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【個別機能訓練加算】機能訓練指導員を看護師が兼務できるのか徹底解説【2024年改定】

2025-02-13

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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2024年度の介護報酬改定では、機能訓練をおこなう人材の有効活用を促進するために、個別機能訓練加算Ⅰの単位数や機能訓練指導員の配置要件に見直しが加えられました。

この改定により、加算の算定要件や単位数の変更がおこなわれるとともに、機能訓練指導員の配置基準がより明確になり、事業者にとっては運営面で重要な影響を与えることとなります。特に、個別機能訓練加算Ⅰの算定要件は、サービス提供の質を維持するために必須となるポイントです。

これまでの基準に加えて、新たに配置基準が見直されたことで、機能訓練指導員の役割がより重要になり、実施する訓練の内容や方法が求められています。また、算定に必要な書類や手続きも具体的に定められており、これを守ることが加算算定の条件となっています。

このような改定内容に対応するためには、事業者は最新の基準を理解し、職員が適切な対応を取れるように準備を進めることが不可欠です。この記事では個別機能訓練加算Ⅰの詳細な改定内容や、算定に必要な要件について具体的に解説しています。ぜひ参考にしてください。

個別機能訓練加算で看護師が機能訓練指導員を兼務することは可能

機能訓練指導員になるには看護師をはじめとする国家資格を取得することで、兼務することは可能です。

機能訓練指導員として働く看護師や准看護師は、医療知識を活かして利用者の健康管理や体調チェック、病気やケガの予防および処置をおこないます。

特にデイサービスなどでは、機能訓練指導員と看護師を兼任しているケースも多く見受けられます。

看護師としての資格取得時点では機能訓練やリハビリに関する知識や技術が不足していることがあるため、実際に機能訓練指導員として働きながら経験を積んでいくことが一般的になります。看護師は機能訓練に関する知識や技術が少ない場合が多いので経験を積むことが大切です。

個別機能訓練加算で看護師が機能訓練指導員を兼務するときの2つの条件

1. 機能訓練指導員として従事する間は看護師の業務はできない

介護施設では、看護職員の配置基準を満たしていれば、機能訓練指導員と兼務することが可能です。

兼務の条件として、「看護師として業務をおこなっていない時間帯に限り、機能訓練指導員として勤務できる」というルールがあります。看護職員が、個別機能訓練加算に係る機能訓練指導員として従事する場合は、看護職員としての人員基準の算定には含めることができません。

そのため、看護師として働いている時間帯には機能訓練指導員の業務はできず、逆に機能訓練指導員として勤務している時間帯には看護師の業務はおこなえません。また、病院やクリニック、訪問看護ステーションと連携している場合、連携先で配置された看護師は機能訓練指導員としての兼務はできません。

2. 個別機能訓練加算(ロ)では専従の指導員を追加で1名以上配置しなければならない

加算(ロ)を取得する場合は個別機能訓練指導員を2名以上配置する必要があります。

さらに、そのうち少なくとも1名は、介護支援サービス提供時間中に専従で配置する必要があります。専従職員が確保されていれば、残りの指導員は短時間勤務や看護師、理学療法士などの他の業務との兼務が可能となります。

個別機能訓練加算の算定要件をおさらい

個別機能訓練加算の算定要件は個別機能訓練加算Ⅰ(イ)と個別機能訓練加算Ⅰ(ロ)の2種類があります。以下では、その2種類に関して詳しく解説をしていますので参考にしてみてください。

個別機能訓練加算Ⅰ(イ)|勤務形態にかかわらない指導員の配置

個別機能訓練加算(Ⅰ)の単位数と算定要件は以下になります。

項目詳細
単位数56単位/日
対象者要介護1から5までの利用者
機能訓練指導員の配置

専従1名以上
(配置時間の定めなし)

訓練項目

イとロは併用不可
人員欠如加算・定員超過減算を算定の場合は、個別機能訓練加算は算定不可
イは、運営基準配置を求めている機能訓練指導員により満たすことは可能になります

訓練の提供5人程度以下の小集団または個別
訓練の実施機能訓練指導員が直接実施

個別機能訓練加算で機能訓指導員を兼務できる看護師以外の職種

個別機能訓練加算で機能訓練指導員を兼務できる看護師以外の職種は以下になります。

  • 看護師または准看護師
  • 理学療法士
  • 作業療法士
  • 言語聴覚士
  • あん摩マッサージ指圧師
  • 柔道整復師
  • 鍼灸師

上記が機能訓練指導員を兼務できる職種になります。

個別機能訓練加算Ⅰ(ロ)|専従指導員の配置が必須だが配置時間規定なし【2024年改定】

2024年度の介護報酬改定により、個別機能訓練加算Ⅰ(ロ)の単位数および機能訓練指導員の配置要件が変更されました。

主な変更点は以下になります。

単位数の変更

  • 旧) 85単位/日
  • 新) 76単位/日

単位数が削減され、1日あたりの算定できる金額が減少しています。

機能訓練指導員の配置要件の変更

  • 旧) 機能訓練指導員を専従で1名以上配置(サービス提供時間を通じて)
  • 新) 機能訓練指導員を専従で1名以上配置(配置時間に制限なし)

配置時間に関しては、以前のようにサービス提供時間を通じて専従でいる必要はなく、より柔軟な配置が可能になりました。

以上が、2024年の改定で変更になった点になります。2024年の改定ではサービス提供時間内であったのが、配置時間の規定がなくなったことが大きな変更点になります。

個別機能訓練加算Ⅱ|Ⅰの条件にくわえてLIFEの活用が条件

項目詳細
単位数20単位/月※(Ⅰ)算定に加えて算定可
対象者要介護の利用者のみ
算定要件個別機能訓練加算(Ⅰ)では、計画などの情報を厚生労働省に提出し(LIFEを活用)、その後のフィードバックをもとに利用者に適した個別機能訓練計画を作成します。計画に基づいて訓練を実施し、評価をおこない、その結果を踏まえて計画を見直して改善します。この一連の流れ(PDCAサイクル)により、サービスの質を管理します

利用者ごとに、以下の情報をLIFEへ提出する必要があります。提出は、月の翌月10日までにおこなうことが求められています。

  • ア:新規に個別機能訓練計画の作成をおこなった日の属する月
  • イ:個別機能訓練計画の変更をおこなった月
  • ウ:ア・イのほか、少なくとも3ヵ月に1回

また、提出頻度は口腔機能向上加算Ⅱについても同様の基準が適用されます。

個別機能訓練の看護師の兼務に関するよくある質問

個別機能訓練の看護師の兼務は負担が多いと感じる方も多く、質問が多く挙げられます。

以下は特に多い質問について、まとめていますので参考にしてみてください。

機能訓練指導員がいない日の個別機能訓練加算の算定はどうなりますか?

算定要件を満たしていないので、その日にかぎっては算定不可になります。

看護師が機能訓練指導員を兼務するときの常勤換算は?

看護職員が個別機能訓練加算の機能訓練指導員として働く場合、その看護職員は看護職員の人員基準には算定されません。

機能訓練指導員が1名のみしか確保できない場合はその日に限り(イ)を取得して問題ないか

問題はありません。

ただし、機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士などを1名以上配置している場合のみになります。

加えて、機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士などを1名以上配置している場合では、個別機能訓練の実施体制に差が生じるものであることから、営業日ごとの理学療法士などの配置体制について、利用者にあらかじめ説明しておく必要があります。

個別機能訓練加算における看護師の兼務条件を把握し正しく算定しましょう

個別機能訓練加算を算定する際、看護師が兼務する場合の条件について理解しておくことが重要です。看護師が個別機能訓練を担当する場合はポイントを押さえておく必要があります。

看護師の配置条件、兼務の要件、適正な算定のための確認事項の3つのポイントは特に重要になります。看護師が個別機能訓練加算を算定するためには、兼務の条件を満たし、訓練計画や実施内容が適切であることを確認することが不可欠です。しっかりと準備し、正確に算定をおこなうことで、施設の運営がスムーズに進みます。

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