続き、解雇事由などを明記し、特に介護業界で重要な引き継ぎ期間についても規定します。

相対的必要記載事項

退職手当に関する事項

支給条件、算定方法、支給時期を明確に定めます。

安全衛生に関する事項

感染症対策、腰痛予防対策、利用者の安全管理など、介護現場特有のリスク管理を含めます。

職業訓練に関する事項

資格取得支援制度、研修参加に関する規定、費用負担について定めます。

災害補償・業務外傷病扶助に関する事項

労災保険の適用範囲、事業所独自の補償制度について記載します。

デイサービス特有の規定ポイント 

利用者対応に関する規定

利用者の人権尊重、プライバシー保護、虐待防止に関する規定は必須です。また、利用者との適切な距離感の保持、個人情報の取り扱い、事故発生時の対応手順なども明記する必要があります。

感染症対策規定

新型コロナウイルス感染症をはじめとする感染症対策は、デイサービス運営の生命線です。職員の健康管理、体調不良時の報告義務、感染症発生時の対応フロー、利用者・家族への報告体制などを詳細に規定します。

送迎業務に関する規定

送迎車両の運転資格、安全運転義務、事故発生時の対応、車両点検の実施など、送迎業務特有の規定を設けます。また、送迎時間の変更や緊急時の対応についても明確にしておきます。

記録・報告業務の規定

介護記録の作成義務、報告書の提出期限、データの管理方法、情報共有のルールなど、介護業務に欠かせない記録業務について規定します。

就業規則変更時の手続きと注意点

変更が必要となるケース

法令改正、事業拡大、新サービスの開始、職員からの要望、労働条件の見直しなど、様々な要因で就業規則の変更が必要になります。特に介護保険制度の改正時には、指定基準の変更に合わせた見直しが必要です。

変更手続きの流れ

  1. 変更内容の検討と原案作成
  2. 職員代表との意見交換
  3. 労働者代表からの意見聴取
  4. 就業規則変更届の作成
  5. 労働基準監督署への届出
  6. 職員への周知

変更内容が労働者に不利益となる場合は、合理的理由と十分な説明が必要です。特に賃金や労働時間に関わる変更については、慎重な検討と丁寧な説明が求められます。

職員への周知方法

就業規則は作成・変更後、全職員に周知する義務があります。デイサービスでは多様な勤務形態の職員がいるため、掲示だけでなく、説明会の開催、個別配布、電子媒体での配信など、複数の方法を組み合わせた効果的な周知をおこないます。

実務における運用のポイント

定期的な見直しの実施

年1回程度の定期見直しをおこない、法令改正への対応、現場の実態との整合性確認、職員からのフィードバック反映を図ります。また、労務トラブルが発生した際には、原因となった規定の見直しも検討します。

管理者への教育

就業規則の内容を正しく理解し、適切に運用できる管理者の育成が重要です。規則の解釈方法、適用場面での判断基準、職員への説明方法などについて、定期的な研修を実施します。

記録の保管と管理

就業規則の変更履歴、届出書類の控え、職員への周知記録などを適切に保管し、必要時に迅速に確認できる体制を整えます。

まとめ

デイサービスの就業規則は、法的要件を満たしながら介護現場の特殊性を反映した内容とする必要があります。利用者の安全と職員の働きやすさを両立させる規則作りが、質の高いサービス提供と事業の持続的発展につながります。

専門的な知識が必要な場合は、社会保険労務士等の専門家への相談も検討し、事業所の実情に合った実効性の高い就業規則を整備することが重要です。適切な就業規則の運用により、職員満足度の向上と安定した事業運営を実現しましょう。

【2025年最新版】通所介護 返還事例集

【この資料でわかること】
・通所介護の返還事例
・返還にならない管理体制をつくるための3つのポイント
詳しく見る

カテゴリ・タグ