個別機能訓練加算を受けるためには機能訓練計画書が必要です。
2021年度、介護報酬改定によって通所介護・地域密着型通所介護の加算の内容が一部見直されました。
今記事では2021年の介護報酬改定によって見直された、個別機能訓練加算を受けるための機能訓練計画書とは何か、機能訓練計画書の書き方や算定要件、よくある質問をまとめました。
目次
2021年の介護報酬改定によって見直された機能訓練加算について解説する前に、そもそも介護報酬改定とは何か詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
介護報酬改定とは?2021年の改定内容や何年ごとに行われるかなどについて徹底解説!
機能訓練計画書とは、個別機能訓練加算(Ⅰ)・個別機能訓練加算(Ⅱ)を算定する際に必要となるもので、利用者の自立支援を促進する為にそれぞれの身体状況・要望・環境に合わせて機能訓練の計画を記した計画書のことです。
2021年度介護報酬改定で通所介護などの見直した内容についてまとめました。
生活機能向上連携加算は、医療機関や理学療法士、訪問リハビリテーション・通所リハビリテーションなどと連携して利用者の自立支援・重度化防止のために設けられたものです。
2021年度の介護報酬改定では、訪問系・多機能系サービス以外の、通所系・短期入所系・居住系・施設サービスにおいてもICT(テレビ電話や動画など)の活動などにより、外部のリハビリテーション専門職などが事業所を訪問せずに利用者の状況把握・助言した場合について評価する区分が新設されました。
業務効率化の観点から、リハビリテーション計画書と個別機能訓練計画書の項目を共通化し、更にリハビリテーション計画書の固有の項目について、整理簡素化するように見直しをされました。
2021年度の介護報酬改定では、これまでの個別機能訓練加算(Ⅰ)と個別機能訓練加算(Ⅱ)が統合し、個別機能訓練加算(Ⅰ)イ・ロとなる為、新たらしく化学的介護情報システム「LIFE」へのデータ提出が要件となる、個別機能訓練加算(Ⅱ)が設けられました。
2021年度介護報酬改定により、通所介護・地域密着型通所介護の個別機能訓練加算が統合され、見直しが行われました。
見直しが行われた内容についてご紹介します。
機能訓練計画書以外の通所介護の改定内容については、こちらの記事を参考にしてください。
2021年4月以降新設された加算は「100単位/月」です。
加えて生活機能向上連携加算(Ⅱ)も新設された為、その場合の加算は「200単位/月」となります。
【生活機能向上連携加算(Ⅰ)の算定要件】
・訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション、リハビリテーションを行っている医療機関の理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・医師が通所介護事業所を訪問し、アセスメントを受ける体制を構築し、助言を受けた上で個別機能訓練計画書を作成する事
・リハビリ専門職と連携して、身体状況等をもとに個別機能訓練計画の進捗状況を3ヶ月に1回以上評価し、必要に応じて訓練内容の見直しを行う
・医療提携施設の理学療法士などが通所リハビリテーションの医療提供の場、または機能訓練指導員と連携してICTを活用した動画等により利用者の状況を把握し、助言を行う
個別機能訓練加算(Ⅰ)イの加算は「56単位/日」です。
【個別機能訓練加算(Ⅰ)イの算定要件】
・通所介護・地域密着型通所介護事業所の機能訓練指導員等が、利用者の居宅を訪問し、ニーズを把握すると共に居宅での生活状況を確認
・専従の機能訓練指導員を1名以上配置(配置時間の定めなし)
・居宅訪問で把握したニーズと居宅での生活状況を参考にして多職種共同でアセスメントを行い、個別機能訓練計画を作成する
・利用者の心身の状況に応じて身体機能及び生活機能の向上を目的とする機能訓練項目を柔軟にに設定
・訓練項目は複数種類準備し、その選択にあたっては利用者の生活意欲が増進されるよう利用者を援助する
・5人程度以下の小団体または個別であること
・機能訓練指導員が直接実施(介護職員などが訓練の補助を行う事を妨げない)
・利用者の居宅を訪問した上で、居宅での生活状況を確認するとともに利用者または家族に対して説明するのを3ヶ月に1回実施し、必要に応じて個別機能訓練計画書の見直しを行う
個別機能訓練加算(Ⅰ)ロの加算は「85単位/日」です。
【個別機能訓練加算(Ⅰ)ロの算定要件】
基本的には個別機能訓練加算(Ⅰ)イと共通する算定要件となっていますが、「機能訓練指導員の配置条件」が唯一違う箇所とされています。
・専従の機能訓練指導員を1名以上配置(サービス提供時間帯を通じて配置)
機能訓練指導員の常時配置が難しいことを受けて、配置条件においてのみ細分化されたそうです。
個別機能訓練加算(Ⅱ)の加算は「20単位/月」です。
【個別機能訓練加算(Ⅱ)の算定要件】
個別機能訓練加算(Ⅰ)イ・ロの取り組みに加えて、
・個別機能訓練等の内容を厚生労働省に提出(LIFEの活用)をし、フィードバックを受ける
・利用者の状況に応じて個別機能訓練計画の作成、計画に基づく個別機能訓練の実施、評価、評価を踏まえた計画の見直しや改善の一連のサイクルによりサービスの質の管理を行う
参考:厚生労働省
介護報酬改定に関する質問について、厚生労働省の介護報酬改定Q&Aをもとにいくつかご紹介します。
(Q)
新型コロナウイルス感染症については、基本報酬への3%加算(以下「3%加算」)や事業所規模別の報酬区分の決定に係る特例(以下「規模区分の特例」)の対象となっているが、
現に感染症の影響と想定される利用延人員数の減少が一定以上生じている場合にあっては、減少の具体的な理由(例えば、当該辞表所の所在する市又は特別区からの休業の要請を受けているか、当該事業所において感染者が発生したか否か等)は問わないのか。
(A)
対象となる旨を厚生労働省から事務連絡によりお知らせした感染症又は災害については、利用延人員数の減少が一定以上生じている場合にあっては、3%加算や規模区分の特例を適用することとして差し支えない。
(Q)
各月の利用延人員数及び前年度の1月当たりの平均利用延人員数は、認知症対応型通所介護については、留意事項通知第2の7(4)及び(5)を準用し算定することとなっているが、
指定認知症対応型通所介事業者が指定介護予防認知症対応型通所介護事業者の指定をあわせて受けている場合であって両事業を一体的に実施している場合、指定介護予防認知症対応型通y祖介護事業所における平均利用延人員数を含むのか。
(A)
意見のとおり。
(Q)
3%加算については、加算算定終了の前月においてもなお、利用延人員数が5%以上減少している場合は、加算算定の延長を希望する理由を添えて、加算算定延長の届出を行うこととなっているが、どのような理由があげられている場合に加算算定延長を認めることとすればよいのか。
都道府県・市町村において、届出を行った通所介護事業所等の運営状況等を鑑み、判断することとして差支えないのか。
(A)
通所介護事業所等から、利用延人員数の減少に対応するための経営改善に時間を要すること等の理由が提示された場合においては、加算算定の延長を認めることとして差支えない。
(Q)
令和3年度改定において、運営基準等で経過措置期間を定め、介護サービス事業所等に義務づけられたものがあるが、これらについて運営規程においてはどのように扱うのか。
(A)
・介護保険法施行規則に基づき運営規程については、変更がある場合は都道府県知事又は市町村長に届け出ることとされているが、今般介護サービス事業所等に対し義務づけられたもののうち、経過措置が定められているものについては、当該期間においては、都道県知事等に届け出ることまで求めるものではないこと。
・一方、これらの取り組みについては、経過措置期間であってもより早期に取組を行うことが望ましいものであることに留意すること。
(Q)
利用者が、複数の通所事業所等を利用している場合、栄養アセスメント加算の算定事業者はどのように判断するのか。
(A)
利用者が、複数の通所事業所等を利用している場合は、栄養アセスメントを行う事業所について、
サービス担当者会議等で、利用者が利用している各種サービスと栄養状態との関連性や実施時間の実績、利用者又は家族の希望等も踏まえて検討した上で、
介護支援円門院が事業所間の調整を行い、決定することとし、原則として、当該事業所が継続的に栄養アセスメントを実施すること。
厚生労働省によると、複数の通所事業所等を利用している場合は上記のような判断基準で栄養アセスメント加算を行います。
引用:厚生労働省
h2 まとめ
個別機能訓練計画書は、個別機能訓練加算を算定する上で必要な書類です。そして加算を取得するには定められた算定要件を満たす必要があります。
改定前と改定後で変更となっている部分もきちんと把握した上で、利用者の自立支援や重度化防止のためにもひとりひとりに合った目標や計画を作成できるようにしましょう。